静岡県内では鮎沢川と呼ばれる酒匂川は、渓流相から里川まで様々な流れが楽しめる。その酒匂川の、アユの釣り場を紹介するので参考にしてほしい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)
酒匂川
酒匂川は、富士山東麓と丹沢山地の西麓を主な水源とし、静岡県、神奈川県を越県して流れる河川。
静岡県内では、鮎沢川と呼ばれる。御殿場市内は、富士山のなだらかな裾野を流れているため里川の川相だが、県境付近の小山町から山北町にかけては谷が深く、大きい岩や石が点在する渓流相となる。松田町、大井町辺りで足柄平野となって川幅が広がり、周辺には水田や住宅地が多くなる。
同川は、昔から水害が絶えない。急激な水位の上昇により2006年8月には釣り人25人が中洲に取り残されたり、翌2007年9月には台風9号で松田町の十文字橋の橋脚基礎が沈下したり、2010年9月には台風9号で支流の須川の護岸が決壊した。釣り人も被災者になっており、同川で釣りをする際には十分な注意が必要だ。
アクセスが良好
同川の特徴は、アクセスのよさだろう。東名高速大井松田ICや小田原厚木道路小田原東ICから河原までは5~10分。また、川沿いにJR御殿場線と小田急小田原線が通っており、電車釣行も可能だ。
アユ釣り場
オトリ店は店主の高齢化で少なくなったが、山北町内から小田原市内にかけて6店ある。今年のソ上量は不明だが、4月下旬の時点で、エン堤を越えようとジャンプする稚アユの姿が確認できている。春先には、湘南の各漁港でも多くの稚アユが確認できたとの報告もあり、天然ソ上は良好と思われる。
釣り場は、大きく分けて山北地区、松田・大井地区、小田原地区の3地区。山北エン堤が魚止めとなっており、それより上流は放流魚のみの釣り場となる。
山北地区
山北地区は山間部の渓流の川相。ひと抱えもあるような石が累々とし、水清くロケーションもいい。
川西橋からローリングダムまでの区間は発電用水を循環使用しているため水温が高く、解禁当初から良型が釣れる。
山北エン堤下流は、足柄橋周辺、高瀬橋下流、岩流瀬橋上流、新大口橋周辺と釣り場が続く。日照りが続くと減水して釣りにくいが、大石が多いため出水後は残りアカが多く思わぬ大釣りが期待できる。川西橋上流の河内川は川幅が狭くなり、片岸からの釣りとなる。
東進してきた流れは、松田地区に入ると流れを大きく南に変える。川幅は広く、川底の石も比較的大きく、好ポイントが続く。上流から文命床止工、新・旧十文字橋、足柄大橋、足柄紫水大橋、報徳橋が目印だ。
文命床止工下流の第二放水路から200m下流のポイントは、この辺りでは唯一の早瀬が100mほど続き、良型が期待できる。新十文字橋上流から足柄大橋下流までは、酒匂川のアユ釣り銀座で釣り人が多い。平瀬、チャラ瀬が続き、初心者や年配の方でも釣りやすく数も出る。
小田原地区
小田原地区は報徳橋、富士道橋、富士見大橋、酒匂川橋(小田原厚木道路)、飯泉橋と続く。
下流へいくに従い、底石はこぶし大から頭大と小さくなってくる。川の勾配も緩やかになり、平瀬やチャラ瀬、浅トロが続き泳がせ釣りが主体となる。護岸ブロックや、豆腐石など人工物であっても、流れが変化するようなポイントにアユは着いている。なお、数カ所に送電線が川を横切る場所があるので10m以上の長竿を使用する時は要注意。