船釣りにはたまに行くけれど、専門的なことはちんぷんかんぷん。とりあえず船長や常連との会話では「うんうん」とうなずいているけれど、トモってどこ?カカリ釣りってなに?という釣り人、意外といるのではないだろうか?今回は、いまさら聞けない船の常識をピックアップしてみた。船釣りデビューを考えている人の座席選択の参考にもなると思うので、ぜひ釣行の前に確認しておいてほしい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・平塚)
船の座席の呼び方
船釣りを一度でも経験したことがある人は「トモ」や「ミヨシ」などの言葉を聞いたことがあるはず。
実は、座席をいうときに、船では右舷、左舷とミヨシ、胴の間、トモという言葉をつかって表現する。まず右舷、左舷だが、これは船首の方を見て右側を右舷、左側を左舷と表す。そして、船首(舳先)から船尾方向に、ミヨシ、胴の間、トモと名前が付けられている。右舷トモ、左舷ミヨシといった具合だ。
では、それぞれの席についてどういう特徴があるがを紹介しよう。
ミヨシ
まず、ミヨシ。船首に近いミヨシ側の席は、上下によく揺れるのが特徴。船酔いしやすい人はもちろん、立って釣る場合などは足腰に自信のない人は、波のある日は避けた方がいいかもしれない。
一方、後ろにスペースは余裕がある場合が多いので、荷物やサオの取り回しが楽な釣り座といえる。ちなみに、ミヨシは水押し(みおし)が変化した言葉で、もともとは船首にある部材で、波を切る木のことを指すそうだ。
胴の間
胴の間は、船のちょうど中間の部分を指す。船長のいる操舵席に近く、船長にアドバイスをもらいながら釣りをするには最適かもしれない。
船長の手元にある魚探の情報をすぐにみられるのもメリットだろう。また、船の中央はピッチング(船首と船尾が上下する揺れ)の支点になるため、揺れが相対的に小さい釣り座である。
トモ
そしてトモ。ここもミヨシほどではないが揺れやすい座席。また、スパンカーを張る釣りでは風下になるので、エンジンの排気が流れてくることもある。
ただ、多くの船がキャビンの後部にトイレを設置しているため、トイレやキャビンに行きやすい、カカリ釣りなどではまきエサが効きやすく好釣果が期待できるといったメリットも大きい釣り座である。
流し釣りとカカリ釣り
続いて、もう一つの常識。流し釣りとカカリ釣りを説明しよう。
これは何となく言葉から想像できると思われるが、ポイントの上を船で流して釣るのが流し釣り、ポイントにアンカーを打って船を掛ける釣りがカカリ釣りである。
細かく分けると、流し釣りはドテラ流し、スパンカーを使った流し釣り、シーアンカーを使った流し釣りに、カカリ釣りは1丁イカリ、と2丁イカリに分けることができる。
細かい船の動きまでを知る必要はないが、海中での仕掛けをイメージして釣るのは釣果をよくするための第一歩である。流し釣りなのかカカリ釣りなのかくらいはまず確認しておきたいところである。
初心者にオススメなのは
今回は知っておきたい船釣りのあれこれを紹介してきた。いろいろ意見はあると思われるが、個人的には自分が船酔いするかどうかもわからない初心者は、揺れの少ない胴の間で船長のアドバイスをもらいながら釣るのが最初の1匹への近道だと思う。
夏休みに船釣りデビューを考えている方は参考にしてほしい。
<中西/TSURINEWS・関西編集部>