夏は涼しい高原湖がいい。それも湖面に浮かべる舟釣りなら、なお理想的だ。それなら長野県南佐久郡小海町にある松原湖はどうだろうか。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 棚網久)
松原湖の概況
標高1123mにして、八ヶ岳の勇姿も拝めるグッドロケーション。さらに魚影も濃く、ロープ着けなので舟止めも容易。ポイントによっては、長竿のチョウチンが可能なほど水深もある。台風シーズンが近づく前に遠征釣行を計画してみては。
猪名湖・長湖・大月湖を総称して”松原湖”と呼ぶが、面積が最大の猪名湖のことを松原湖と呼ぶのが一般的。標高1123m、周囲約2km。最深部は約7mで、平均水深は約5m。
7月29日現在、水位は満水。水温は早朝時で21度。都心は連日の猛暑にもかかわらず、湖畔では今期まだ一度も気温が30度を越えた日がない。
釣り方はボートまたは浮き桟橋のみで、陸釣りはNG。釣況は今年も順調で、混雑時や急な冷え込みなど、天候の急変で一時的に食い渋る程度。
ポイント
湖面には舟着け用ロープ(2本ロープ)が各ポイントに張られている。着舟方法は下縛りが一般的。舟底をロープに乗り上げて、舟に装備されたひもを利用して前後左右を固定する。
舟向きは自由だが、ロープと岸の間隔が広い南・北風倒木ロープは、本湖向きよりも岸向きの人気が高い。
現在のところ、人気ナンバーワンは中央ロープの岸向き。最深部を狙えるうえに、ウキも見やすい。エサ打ち回数が多いので、居着きも多くアタリ出しも早い。
次に稲荷や南・北風倒木ロープが人気。平均水深よりも浅いが、舟宿から至近なので弁天ロープも人気だ。
釣り方とエサ
メインは宙の両ダンゴで、低活性や混雑時はセットが王道だろう。底でも釣れるが、宙ほどの高釣果は望めない。
宙の両ダンゴ
浮きたがる(上ずり傾向)魚をいかにしてタナに呼び寄せるか、またはとどめるか。これが釣果のカギを握る。
タナ規定がないのでカッツケ(ウキ下をどんどん上げる)にすれば済むとも言えるが、水の透明度が高いだけに限界点はある。
自分が出した竿の長さ、決めたタナで釣りたい(魚を手の内に収めたい)と思うのが、釣り人の心理でもあるはず。ならばセッティングやエサで対応するしかない。
傾向として強いボソは魚を遠巻きにするだけで、エサの芯にこない感が強い。ペトコン過ぎると、タナまで持たせるのに苦労させられる。触り→アタリに連動させられるような、最低限のボソ感と芯残りが必須だろう。
落ち込み狙いも手だが一過性。一投一枚などと欲張らず、捨てエサを打つつもりで食い気のある魚をタナに呼び込んだほうが、アタリは長続きしやすい。
宙のセット
この時期なら食わせはトロロがいいだろう。セット釣りなので食わせの残り具合と、バラケのタッチが釣果を左右することに変わりはない。
トロ巻きセットは上エサを持たせるのが基本だが、それだけで攻略できるほど同湖の魚は甘くない。
実釣時、両ダンゴからトロ巻きセットに切り替えた際に、じつは余っていたエサを手直しして使ってみたが、思うようにアタリが出せなかった。そこできちんとバラケエサに作り替えたら、バタバタと釣れ始まった。
俗にトロ巻きのバラケタッチは、両ダンゴに近いと言われるが、両ダンゴとは違う。ここを混同もしくはいい加減に流してしまうと、私のような失敗を引き起こすことを肝に銘じよう。
<週刊へらニュース 棚網久/TSURINEWS編>