残暑がやわらいだ8月21日(水)、東京湾の伝統釣法「手ビシ釣り」を復活させてくれた金沢八景の進丸の午前アジ船で釣行した。当日は、魚影も濃く初心者でも脂がのった良型アジを30尾と好釣果に恵まれた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・野田 栄)
アジ狙いの『手ビシ釣り』
この日は「手ビシをやってみたい」と言う瓜田さんが同行。夏休みの最終週なので、平日にもかかわらず親子連れが多く14人が乗船。
出船前に川島船長から、分かりやすくて優しいユーモアあるレクチャーを受け、7時30分に出船。航程10分ほどの近場ポイントへ向かう。
私たちの釣り座は右舷トモ寄り。中潮の満潮が7時51分、潮止まりからのスタートなので、食いが立つまでの間に手ビシの基本を釣友にレクチャー。
釣り方の基本
規定の40号ビシに30号オモリを足して手ビシ対応にする。仕掛けは船宿の、ハリス2号にムツバリ10号の三本バリで、付けエサは青イソメ。
1.ビシにコマセを八分目に入れて投入
2.ビシ着底後はイトフケを取る
3.両手を広げて1ヒロ(約1.5m)たぐり上げる
4.手首を上下させて3、4回コマセを振り出す
5.さらに半ヒロ(約75cm)上げて静止
6.アタリを待つ
7.アタリがなければ②~⑥を3回繰り返して回収。コマセを詰め直す
一連の動作に慣れるため、まずはゆっくりやるようにアドバイスする。
船中ではぽつぽつ程度に顔が見られ、瓜田さんにも20cm級が上がる。私は15cmほどの小型でリリース。これを見た船長は移動を告げる。
富岡沖で良型キャッチ
再開は富岡沖の水深10m。数分でコマセが効き始めると「魚の群れが船に付くように、30分間はこまめにコマセを出してください」のアナウンス。
全員の連携で、20~28cmの幅広中アジが釣れだした。右舷ミヨシには一人で来た釣りレディーが好調に掛けるが、食いが浅いのか取り込みでバラし、苦労している。
こちらにも25cm級のいいアタリが指先に伝わり連釣。釣友も好調に数を伸ばす。
いい感じに釣れているが、時々、アタリがピタッと止まる。ゲストのイシモチが近くにいて、アジがおびえる時によくあることだ。
胴の間で25cm級の予想の魚があがり、私にも同級。この群れが遠ざかるとまたアジが食いだすのがこの日のパターン。
魚影濃く釣れ続く
9時すぎからは潮がいい流れになり、船中あちらこちらで一荷(2尾)や、28cm級が掛かる。
海面で走られ、どうしていいか分からない子どもの悲鳴が。ちょうど近くにいたので、私が手助けして無事ゲット。
右舷胴の間の親子は見事な連携プレーで入れ食い。父親はまな板を持参していて、アジの頭を落として下処理し、クーラーに入れている。
食いが立ち絶好調
10時ごろにはさらに食いが立ち、皆が絶好調。
「あと20分ほどで沖上がりします」のアナウンスがあり、手ビシならではの手返しの速さで、一荷を含めて10尾を追釣。
当日の最終釣果
船中釣果は15~28cm18~33尾で、竿頭は平塚から一人で来た、松本さん。
私は28尾にイシモチ。手ビシ初挑戦の瓜田さんは30尾で「人生初の手釣りは、指先にでるアタリが竿で釣るより繊細で、フィッシュオンした時もダイレクトに反応が伝わってくるからとても楽しいですね。『身体全体が釣り竿になる』という意味がよく分かり、ハマってしまいました」の嬉しいコメント。
良型の魚影が濃く、脂が乗って美味しいアジが釣れ続いているので、これからが秋に向かって大いに期待できそうだ。
<週刊つりニュース関東版 APC・野田 栄/TSURINEWS編>