全面氷結による氷上ワカサギ釣りが、年内に解禁する場所が出てくるかもしれない。しかし氷上釣りとなると、防寒や穴あけ道具など装備が大変。その点、ドーム船は暖房の効いた室内で釣りができる。女性や初心者でも手軽に楽しめる。ここではドーム船での釣りの楽しみ方について紹介しよう。
ドーム船の形態
ひとことでドーム船といってもいろいろなタイプがある。
外観の違いとしてはビニール張りのドーム状のもの、または屋形船のようなもの。
形態は、
【1】桟橋に固定されていて歩いて乗り込める。
【2】湖上に固定されていて船外機で送迎。
【3】エンジンが付いていて自力でポイントまで移動。
【4】小型のボートにホロを付け、引き船されてポイントへ移動する。
という4つ。
タイプに違いはあっても基本的に大きな差はない。
スペースの広さや、乗り降り時の防寒対策など、若干の違いがある程度だ。
【1】は関東では高滝湖が有名、最近できた白樺湖もこれ。
【2】のタイプは諏訪湖、相模湖、河口湖、桧原湖など、小型のものは精進湖にもある。
【3】は山中湖、野尻湖などが代表的。
【4】は山中湖にも見られる。
ちなみに桧原湖など、東北の湖では湖が氷結したあと、水上ドームが氷上ドーム(屋形)になるものがある。
さらに氷上に設置されるハウスタイプもあり、小人数のグループで貸し切りで楽しむことも可。
いずれの形態も釣り座に限りがあるので、予約制をとっている店が多い。
特に週末はいっぱいのことがあるので、早めに計画を立てて予約しておくのが賢明だろう。
竿・リール
室内で溝や穴から仕掛けを下ろして釣りをするというワカサギ釣り独特の釣り方なので長い竿は使えない。
また水温が下がり、魚の活性が低いことから、短くて感度のいい穂先の竿が有利。
長くても30cmくらいが限度。
シンプルで価格が安いのは手バネだが、深い場所ではたぐったミチイトが絡んでしまうトラブルが多いのが難点。
手巻きリール竿はミチイトが絡むトラブルは少ないが、重いので繰り返し誘ったり微妙なアタリに合わせたりする動作は遅れ気味になる。
最近急激な進歩を遂げているのが電動リールで、大手メーカーが高機能モデルを発売している。
ドームの釣りでは威力を発揮する。
なお電動、手巻きに関わらずリール竿の穂先にはガイド穴が付いている。
ただし、ドームといえども朝方の室温が上がる前は、ガイド穴が凍ってイトが巻けなくなることがある。
そのため、指などで氷を溶かしながら使うこともある。
仕掛け
短竿だから長い仕掛けはトラブルの原因。
ハリ数は多くても7本くらいにとどめたい。
食いが渋い時期なのでハリは1号以下がいいだろう。
魚のサイズが大きくて活性が高い湖では、バラシを防いで多点掛けを狙うために、それ以上のサイズのハリを使うことがある。
厳冬期はタナが底べったりなことが多く、オモリ下のハリは効果が大きい。
ぜひ、下バリを付けられるオモリを選択しよう。
オモリの号数は、ドーム船の場合、自分の2本竿や隣の人とのオマツリ防止を考慮して1ランク重いものを使うといいだろう。
特に風が強くてドームが動くときや、掛かった魚が大きくて泳ぎ回るときは、重めのものを選択する。
エサ
エサはサシが基本。
白でも赤でもいいが、水温の下がったこの時期はハサミでサシを小さくカットして、ワカサギがエサを食いやすくする。
湖によっては赤虫の食いがいいことがある。
釣り方
水温が下がり、活性が低下している時期なのでタナはベタ底のことが多いが、活性の高いときはある程度、宙層で食ってくる。
魚探があればタナを正確に把握しよう。
魚探がなくても、仕掛けのどの位置のハリに掛かっているかでタナを推定することも大切。
ドームとはいえ、竿が短い以外、ボートワカサギと基本的な釣り方は同じ。
つねに仕掛けを動かす「誘い」が肝心。
長竿と違って短竿は少し派手に動かさないと「仕掛けが」動かない。
仕掛けを揺らして一定時間止めるというパターンをいろいろ試そう。
もっとも早くアタリがでる最適パターンを見つけるのが釣果アップのコツ。
これはドームに限ったことではない。
その他注意点
温かい室内とはいえ、桟橋で待っているときや送り迎えのときに寒くないよう準備しておこう。
また桟橋やデッキは凍結や雪で滑りやすいことがあるので注意。
移動時はライフジャケットを必ず着用しよう。
また、2本竿ができる状況かどうかの確認も必要。
周りの人との距離が近いので、トラブルなく楽しいドーム船の釣りを満喫しよう。
<週刊つりニュース関東版 APC・郡直道/TSURINEWS編>