キス釣りでフィッシュイーターの気配を感じた筆者。正体を確かめるべく、別日にルアー釣行へ。仮説を見事に実証できた模様をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター森英雄)
明石でフラットゲーム
もうかなり以前のことになるが、ヒラメハンターこと堀田光哉さんが書かれた「サーフからフラットフィッシュをルアーで狙う」という内容の本を読んだことがある。
高級魚のヒラメが身近なサーフで、しかも特別な仕掛けも必要なくルアーで狙えるという内容に、若かったぼくはすっかり魅せられてしまった。堀田さんのメインフィールドは関東になるが、果たして本に書いてある内容はぼくが住む関西(明石)でも通用するのか?それを試すために、フラットフィッシュ狙いで明石川河口サーフに通い詰めていたことがある。
が、残念ながらあまりいい釣果に恵まれた記憶は残っていない。地域的な魚影の濃さの違いということもあるだろうし、若かったぼくの未熟さゆえだったのかも知れない。いずれにせよ関西(明石)ではあまり狙って釣れる魚ではないのだろうと、しばらくフラットフィッシュ狙いからは遠ざかっていた。
まあそんな苦い過去の経験を持つぼくにとって、今回は超久しぶりに真面目に(?)フラットフィッシュを狙っての釣行となった。
フラットゲームのタックル
フラットフィッシュ用(サーフ用)のロッドというものもあるようだが、ぼくはシーバスタックルをそのまま流用している。
釣行の背景と当日の状況
実は今回フラットフィッシュを狙ってみようと思ったのにはちゃんとした理由がある。9月12日、24日と明石川河口サーフにキス狙いで釣行した時のことだ。ハリ掛かりしたキスを取り込もうとリールを巻いている時に、ガツンという衝撃とともに急にリールが巻けなくなることがあった。あれ?根掛かりか?と思っていると、またすぐにリールが巻けるようになる。
そして、リールを巻いている時の重量感から間違いなくダブルで掛かっていると思っていたキスが、ガツンの後に上げてみると1匹しかハリ掛かりしていない、ということが度々あったのだ。これはハリ掛かりしてフラフラと岸へと引っ張られるキスを横取りしているヤツ=フィッシュイーターがいるのではないか?
何度か「ガツン」を体験しているうちに、この考えは確信に近いものになった。そしてサーフでキスを襲うフィッシュイーターと言えばヒラメかマゴチだろう(時季的にはマゴチの方が確率は高いかもしれない)。
キスを横取りするヤツの正体を確かめてやろう!これが今回、超久しぶりにフラットフィッシュを狙ってみようと考えるに至った理由である。
釣行日時:2021年10月2日、午前5時~6時30分
潮汐:若潮
ポイント:明石川河口サーフ
当日の作戦
一口にフラットフィッシュと言ってもヒラメとマゴチでは狙い方(ルアーを通すレンジ)が違う。遊泳力のあるヒラメは表層近くまでルアーを追うが、あまり泳ぐのが得意ではないマゴチはボトムべったりを狙うのが効果的である。
堀田光哉さんなどの活躍もあり、いまでは常識となったフラットフィッシュの狙い方だが、ヒラメもボトムを狙うものと思っていた当時のぼくにとっては、これは目から鱗の情報だった。
それはともかく……。明石川河口サーフの水深はルアーをフルキャストした先で2~3m、中間あたりで1.5m、手前は1m未満といったところ。時季的にはマゴチ狙い(ボトム狙い)が正解か?とも思ったが、とりあえず最初は全体の水深の真ん中あたりのレンジを探ってみようと、1m程度潜るフローティングミノーを先発させることにした。