前回8月5日の釣行に続いて、再びシマアジ狙いで三重県志摩市片田漁港出船の遊漁船に乗船した。釣友が8月26日にした仕立として予約をしていて、まだ1人乗船できるということでお誘いがあり、参加させてもらった。シマアジはまだ釣れている。しかしサメもいるので、前回と同様にサメに食われることが多いとのことだった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・石川友久)
片田漁港からシマアジ釣り
前回はテンビン3つ、アミカゴ3個をサメに取られたため、今回はそれぞれ4セット準備。今回は昼便で、正午出船のため11時30分に現地集合となった、現地着は11時。早速荷物を下ろして準備を整えた。
前回の釣行で、どうすれば食わせることができるは分かっている。後は掛かった後にどうやってサメをかわすか。この1点が大きな課題だ。
船が到着し、朝便で出船していた人が下船して入れ替わりで私たちが乗船した。朝便ではほとんどがサメに食われたが、全員が1匹以上キャッチできたらしい。情報では水深は37mで、シマアジは36~30mでしか食ってこず、それ以外は全てゲストで表層でウスバハギ、中層から底ではムロアジとのことだった。
サメの攻撃をかわすのがカギ
そして11時40分に出船。微風があり猛暑とはいえ、体感温度を下げてくれる。今回は私を含め4人で乗船、私は右舷のトモを釣り座とした。
約40分の航行で志摩沖のポイントに到着。船長から「水深は37mで朝便と同じ場所です。サメがいるのでシマアジが掛かったらとにかく全速で巻いてください」とアドバイスがあった。
潮を緩やかだったので、この日オモリは80号を使用した。1投目は仕掛けが25mで止まり、カワハギが上がった。2投目は仕掛けが20mで止まって、またしてもカワハギが食ってきた。うれしいゲストには違いないが、本命にアプローチしたい……。
3投目、30mで仕掛けの落下速度が変わった。落下途中で魚がくわえたようだ。強い引きで手応えも十分。期待を込めて上げてみると大きなウスバハギだった。
サメはシマアジ以外の魚には興味がないらしく横取りをしてこない。このあと期せずして、シマアジと思われる大きな引き込まれるアタリ。全速力で巻き上げるが、ドスンというサオが折れるほどの引きでフワ~と軽くなった。仕掛けごとサメに取られたようだ。
仕掛けを回収すると、2本バリの長ハリスが手前で切断されていた。釣友もシマアジを食わせているようだが、表層まで上げる前に口切れでバレるか、サメに食われるかでまだキャッチできていなかった。
全速巻き上げでシマアジGET
そんな状況のなか、開始して2時間ほどたった後に待望のチャンスが訪れた。37mまで仕掛けを下ろし、電動リールで仕掛けの長さ分の3mを巻いて大きくシャクリを入れる。手動で31mまで上げて約2秒止めてアタリがないことを確認し、シャクリを入れようとしたタイミングで魚が食った。
それまで何回となく経験した強い引き。シマアジだ。全速でリールを巻く。サメに食われず口切れもせず、残り5mまで巻き上げることができて魚影が見えた。やはりシマアジだ。しかしその真下に巨大な魚影。掛かったシマアジを追って、サメが見える位置まで浮上してきたようだ。大きさは3mくらいで船の横幅より大きい。
船長は仕掛けをラインを自ら手で持ち、素早く手繰り寄せてシマアジを素早くタモですくってくれた。初めてシマアジを横取りしているサメを見たが、その大きさに驚いた。それでも何とかシマアジをキャッチできて、ほっとした。
その後もアタリはあるが、秒殺でサメに食われる。サメに食われる前に早く上げるというのは、電動リールの巻き上げ速度に依存している。小型の電動リールを使っていた釣友は、全てシマアジを横取りされてしまったようで、とても悔しがっていた。
ゲストも多彩で好土産を確保
この海域はゲストも豊富で、熱帯魚風の色合いでカゴカキダイ、オジサンとトロピカルな魚が釣れて、目を楽しませてくれた。
あとムロアジもよく釣れた。途中でキープするのを止めるくらいだった。その後シマアジを1匹追加し、午後5時30分に納竿となった。結局シマアジは船中で私の2匹のみとなったが、各自ゲストを多種釣っていて土産を確保していた。
苦労の末にキャッチしたシマアジ、数は少ないが、それでも釣れると達成感がありうれしい。私の釣果はシマアジ50cm、30cm各1匹、ウスバハギ2匹、カワハギ2匹、ムロアジ多数だった。
シマアジとオジサンは刺し身に。シマアジをもちろんおいしかったが、オジサンが意外にも美味だった。カワハギは鍋、ウスバハギは野菜と一緒に炒め物に、ムロアジは漬け丼にした。
<週刊つりニュース中部版APC・石川友久/TSURINEWS編>
出船場所:三重・片田漁港
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年9月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。