イカメタルは、夜釣りで人気の高いケンサキイカやスルメイカなどをターゲットにしたルアーフィッシングの一種です。専用のタックルを使用することで、アタリを明確に捉え、ゲーム性の高い釣りを楽しむことができます。この記事では、イカメタルの釣りに必要なロッドの選び方と、おすすめのロッドを11本紹介します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース編集部・立石寿栄)
イカメタルロッドの特徴
イカメタル釣りにおいて、ロッドの選び方は釣果に直結する重要な要素です。イカメタル専用ロッドの特徴としては、繊細なイカのアタリを感知してアワセるために、ティップ(穂先)が柔らかく、ベリー(竿の中間部分)からバット(胴)にかけて張りがあるロッドが多いです。
また、イカの活性によって適した誘い方が異なるため、誘いに合わせて長さや調子、硬さが調整された様々なモデルが用意されているのも特徴です。ロッドの特性を理解し、釣行の状況に合わせて使い分けることも釣果を伸ばすコツになります。
仕掛けごとに最適なロッドが違う
イカメタルには、メタルスッテの上にドロッパーとして浮きスッテやエギを付けた基本の仕掛けの他にも、「オモリグ」と呼ばれるオモリとエギを使用した吹き流し仕掛けも存在します。イカメタルよりも低活性や深場で効果的なため、イカの活性に応じて使い分けられることが多いですが、オモリグはイカメタルとは少し釣り方が異なるため、求められるロッドの特性も変わってきます。
また、ややマイナーではありますが「メタルティップラン」と呼ばれるジャーク&ステイでアタリを取る釣り方もあります。こちらも、操作性の良い超ショートロッドを使うなど必要なロッドの特性が違うので、それぞれのスタイルに合ったロッドもご紹介します。
イカメタルロッドの選び方
イカメタルのロッド選びでは、長さや調子、硬さ、さらにはスピニングモデルとベイトモデルの違いなど、多くの要素を考慮する必要があります。それぞれの項目ごとに、どのように選べば良いのか詳しく解説します。
ロッドの長さ
イカメタル釣りでは、ロッドの長さも重要なポイントです。一般的に6~7ft前後のロッドが多く、汎用的に使いやすいのは6.5ft程度となります。6ft以下のショートロッドは操作性に優れており、手元までが近いため感度も高いのが特徴です。高活性時などスッテを積極的に動かしてアワセに行く「掛け」の釣りに向いています。
一方で、長いロッドは波が高くても仕掛けが安定しやすく、誘うときに幅が取れるのでフォールの誘いや仕掛けを動かしづらい深場での操作性も高いのが特徴となります。そのため、ステイやフォール中心に誘う「乗せ」の釣りに向いており、低活性時やフォールの誘いに反応しやすいヤリイカがメインの場合などにも選択されます。
ロッドの調子
長さと合わせてロッドの調子でも「乗せ」の釣りか「掛け」の釣りに向くかが決まってきます。イカメタルロッドの調子としては、「掛け」に向くファーストテーパー、エクストラファーストテーパーや、「乗せ」に向くレギュラーテーパーが一般的。
掛け調子は、ロッド全体に張りのある先調子で、ジャークやシャクリといったキビキビとしたアクションでイカを誘うのに向いています。
一方、乗せ調子は穂先の根本やベリー部分まで曲がり込むようなロッドのため、波がある状況でも仕掛けを安定させやすく、活性の低いイカのアタリも穂先が入って感知しやすいといった特徴があります。
ロッドの硬さ
ロッドの硬さの番手は使用するメタルスッテの重さによって選びます。汎用的に使えるのは10~20号のスッテに対応したM~MLクラスなど。浅場で軽いスッテを使う場合にはLクラスなどの柔らかい番手が向き、重いスッテを使う深場ではMHクラスなどの硬い番手が適しています。
海域によっても使うメタルスッテの号数は変わってくるので、行く予定のエリアの船宿HPなどを確認してから選ぶと良いでしょう。
ベイトとスピニング
イカメタルでは、ベイトタックルもスピニングタックルもどちらも使用されます。主流はどちらかと言えばベイトタックル。ベイトリールは糸の出し入れがしやすく縦に探ることが多いイカメタルには最適で、カウンターによってタナが把握しやすいのもメリットです。
一方、スピニングタックルはキャスティングが容易で、広範囲を探る釣りに適しています。底にイカがいる場面や、明るい時間帯に群れが散っている状況、またカーブフォールの誘いを行いたいときなどにキャストして探るのが有効なので、サブタックルとして持つ人もいます。
ティップの種類
ティップはイカの繊細なアタリを捉えるため、柔らかいソリッドティップが一般的。ただ、一部のモデルで操作性を重視してチューブラーティップを採用しているメーカーもあります。
また、ハイエンドモデルのロッドにはチタン素材のティップが採用されていることも。チタンティップは柔らかさとともに、手元にアタリが伝わる反響感度も高いのがメリット。カーボン素材のティップに比べて感じ取れるアタリは明確に増えるのが特徴です。少し値は張りますが、採用を検討してみるのもいいでしょう。
オモリグ用ロッドの選び方
オモリグはリーダーの先にオモリをセットし、その先に1~2mほどのリーダー(ハリス)を取ってエギを結ぶ仕掛けで、イカメタルよりも重いオモリを使用できるため、深場での釣りに有効です。潮が速いエリアや、深場を狙うエリアなどオモリグをメインに使うエリアも存在します。
この仕掛けは、ナチュラルに潮にエギを漂わせられるので低活性時に強く、広範囲を探りやすいため、群れが底に固まっているときやバラけているときにも有効。そのため、イカメタルのオプションとしてタックルを持ち込む人も多いのです。
ロッドとしては、重い仕掛けを扱える硬さと、仕掛けの長さを考慮して7ft程度の長めのロッドが必要になりますが、オモリグ兼用の表記があるイカメタルロッドも多く存在します。
また、オモリグ専用ロッドも存在し、ワンピッチジャークで巻き上げながらステイを織り交ぜて探る釣り方のため、エギが跳ねすぎず、長いリーダーでもアタリを感知できる柔軟なティップと、シャクリやすい硬いバットを持ったロッドが多いのが特徴です。
メタルティップラン用ロッドの選び方
メタルティップランは、イカメタルに似た仕掛けを使いながら、ティップランのように小気味よい連続ジャークで誘い、ステイでアタリを取るのが特徴です。アピール力が高く、積極的にベイトを追うような高活性時に強く、オモリグ同様にイカメタルのオプションとしてタックルを用意しておくと大きな武器になります。
専用ロッドは、この釣りを提唱している釣具メーカー「クレイジーオーシャン」の「オーシャンスピアー」シリーズのみで、その特殊な釣り方ゆえに、チタンティップと極端なショートレングスで張りのあるロッドが特徴となります。
複数本ロッドを用意するのがおすすめ
イカメタルは活性に応じてスッテを積極的に動かす「掛け」の釣りと、ステイ中心の「乗せ」の釣りを使い分けるのが釣果の鍵です。汎用性の高いモデルならどちらもある程度なら対応可能ですが、理想を言えば様々な状況に対応できるように2本以上揃えておくことをおすすめします。
例えば、掛け調子のイカメタルロッドと、乗せ調子のイカメタルロッドまたはオモリグ向けロッドを持っておくと良いでしょう。活性が低いときにはオモリグやステイ・フォール中心のイカメタルで狙い、活性が高いときには積極的に誘って手返し良く掛けていくといった使い分けができます。お財布に余裕があれば2本のロッドから始めることも検討してみましょう。