今年の和歌山・中紀のイカダはチヌの乗っ込み当たり年。各地で例年以上の釣果が出ている。そんな好期真っ只中の5月10日、和歌山・由良町糸谷のイカダへと釣行した。
モーニングはアタリなし
由良町糸谷のイカダは私がチヌかかり釣りを始めた思い出の釣り場。湾奥に位置するため、非常に波静かでゆったりとサオを出せるのがお気に入りだ。
当日は午前5時の1番船で港から約5分のイカダ群の一角へと渡してもらった。天候は晴れで微風。絶好の釣り日和だ。糸谷はボラが多いのも特徴で、それをいかにかわしてチヌを仕留めるかが課題になる。
朝一番のモーニングはダンゴを打たずに、さしエサのみを落とし込んでいくが、まったく反応がない。しばらく周囲を探ってみたが一向に穂先が動かないので、ダンゴで魚を寄せることにした。
午前は37cmチヌとキビレ
紀州マッハ攻め深場とコーンダンゴチヌ、濁りオカラ、荒びきさなぎのベースにオキアミのすり潰したものとアミエビを混ぜ込み、ニュー活さなぎミンチ荒びきタイプをアンコにしたものをサオ下へと沈める。
水深は約15mで、潮は釣座から左右にフラフラと緩やかに流れる程度。
ダンゴ釣りを始めるとすぐにボラの反応。活性も高く、元気にダンゴを突いて煙幕を広げてくれる。
その甲斐あってか、エサ抜け後にラインを底に這わせていきながら、ボラのスレアタリを見送っていく釣り方をしていると、かなり時間が経過してから穂先がゆっくりと海中に入っていき37cmのチヌがヒット。早々に釣れたのですぐに次を狙うも後が続かず。
依然、ボラは活性が高い状態なので、小さなダンゴにさしエサを包み、中層で割ってからチヌを探したり、さしエサだけの落とし込みなどを折り混ぜて、ダンゴの使用量をかえながら釣りをしていく。すると昼過ぎにダンゴの煙幕効果が途切れるころに32cmのキビレが釣れた。
高活性のボラに対応
この頃からボラがさしエサにも反応しだして、やっかいな状況に。
そこで、今までダンゴ釣り7割だったのを3割まで下げて、後半戦は落とし込みメインの釣りを展開。この日のボラはダンゴに対して素直な反応を見せていて、打てば寄る、切れば散らばる、中層でバラケさせれば浮くといった状況。
策的中で本命顔見せ!
チヌはいずれも底付近で、ダンゴの煙幕効果が薄れた時に釣れている。そこで、ボラを浮かせて底でチヌを釣るイメージで釣りをしていく。
先打ちした空ダンゴの後を追いかけるように、さしエサを落とし込み、着底後、さらにラインをなじませようとした瞬間、チヌアタリ。32cmをタモ入れして納竿の午後5時を迎えた。
当日のチヌはまだ抱卵しており、そろそろ産卵期に入る感じ。今後は産後の個体も混じりだしてさらに面白い釣りができそうだ。
<大西与志夫/TSURINEWS・WEBライター>