毎年、初冬の恒例となっている「全日本カレイ選手権」に参加をしてきた。他魚部門狙いでノマセ釣りに挑戦した結果はいかに?
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)
全日本カレイ選手権に参戦
全日本カレイ選手権は投げ釣りの広域団体全である日本サーフキャスティング連盟が主催する大会で、全国35カ所ある会場のいずれかにエントリーすることで参加できる。最終的には、その日の結果を元に全会場合わせて順位を競うものだ。今回は、遠征して巨ガレイのメッカ、福島・小名浜会場へ向かった。
競技時間は午前4時30分から午後2時30分までで、1尾のカレイの長寸を競うというものである。またカレイ以外に他魚の部が設定されている。魚種ごとに指定された寸法があり、釣った魚の長寸を指定寸法で割ったポイント制で順位を決めていく。
今年の大会はクラブの松宗さん、皆川さんと一緒に福島・いわき市の小名浜会場にエントリーした。私はカレイを狙うか他魚を狙うかで直前まで迷っていたが、まだカレイには少し早いだろうと思い、ノマセ釣りで他魚を狙う事に決めた。
大会前日の11月16日、午後5時に茨木市のクラブメンバーの自宅を出発。名神高速、新名神、伊勢湾岸、新東名、首都高速、常磐道を順調に走行し、受け付け会場の小名浜港第1ふ頭には午前2時過ぎに到着した。
渡船で沖堤防へ
大会の参加メンバーと談笑した後、審査カードを受け取ってから、会場を出発する。この日は、渡船に乗って沖堤防へ渡る計画である。ほどなくして到着した渡船に乗り込む。カレイを狙う松宗さん、皆川さんは第1防波堤に、活きエサで釣る私は第2防波堤に渡堤した。
早速、先端の白灯付近を目指すが、私たちよりも早い渡船で渡ってきたグループが先端周りで釣りをしていたので、やむをえず先端から少し離れた所に釣り座を取って開始する。
当日のノマセ仕掛け
当日は、ノマセ釣り用にタックルとエサを用意した。
胴突きスタイルのノマセ仕掛けで
軟調子の投げ竿に大型スピニングリールをセットし、道糸はナイロンライン6号を選択した。ノマセ釣りの仕掛けは胴突きタイプの1本バリ仕掛けで、ハリは親バリを超人ヒラメSとし、孫バリをノマセ用のトリプルフックとした。
エサは最近愛用のウグイ
エサは大阪で調達してきたウグイだ。淡水で持ち運べるのと、ブクブクが切れてもそう簡単に死なないので、非常に扱いやすいエサだ。また淡水魚にもかかわらず、海中でも1時間以上は平気で泳ぎ回るので、最近のお気に入りのエサになっている。竿3本の仕掛けにウグイを付けて、足元を中心に波止の捨て石周辺に仕掛けを置く。
日が出ると突風が・・・
いつでも最初の一投は期待感でワクワクさせられる。いつ竿先が絞り込まれるか、ワクワクしながら待つが、なかなかアタリが出ない。先端周りの釣り人も生きアジを使ったノマセ釣りで、おそらくヒラメ狙いのようだが、時々ハマチが掛かって楽しそうである。
そうこうしているうちに夜明けを過ぎ、日差しが当たるようになると突然、風が吹き始めた。時々突風のような風で、先端周りの釣り人も慌てて荷物をまとめて片づけ始めた。
根魚が顔出し
そこで、空いたスペースに移動し、改めて3本の竿を並べる。後ろの灯台が風を遮ってくれるので、何とか釣りになる状況だ。すると右斜め前の捨て石の先に投入した竿の先が数回たたかれた後、ドラグがジ~。
慌てて糸を送り込む。ヒラメ40という言葉がある通り、生きエサを飲み込むまでの十分な時間を与えるためだ。そして1分待ってから大アワセ。すると重量感とともに頭を振る動きが伝わってきた。この感触は残念ながらヒラメではなく根魚系だ。やがて姿を見せたのは真っ黒な魚体のソイ。
そんなに大きなサイズではなさそうなので、タモは使わずに抜き上げた。メジャーを当てると35cm前後だ。ソイの規定寸法は45cmなのでポイント換算すると0.77くらい。これでは大会の上位に入ることは難しい。
それでもこの悪条件下で最初に釣れた対象魚のため、ストリンガーに掛けて沈めておく。先端周りが完全に空いたので、竿と竿の間のスペースを十分に取って広範囲を探る。すると中型のガシラや40cmまでのマハタが釣れてくる。
風が強まり撤収
魚の活性は高そうなので、そろそろ本命のヒラメを期待するが、なかなか思い通りにはいかない。ますます風が強まり、とうとう灯台を回り込んで釣り座にもまともに当たるようになってきた。沖は白波が立ち始めて、迎えの渡船も堤防に船を付けるのに苦労している。これ以上の続行は危険と判断し、少し早いが午後1時に納竿とした。