釣りの世界で長さを表す単位は「cm」や「m」だけではありません。「ヒロ」「矢引き」といった単位が存在しますが、これらは人間の身体のサイズを基準にしています。どこのサイズかお分かりですか?
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
釣りでの長さの単位は様々
釣りをしていると耳にする「ヒロ」や「矢引き」といった言葉。これらはある長さを表していますが、一般的に馴染みのない用語で分からない方も多くいると思います。「ヒロ(1ヒロ)」はメートルに換算すると約150cm、「矢引き」は約90cmです。なぜ1ヒロは150cm?と思った人も多いはず。実は、これらの長さは人間の身体と深い関係があります。
人間の身体が基準
「ヒロ」や「矢引き」といった長さは人間の腕の長さを基準にしています。1ヒロが150cmである理由は実際にメジャーを持って腕を横いっぱいに広げてみると分かります。体格などの個人差によって若干の長短はありますが、おおよそ150cm前後であると思います。
釣り場や船の上でラインの長さを測るときに腕を使うだけで引き出した糸の長さが分かることから、釣りの世界では特に多用されています。自身の1ヒロを覚えておけば、日常生活でメジャーがなくてもある程度の精度で長さを測ることが出来ます。
腕を基準にした長さを活用
腕の長さを使って長さを測る方法を4つご紹介します。
1、手から肘までの長さ
手から肘までの長さは約30cmになります。めったに釣れないサイズですが、尺キスと呼ばれる30cm以上のシロギスには「肘タタキ」という別名があります。手から魚をぶら下げると丁度魚の尾びれが肘の辺りを叩くことが由来で、このことから人間の手から肘までの長さは約30cmであることがわかります。もちろんシロギスだけではなく、尺アジや尺メバルなどをおおよそですが判定する時にも使えます。
2、手から肩までの長さ
手から肩までの長さは約50~60cmになります。(1)の内容から、筆者が試しに肩までの長さを測ってみたところ偶然約60cmであることに気がつきました。エダスの長さを測ったり、アジングやメバリングで使用するような短いリーダーを引き出す時など、ハリスやショックリーダーの細かい長さ調整などに利用してみてください。
3、手から反対の腕の付け根(脇付近)までの長さ
手から反対の腕の付け根(脇付近)までの長さは約90cmになります。この長さは矢引きと呼ばれ、ラインを引き出した時に弓を構えているように見えることが由来です。人によっては矢引きがおおよそ100cm程度であることも多く、ハリスを引き出す時はもちろん日常生活にも応用可能でとても実用的です。
4、両腕を横いっぱいに広げた時の長さ
両腕を横いっぱいに広げた時の長さは約150cmになります。1ヒロと呼ばれ、先述の通り仕掛け図などでも頻出の用語です。1ヒロは約150cm(1.5m)なので、2ヒロは約300cm(3m)になります。覚えておくと非常に便利な長さで、ハリスやショックリーダーの長さはヒロを使うと作業が早くなります。素早く正確に長いハリスを引き出すことが出来るため、船釣りはもちろん、ウキフカセ釣りでのロングハリス仕掛けを作る時にも非常に役に立ちます。
<杉本隼一/TSURINEWS・WEBライター>