狙い通りに仕掛けが流れ、思った通りの場所に仕掛けが到達。目印に魚信が出た瞬間、我々渓流師のテンションは最高潮に達する。だが、アワセを決めてファイトを楽しんでいたら、無情にもバレてしまったという悔しい経験をお持ちの方は少なくないだろう。今回は、渓流エサ釣りにおける「バラシの理由」を考察し、ケース毎の対処策を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
魚はなぜバレる?
まずはどのようなバレ方をするか、きちんと知っておく必要がある。著者が考える「渓流エサ釣りで多いバレ方」を紹介するので、1つずつみていこう。
針外れ
アワセのタイミング失敗によるフックアウトが最も多い様に思う。掛かり処が悪い、食いが浅いといったケースが該当する。その他、針の軸が折れる・針が伸びてしまうといった「針そのもの」にも注目する必要がある。
しっかり掛けにいきたい(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)ラインブレイク
これがラインの劣化が最たる原因だ。1つの仕掛けをずっと使用したり、デッドストック品に当たってしまった場合などが該当するが、確認を怠っていなければある程度防ぐことが出来るはずだ。
障害物
水中の障害物に擦れてラインブレイクしたり、岩や流木などに巻かれて針が外れる、といったケースが多い。その他、頭上の木に竿がぶつかって竿の反発力を得られない、竿を立てられずにのされるといったケースもありえる。
準備・想定不足
これは端的に言えば不注意だ。具体例を挙げると、掛けた時の体勢(態勢)が悪い、水量を読み違えた、ここで掛かるとは思っていなかった、必要なタイミングでタモを出せない等。今回紹介する中では、ある意味で最も防ぎやすいと言っていいかもしれない。
針外れの場合
ここからは1つずつ原因を深掘りしていこう。1つ目は針外れについてだ。
アワセのタイミング
渓魚はエサを咥えてから吐き出すまで0.1秒と言われる。流し方が上手くいき、渓魚に違和感を与えなければ、もっと長い時間咥えている事もあるだろう。
とはいえ、やはりアタリの出方をきちんと知った上で練習するのがベストだと著者は考える。「アタリか根掛かりか判らない」という方も多い様に思うので、根掛かりとアタリを見分ける術を持つことも大切だ。
食いが浅い
水温の低下やスレッカラシによる活性の低さはどうしようも無い部分があるが、5月以降は気温・水温とも上昇。どの河川も最盛期となるため、水温の低下に関してはあまり無いと考えてほしい。
となると、最重要は仕掛け/エサの流し方となる。流れを正しく読み、オモリの使い方を工夫すれば、スレッカラシであってもしっかり掛けることが可能だ。「いかに警戒させず、違和感を与えずエサを食わせるか」という所に注力してほしい。ラインを張って流しているならば、時に「送り込む」という選択肢も必要となる。
針によるもの
最盛期を迎えた渓流・本流では、良型の渓魚が竿を曲げてくれる。サイズが大きくなると口周りはかなり硬くなり、アワセを入れた時の衝撃もゴンッ!という硬質な物となる。アワセを入れた時の角度が悪いと針の軸が折れてしまう事があるので、魚の頭がどちらに向いており、どの角度で食ってきたかというのを考えながら釣ってほしい。
1匹釣ったらチェックを(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)また、流心で良型を掛けた場合、寄せてくる最中に魚体に抵抗が掛かり、細軸の針が伸びてしまう事もある。極力流心を切ることが無いように、魚を寄せる方向にも気を配りたいところだ。
ラインブレイクの場合
2つ目はラインブレイクについてだ。
ラインの劣化
好事魔多しというが、たまたま朝から一度も根掛かりすることなく、仕掛けが絡むことなく釣果を得ていた……という時が最も怖い。そもそも水中糸は大変細いので、何匹か魚を掛けたり、時間が経過すれば劣化してくるもの。ガン玉の付け外しでもラインは傷む。定期的に交換を行うクセを付けておく事をオススメしたい。
確認の重要性
大変細い糸を使用しているという自覚を持っておき、随時確認を怠らないことが大切だ。特にオモリを付けた場所や、針のチモト周辺は要注意。前回釣行時に持参した仕掛けなども、きちんと確認してから使用しよう。
ここで掛けたらどうする?(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)竿の反発力の利用
新しい仕掛けを使用していても、最盛期の渓魚の引きは凄まじいものがある。竿とラインが一直線になってしまったら、ほぼ確実に切れると心得てほしい。
流れの中を強引に突っ切るのも危険なので、魚の動きを見ながら竿の反発を最大限に利用していなし、魚が暴れている時は無理に引っ張らず様子を見よう。その後、魚の動きがある程度落ち着いてから空気を吸わせ、足場の良い場所で取り込みを行いたい。
外的要因の考察
竿を操作するようなスペースが無い、流れが強すぎる場所に逃げ込まれて対処が難しい、障害物に巻かれた、足場が悪すぎる等が該当。これらについては後述する。
障害物に対する対処
3つ目は最も難易度が高い、障害物にまつわるバラシだ。順にみていこう。
水中の障害物
渓流釣りは底が荒い場所を釣る事も多い。水深をしっかり把握するためにも、偏光サングラスは必須だ。また、増水後は流木等があちこちに引っかかっているので、流すラインに障害物はないか、しっかり把握しておくことが大切だ。
地上の障害物
これはオーバーハングしている木が最も多い。斜面から斜め向きに生えている木は特に注意が必要だし、里川なら案外電線なども気に掛けておく必要がある。
竿の扱い方
3WAYズームを上手く活用する他、使用する竿の長さと自身のリーチを把握しておけば、不用意に竿をぶつけることは減るはずだ。竿を振る前にきちんと確認しておこう。また、仕掛け投入時は振り子送りだけでなく、サイドキャストや竿のしなりを使って投入する等の工夫を凝らすと良いだろう。
準備・想定不足
最後は、渓流釣り師が最も避けたい準備・想定不足のケースだ。悲しいかな、これが最も多いという方も多いのではないだろうか。心構え一つでかなり減らすことが出来るので、順にみていこう。
沈み岩にも注意(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)足場と体勢
この項目で、一番最初に注意すべきは足場だろう。不安定な場所だと獲物が掛かった時に対処できないので、正しくアワセを入れられる体勢を(常に)整えておくことが大切だ。場合によっては、掛けた後に移動する場所も想定しておきたい。
態勢はどうだったか
「ここで掛かるとは思わなかった」「落ちパクは想定外」といった心の油断が失敗を招く。どこで食っても大丈夫なように、自身の態勢(心構え)も重要な要素だ。
流心には注意が必要(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)水量の読み違え
想定していたよりも水量が多いと、水の重さがラインにのりラインブレイクを招く。増水時はラインをワンサイズ太くしておくと良いだろう。
準備不足
一週間働いた後の釣りであれば、自身の寝不足や集中力不足、疲労によるバラシも多い事と思う。事前にしっかり寝ておく他、これからの季節は水分・塩分不足にも気を配り、常に万全の状態で挑みたい。また、ストックのオモリや仕掛けが少ない、といった文字通りの「準備不足」は絶対に避けたいところだ。
失敗を減らせば釣果は増える
釣りにおいて、「バラシという失敗を無くす」というのは永遠のテーマとも言える。どれほど名手と呼ばれる方であっても、ある程度はバラしてしまうものだ。
だが、バラシが減ると確保できる数が増えるだけでなく、場荒れが減ってセカンドチャンスが増え、釣果をさらに増やす事が可能となる。自身のバラシの原因をしっかりと特定し、是非次回以降の釣行に役立ててほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>



