1月6日(日)、南房小湊の大栄丸を訪れ、オニカサゴを狙った。それぞれがオリジナルのエサで鬼退治を目指した。
大栄丸で出船
集まったファンは私を含めて6人。ジャンケンで釣り座が決まり、片舷3人ずつに分かれて乗り込む。私は右舷トモに入った。
6時15分、大和田彰船長の操船でまだ暗い岸壁を離れ、真沖の釣り場へと向かう。天候は晴れ、北西風はあるが風裏になるので、海上は穏やかだ。
航程15分で到着。
それぞれのエサで一工夫
船で配られた付けエサは白イカの短冊。
アングラー達は、サバやアナゴ、サケのハラス、トリ皮などの短冊、なかにはカツオのハラミやマダコの足など、よかれと思うさまざまな特エサを持参している。
私は上バリにアナゴとサバ、先バリにサバとイカの短冊をチョン掛け。抱き合わせに付けてスタンバイ。
やがてポイントが定まると「はい、水深は138m。どうぞ投入してください。」のアナウンスで開始。
仕掛けを入れてから、竿の弾力をいかしてオモリを前方へと振り込む。竿先を海面へ向けて落下をサポート。オモリが着底したらイトフケを取り、仕掛けが海底近くを漂うイメージで、わずかに海底を切る。
竿先をゆっくりとあおり上げ、またゆっくりと海面に戻す誘いが有効だ。時々、底を取り直すことも重要。
ミチイトはほぼ垂直に立っているので、潮はほとんど流れていないようだ。
船中1尾目は1kg超え本命!
ひと流し目は船中にアタリはなく、小移動して新たなポイントへ。こまめに移動を繰り返し、ここぞと思うポイントを次々に探っていく。
しばらくして「おっ、アタったよ!」との声に振り返ると左舷トモに座る玖村さんが湾曲した竿を抱え巻き上げに入った。
時折、ゴンゴンと穂先が強くたたかれているので、本命が掛かったようだ。
やがて澄んだ海中からオレンジ色の塊がボーッと浮上してきて海面を割る。いかつい面構えの本命を、慎重にたぐり寄せて無事に取り込む。
魚を上げた玖村さんは「春から秋にかけては磯のイシダイを専門に狙っていますが、オニカサゴの刺し身は絶品と聞いて来ました。初挑戦なので事前にかなり勉強しましたが、そのかいがありましたよ。」とコメントし、1kg超えの良型に満足げだ。
筆者にもオニカサゴ!
私も「早くオニとの対面を果たしたい。」と、手持ちで懸命に誘いを繰り返すが、一向にアタリは訪れない。船は次々にポイントを変えながら探索を続ける。
水深120m前後のポイントに入って間もなく、竿先がコツコツとわずかに弾んだ。
「もしやアタリかな。」と思いつつ、ふた拍ほどおいて聞き上げるとゴツゴツと力強い反応。ここでアワせるとゴンゴンと明確な引き込み。「これは本命だ」と確信、電動リールのスイッチオン。
竿尻を小脇にしっかり抱え、中速より1段階落としたスピードで巻き上げる。途中、ゴンゴンと引き込みがあり、本命の確信はますます深まる。
やがて橙色の魚影が浮上。様子を見ていた胴の間の片岡さんが飛んで来てタモへ入れてくれた。
どっしりとした1kg超えに思わずニンマリ。
その直後、今度は片岡さんの竿先がゴンゴンとたたかれ、アワセをいれて巻き上げに入った。途中で力強い引き込みがあり、こちらも良型の期待がかかる。
やがて同型が浮上し、無事にタモに収まった。
片岡さんは「きょうは潮が流れず、活性はイマイチだが、年末に2kg級を頭に良型揃いで10尾釣ったよ。同行の釣友たちも9、10尾を釣り、オニの乱舞でお祭り騒ぎだったよ。」と話してくれ、小湊沖の魚影に改めて驚いた。
後半はほどよく潮が流れだす。
魚の活性は一段と上昇し、誰もが猛烈な追い込みを見せた。