花見をちょっと贅沢にする『ヒレ酒』の作り方 ひと工夫で風味に大きな差

花見をちょっと贅沢にする『ヒレ酒』の作り方 ひと工夫で風味に大きな差

春と言えば花見の季節。桜を見ながら飲むお酒にちょっとしたひと手間を加えることで、風情がアップするかも?今回は、お花見御膳がちょっと贅沢になる『ヒレ酒』の作り方を解説していきましょう。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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サカナ研究所 その他

ヒレ酒とは

ヒレ酒とは、日本酒を美味しく飲む方法の一つで、サカナのヒレを火であぶり、熱燗(あつかん)に入れたお酒の事を言います。

使用するサカナの種類に特に決まりはなく、食用のサカナであれば、何を使っても作れます。

しかし、出来上がりは使ったサカナの種類によって大きな差が出るため、香りや旨味が出やすい「フグ」や「タイ」のヒレが使われることが多いのです。

安価なお酒を美味しく飲む

今でこそ日本酒は、吟醸酒や純米酒など自分好みの酒を選んで購入できますが、戦時中などの時代では酒も大変貴重なものだったため、粗悪なものが多く出回っていました。

そんな『粗悪な酒をいかに美味しく楽しむか』、『風味や味を良くするにはどうすればいいか』こういった背景の中で生まれたのがヒレ酒なのです。

現在でもその風習は廃れることなく、日本酒を楽しむ手段として残り続けており、日本料理屋などで楽しむことができます。

身も楽しめる『骨酒』

ヒレ酒と同様にサカナを使ったお酒の楽しみ方として【骨酒(こつざけ)】というものがあります。

骨酒の場合は焼き焦がした魚を熱燗に浸し、その香りがほんのりとするお酒をいただくというものです。

熱燗に魚のうま味や出汁が移り、ただのお酒とはまた違う味わいを感じられる、日本酒の飲み方のひとつで、地域ごとにいろいろな魚や作り方の骨酒があります。

ヒレ酒と違い、熱燗に浸した魚の身も食べられるのが特徴です。

お酒を吸って柔らかくなったサカナの身は日本酒の風味がし、塩や醤油で少し味つけするだけで、最高の肴(あて)になるのだとか。

サカナ好き、お酒好きにはたまらない一品と言えるでしょう。

『ヒレ酒』に適したお酒

ヒレ酒に使用する日本酒は、特段、高級なものでなくて大丈夫です。むしろコンビニに売っているような安価なお酒の方が良いでしょう。

大吟醸などの吟醸酒を使用してしまうと、せっかくのお酒の良い香りが飛んでしまい少しもったいないからです。 

ヒレ酒がもともと質の低い日本酒を美味しく飲むための方法だということを思い出してください。

どのサカナのヒレが合う?

サカナの種類は問わないとは言いましたが、やはりオススメなのは、「フグ」でしょう。

フグのヒレは大きく、その分香りも強い為、ヒレ酒との相性は抜群です。その上、高タンパクでアミノ酸の含有量が多く、グルタミン酸とイノシン酸などの旨味成分が多く出るため、強い旨味を感じることができます。

「フグのヒレ」は一部のスーパーでは鮮魚コーナーで販売しているところもありますし、最近ではネットでも簡単に手に入れることが出来ます。

いずれにしてもヒレ酒用のヒレを購入する場合には、ヒレが乾燥していなければならないため、乾燥ヒレを探して購入しましょう。

「フグ ヒレ酒」などのワードで数多くHITします。

フグ料理の店先に、木の板にフグのヒレを広げて貼り付けているのをよく見かけますが、これもヒレ酒用のフグヒレを作っている事が多いのです。

フグが手に入れば自分でも作る事はできるのですが、実はフグの種類によってはヒレが非可食となっているものもあるため、素人判断での乾燥ヒレ作りは止めましょう。

花見をちょっと贅沢にする『ヒレ酒』の作り方 ひと工夫で風味に大きな差乾燥ヒレ(出典:PhotoAC)

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