12月現在、南紀ではキハダフカセが絶好調。40~50kgは当たり前のように釣れており、中には串モンと呼ばれるサイズも!キハダに混じってトンボ(ビンナガ)が釣れ出したので、13日は串本のTiger Fishing 奏丸さんのトンジギ便に突撃してきた。シーズン初期、数は釣れない代わりに来たらデカいので、タネトン狙いだったが、違う魚種が釣れたのでレポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中耕二)
目次
Tiger Fishing 奏丸でトンジギ釣行
午前5時半、紀伊大島の港で準備していると、Tiger Fishing 奏丸さんの船長が来られました。予約順に釣座を選択していき、私と李さんはトモから2番目と3番目となり、早々に出船。
夜明け(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)港から外海に出るとまだ日の出前、船は紀伊半島の東側を北上して浦神の沖まで来ました。遠くにキハダフカセの船が見えるポイントでスローダウンしてトンジギスタートの合図。
強烈な二枚潮でオマツリ多発
右舷に7人が並んでジグを投下。特に重さの指定はなかったので、350gブルピンケイムラのジグをチョイスしました。アナウンスでは、65mに潮目があるとのこと。反応は90mに一度入ったそうです。フォール中から右に強烈に流れます。120m出してワンピッチで誘い上げるとフワフワした感じがする。
風を真正面から受けるドテラ流しなのですが、ラインは右側に流れる。強烈な二枚潮になっています。コレはやりにくい。案の定、オマツリ頻発。胴のアングラーはジグが軽いのでしょう、毎回のようにオマツリしておられました。
ジグを重くする
上潮にラインが取られないように400gまで重くして、サミングを強めると多少マシになるのですが、それでも回収して落とし直すと他のアングラーとラインの角度が異なるので、オマツリします。コレでは釣りになりません。
ポイント移動
直ぐに船長判断でポイント移動となりましたが、縦流れになるのは変わらず忍耐の釣りです。500gまで重くしましたが、とにかく上潮があさっての方向へ流れるので、ラインだけが取られる。釣りになりません。当然のようにヒットはありません。
紀伊大島を沖から見る(提供:TSURINEWSライター田中こうじ)キハダフカセは好調な様子
一方で無線からはキハダフカセの好調な状況が伝わる。ダブルヒットとか45kgとか聞こえますが、ジギングには全く気配がありません。フカセで賑わう浦神沖をあきらめて大島沖まで大きくポイント移動。磯釣りをしていた頃に通った磯群を懐かしく眺めながら、後半に備えて腹ごしらえ。
移動を繰り返す
大島沖でも二枚潮がきつくて釣りになりません。潮岬沖で釣れたそうなので、更に上(西)へ移動しましたが、何を思ったのか船長が船を返して再び浦神沖へ。実釣時間より移動時間の方が長いダメパターンでした。
シーズン初期はマグロの個体数が少ないので、ジギングでは厳しいとは分かっているものの流石に心が折れかけます。
トンボが釣れたポイントへ
浦神沖では風が収まっており、素直にラインが払い出される。300gが気持ち良くしゃくれます。これは期待できそうですが、ノーバイトまま正午……。残り時間が気になり始めた頃、上でトンボが上がったと無線が知らせます。船長の決断はGOでした。
疲労蓄積
潮岬まで大きく移動して再開。東からの風に乗せて西へのドテラ流しで気持ち良くラインが払い出される。釣れる気がするが、現実は1つのバイトもなく、朝から重量級のジグをしゃくり続けた腕に、肩に、腰に乳酸がたまって重い……。
諦めたら試合終了ですよとどこかの監督の声が聞こえる。絶対に諦めない。トンジギのコツは何ですかと聞かれたら「諦めない精神力です」と答えることでしょう。
脱落者が続々
それでも釣れないと1人また1人と脱落していきます。船は良い感じに流れる。ジグから伝わる潮の抵抗も良い感じ。釣れる条件はそろっているが、唯一足りないもの。それは反応です。この日は魚探に本命がほとんど入りません。
これまで、反応がなくても一気に食ってきたことは何度もあります。やり切ると自分に言い聞かせる、絶対に!
活気づいた船上も
突如として隣の李君が叫ぶ「食った!」と。70mで本日初のバイトは一瞬でフックオフ。
それでも魚が居ることはわかると船上に活気が戻る。7人全員が懸命にしゃくりだすが、無情の海が牙を剥く。本命からのバイトはなく、シイラがジグにじゃれつく程度。
終わりの時間
1人また一人と闇に囚われていく。頑張っていた李君もロッドを置き座り込んでしまった。すでに延長戦に入って、ジグを何度入れ直しただろう。終に船長からラスト流しのコールが。釣れる条件はそろっている。実際に近くの船ではキハダが上がっている、フカセだが。
無情にも「終わりにしましょう」のコールがあってジグ回収……。これまでの疲れがどっと出てハンドルを回す腕が重い。
ラストチャンス到来
もうリーダーが入るという瞬間に船長が叫ぶ「95mに反応入った。もう一回落として」。直ぐにジグを100mまで落としてしゃくりだす。欲しかった反応が入った。絶対に釣れると妙な自信まであった。
しかし、ジグに魚の重みは乗らない。ダメか?ふと横を見るとニコニコしながら李君が見ている。「何してるの?チャンスやぞ」と言うと、もうリーダーを切ってしまったというではないか。私より先に回収して片付けに入っていたようです。
同乗者にタックル貸与
「最後までやらんかい!俺のタックル使って良いから直ぐに落とせ!」と喝を入れてしまいました。はい、もうわかりますよね。そのフォールでヒット。本人曰く、船に酔っていたのと釣れる気がしていなかったらしくてロッドが曲がっているのを呆気に取られて見ていました(笑)。

