例年なら既に盛り上がっている静岡のコノシロパターンのブリ・ランカーシーバスだが、今年はコノシロの入りが良くなく低調が続いている。しかし釣り納め釣行をしていないため、気温が高く釣りをしやすそうな12月31日の大晦日に清水の三保海岸にショアジギングに出掛けた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・永井 航)
三保海岸でショアジギング
大晦日に、三保海岸へショアジギングへ出かけた。前日までの情報によるとちらほらと釣果情報も聞こえてきた。しかしマヅメが終わり日も高くなってきたところでベイトのコノシロが入ってくるという話が多く、基本的にほとんど釣れていないようで、やはり期待は持てなさそうだ。
当日のタックルは、コノシロの入りが悪いようなので、基本はルアーで狙い、コノシロが溜まるような場面になれば引っ掛けて泳がせる仕掛けを使う予定を立てた。
釣り場には早い時間に入ったため、先行者は一人だけだった。他の釣り人が来る前にフラットなどを狙いたいので、ランガンしながら釣りをはじめた。
海底には海藻がかなり生えているようで、度々ルアーが海藻に包まれて帰ってくる。その後海藻が付かない所を見つけ、その周辺に釣り座を構えることにした。
ボイル音を狙い撃ちヒット!
遠い沖にコノシロとみられるモヤがある程度で、届く範囲では全く気配が感じられない。「そろそろ小休憩を。」と思ったところでボイル音!
暗かったこともありボイルを視認できず距離もわからなかったが、音のした方向にキャスト。弱ったコノシロを演出するためルアーをゆっくり巻きつつ海底にルアーが当たった所でトゥイッチをいれるとガツンと強い魚信。
事前情報が悪い物ばかりで期待していなかったので油断していた。ヒットの瞬間は、思わず心臓が口から飛び出る程驚いたが、どうにかしっかりとアワセだけはいれることができた。
アワせた後、沖合いに向かって走ろうとする魚の頭を強引にこちらに向けてファイトをはじめる。引きの馬力の強さからシーバスではなくワラサかブリなのは間違いない。
強引なファイトで勝負あり!
隣には他のアングラーがいるため、あまり自由に走らせずにドラグはやや強めにファイトをする。しっかりとフッキングしていると信じ、強引に寄せにかかる。
沖では、たまに強い抵抗を見せる程度であったが、手前のシャローエリアに来ると魚が危機感を覚えたのか一気に抵抗を強め、1度のされそうになってしまった。しかしロッドのパワーで耐えきることができ、更に再び走ろうする魚の動きに合わせてロッドを操作し、水面から顔を出させることができた。2~3度空気を吸わせると一気に動きが鈍ってきたためランディングに入る。
当日は、凪で波がほとんどなく、引き波に魚が乗ってランディングに失敗するリスクはない。勝利を確信しながらズリあげた。
正体は80cm超えのブリ
ライトで照らすと痩せてはいるが、80cmオーバーは確実のサイズだ。魚にメジャーをあてながら周囲を伺うと時折ボイル音がまだ聞こえる。
釣行前には釣れたらすぐに帰るつもりだったが、人間とは欲深いもので計測もそこそこに2匹目を狙いはじめる。いつの間に来たのか今度はルアーが泳ぐ空間がないほどにコノシロがいる。
泳がせ仕掛けに変えるか迷ったが、今が時合いと判断したことと、何よりルアーでの良い感触が残っているため仕掛けは変えずにルアーで釣りを続けた。
満員のサーフで釣り納め
しかしあっという間にコノシロがいなくなり、いつの間にかボイル音もなくなっていた。そのまま明け方を迎えたが、1人がブリを釣り上げたのを確認した以外は盛り上がるところもなく太陽が登ってしまった。
世間は大晦日で休みということあり、釣り場には見渡す限りぎっしりと釣り人がいたが、確認できた釣果は私を含めて2匹のブリのみだった。
釣果のブリを計測すると84cmだった。暖かいからという理由で釣り納めに来たが、素晴らしい釣果を得ることができて満足のいくものとなった。不調続きのサーフで、周囲が釣れていないなか、釣れたのも素直に嬉しい。
年内の使いきらなかった運を放出しただけで、2020年の運を前借りしていないことを祈りたい。
今後の展望
今シーズンは、昨シーズンと比べると釣果は良くないものの、タイミングが良ければ釣果を出すことも可能だろう。また静岡県内で言えば、西部にある遠州サーフではワラサ・ブリ、ヒラメ、シーバスの好釣果が連日のように出ているようで複数釣果も十分狙えると聞く。そちらに足を伸ばす価値は十分にあると思う。
静岡サーフのコノシロパターンもこのまま調子が上がらずに終わる可能性もあるが、状況が一変することもあるだろう。そのため静岡サーフの情報にもアンテナを張っておいて損はないだろう。
三保海岸
<永井 航/TSURINEWS・WEBライター>