11月22日の夜明け前、窓の外を走る冷たい風が、枝にしがみつく最後の葉を震わせていた。そんな晩秋の朝、デカサゴを求めて、三重県鈴鹿市の千代崎の消波ブロック帯へと向かった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・HAZEKING)
カサゴ釣りシーズン
今年のカサゴはすでに産卵に入っており、抱卵した個体は腹が丸く張り出している。深場から浅場へ寄る時期で、数もサイズもそろう最盛期だ。
岸近くに移ってきたばかりの魚は透き通るほど赤く、長く居ついた個体は濃い褐色。並べて見ると、その違いは驚くほどはっきりしている。
シャッドテールワームで狙う
釣り場に着いたのは薄闇が残るころ。太陽が昇ってしまえば岩穴に潜るため、短い時間勝負と決めてすぐ準備に取りかかった。選んだルアーは広い範囲を探れるシャッドテール。信頼しているReinsのロックバイブシャッド3.5インチだ。
20cm級カサゴが顔出し
まず沖側の消波ブロックに沿わせて投げ込む。水深は6mほどで、着底までは5つ数えればよい。底を切らずに1m刻みで止めては動かす動作を繰り返す。根掛かりが多い地形なので、無理に速く巻かず、異変を感じたら竿先を少し上げて障害物を避けながら通していく。
手前10mあたりで小さなアタリ。まだ本気で食っていない感触だ。そのまま続けて誘うと再び触り、今度はしっかり乗った。潜ろうとする引きを竿を立てていなし、消波ブロックに擦られないよう一気に浮かせた。
上がってきたのは20cmほどのカサゴ。岩陰の薄明かりの中で、金茶の瞳が鋭く光る。獲物を見逃さないための、静かな獰猛さがにじむ目つきだ。
ファーストヒットは20cm級カサゴ(提供:TSURINEWSライター・HAZEKING)ワームをサイズアップ
さらなるサイズアップを狙い、ワームを4インチに変更。根掛かりを避けるためフックを軽めにし、落下速度を調整する。着底直後から反応は続くものの、小型が多くフックアップまでは届かない。
探りながら進めていると、突然ラインが勢いを失った。良型特有の重みだ。合わせた瞬間、ドラグが鳴り、力強い手応えが一気に走る。突っ込みを抑えつつ寄せ、慎重にキャッチした。
26cm良型カサゴ
姿を見せたのは26cmの立派なデカサゴ。手に収めると、その厚みと重みがしっかり伝わる。底を這う魚の風格がそのまま手のひらに残るようだ。ワームサイズの変更が的中し、小型のアタリを避けて良型だけを引き出せた形だ。
26cmの良型をキャッチ(提供:TSURINEWSライター・HAZEKING)良型には大きめワーム
やがて、空が明るくなり、魚の反応も落ち着いたところで竿を収めた。産卵期ならではの寄りが重なり、千代崎の消波ブロックは今回も豊かな手応えを与えてくれた。今後、ロックフィッシュは本格的なシーズンに突入する。
良型狙いには3〜4インチのワームが安定しており、さらに5インチを投入すればキジハタやクロソイといった大型の夢も見られるだろう。冬が近づくにつれ、魚はますます岸寄りに集まる。効率よく探っていけば答えは早いはずだ。この恵まれた時期に、ぜひ千代崎でデカサゴに挑んでほしい。
ワームは大きめを用意しよう(提供:TSURINEWSライター・HAZEKING)<HAZEKING/TSURINEWSライター>


