関西各地でケンサキイカが好調だ。そこで今回は、ライトな釣りなので誰でも入門しやすく人気上昇中の「イカメタル」におけるキホン的な誘い方5選を紹介。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
イカメタルのキホン
ケンサキイカを釣るアイテムとして古くからスッテと呼ばれる漁具が使われている。以前のケンサキイカ釣りといえば、胴突き仕掛けスタイルで下にはオモリ、スッテを枝として使って釣るスタイルが中心だった。
それがオモリの代わりに鉛やタングステンを内蔵したスッテ、いわゆる鉛スッテを使うことで、専用のオモリが不要になった。なにより、仕掛けを動かす=鉛スッテを動かすということになり、ロッドで付けるアクションがダイレクトに鉛スッテの動きになり、鉛スッテ自体がイカにアピールしてイカを乗せることができるようになった。
短い仕掛けで手返しアップ
元々、鉛スッテ一つのシンプルな仕掛けで狙っていたが、ドロッパーと呼ばれる鉛を仕込んでいない浮きスッテやエギなどを仕掛けの少し上に付けた仕掛けも登場して、タナも多少は広く探ることができるようになったが、それでも仕掛け全体の長さは取り扱いやすい1.5~1.8m前後で、仕掛けギリギリまで巻き上げて、ロッドを上げれば一番下の鉛スッテに掛かったイカも簡単に抜き上げて手に取ることができる。
実はこの仕掛けの短さが手返しの早さに繋がり、10m以上もある従来の胴突き仕掛け+浮きスッテよりも、イカの数が稼げる釣りとして発展してきた。
リグのスタイル
さて、まだまだ進化途中のイカメタルなので、毎年、新しい仕掛けのスタイルが登場している。〜〜リグなんて新しい釣法の名前が情報として飛び交うのも、人気上昇中の釣りである証だろう。
鉛スッテ
鉛スッテとドロッパーを使ったいわゆるイカメタルの仕掛けはこの釣りのキホンであり、扱いやすさナンバーワン。入門するならまずはこの釣り方をマスターして、イカにアピールするスッテの動きなどをイメージできるようにしておきたい。
また、アタリの取り方なども非常に勉強になるので、ぜひとも実践していただきたい釣りである。
オモリグ
2019年にかなり広まった釣法で、いわばアオリイカ釣りの中オモリを使ったシャクリ釣りスタイル。小さなテンビンなどを使って、テンビンに付けたオモリで仕掛けを沈める。テンビンの先にはリーダーを介してエギがセットされる。テンビンの上にはドロッパーを付けることが多い。
特徴としては鉛スッテのようなダイレクトなロッドアクションでの誘いではなく、大きくロッドで仕掛けを上げて下げることで、リーダーの先のエギがユラユラと沈む。潮に流されてリーダーが張るとエギが水平にユラユラと自然に泳ぐような体勢になり、イカが違和感を覚えずに抱いてくるという寸法で、大型で警戒心の強いイカも釣れるとして人気の釣り方だ。
イカメタルでの重要課題
イカにダイレクトにアピールして、イカの興味を惹くという意味ではやはり、鉛スッテを使ったイカメタルでの釣りをまずはマスターしよう。
この釣りはイカがスッテ(鉛スッテ、ドロッパー)に触ってきた、抱いてきたという感触がロッドを通じて繊細に分かる反面、自然な動きを出させるにはやはりロッドワークが重要になる。
せっかく魅力的な誘いをしてイカを寄せても、抱かせる体勢に入った時にスッテが不自然な動きをすればイカは抱かない。そこでも、腕の差が出るのだ。アクションする時の「動」の動きと、イカを乗せる時の「静」のメリハリをしっかりと付けることを意識したい。仕掛けを止める時には、船の動きで仕掛けが勝手に上下動しないように注意する。
状況に合わせた誘い
イカメタルにおいてはまず、スッテの動きを通してイカにアピールすることが重要だ。その時々でイカが嫌がる動きもあれば、強烈に反応して捕食スイッチが入り、いとも簡単にスッテを抱いてくることも多々ある。つまりはイカの活性や状況に合わせた誘いが必要だ。
サワリを感じる
イカメタルのもう一つの重要な項目がイカのアタリ、サワリを感じることだろう。イカのアタリは多彩で、いきなりグイーッとロッドを引っ張り込むこともあれば、フワッとロッドティップを持ち上げる、またはノソ~ッとごくごくゆっくりロッドティップを押さえ込むことも多々ある。しかし、そんなのは分かりやすいアタリで、集中していないと見逃す反応も非常に多い。
特にイカが乗らないまでもスッテに触ってくるサワリの反応が分かれば、それはイカがスッテの近くに居るという証拠で、近くに居るであろうイカを乗せにいくためのアクションをすれば高確率で乗せることができる。
タナを探す
これはアクションではないが、夜のイカ釣りではイカの群れが泳ぐ層(タナ)がめまぐるしく分かることがよくある。水深50mで、底から釣れ出した思えば、直後には25m、時間が進めば35m、そして10mで反応が良くなるといった具合で、良く釣る人はそのタナの見極めが早い人である。
最初は釣れた人にヒットゾーンとなるタナを聞くのが手っ取り早いが、できれば釣れたタナを教える人になりたいもの。具体的には日暮れの底狙いから始まると思うが、反応が薄ければすぐにタナをどんどんかえていき、イカの泳層を探る。イカが釣れれば、次投は釣れたタナをまず探って、反応がなければ早めに見切りをつけて違うタナを探る。
エリアによっても特徴がある
さて、今回のテーマである誘いのアクションについて。有効な誘いはその時々のイカの状況によって大きくかわるので、反応の良い誘いを探す。ただ、そのエリアによってやや有効なアクションがかわってくる傾向がある。
たとえば、南紀方面ではあまり激しくスッテを動かすよりは、静かな誘いで小さく出るアタリに集中してしっかりと掛けていくといった具合で、アクションが大きければアピール力も上がってイカが乗りやすい、とはならない。