伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「ヒゲトロでトロ巻きセット」。夏の定番食い渋り対策だが、簡単に釣れるほど甘くない。要所をきっちりおさえて、この夏を乗り切ろう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
精進湖で実釣
テーマ初回は山梨県富士河口湖町にある精進湖での実釣編をお届けしよう。7月26日(月)に釣行。天候は晴れ。水位は高めだが、日に数cmペースで減水中。
5時、本湖にある金風荘から出舟。中央ロープに富士山を背にして着舟した。
「昨日は両ダンゴだとアタリが出なかった。魚も水面に見えなかったようだし」と、前日(日曜)はかなりの不調だったらしく、心配そうに伊藤の出舟を見送る金風荘のオーナー。果たして同じような釣況なのか?だとしたらテーマ的にはうってつけだ。もし両ダンゴでバクバクではトロ巻きセットの出番がない。
直射日光はトロロの大敵
「10~13尺竿前後がオススメだよ」とオーナーのアドバイスに従って朱紋峰鉾10.5尺竿を継ぎ、トロ巻きセットのチョウチンで狙う。タックルとエサは別図。
バラケは『バラケマッハ』900㏄+『凄麩』200㏄+水200㏄。粉のうちによく混ぜて、水を入れたらさっとかき混ぜる。浸透したらその後はあまりいじらず、ほぼ押し練りのみ。基本のタッチは硬ボソ。
肝心の食わせは『ヒゲトロ』。パッケージを開けて適量を取りだしたら、にぎった手の中におさめて水中に1秒ほど沈める。そのあと余分な水分を切り、なるべく日陰になる所に置いて使用する。
「トロロの大敵は、何といっても直射日光。これを浴び続けると繊維がダレて弱くなるから、できれば少量をこまめに取りだして使うといいよ」
豪快な消し込みから良型ゲット
5時40分にエサ打ち開始。と同時に水面直下に魚影が現れた。2投目、トロ巻きセットらしい豪快な消し込みで良型がヒット。さらに次投も同サイズがヒット。
「あれ。もしかして、きょうはいい日かな?」
聞くとそれもそのはずで前日は同ロープに10人が並んで、しかもクリアレイクがもっとも嫌う無風のベタナギだったとのこと。この日も風は弱いが、並びに4人だけで間隔も空いているので人災の影響はほぼゼロ。
「もしかしたらセットでは、かえって釣りづらくなるかも」
伊藤の予感は的中し、エサ打ち回数が増えるほどにカラツンが目立つようになる。
「両ダンゴではアタらないとか、逆にカラツンだらけで釣りきれない時にやるのがトロ巻きセットなのに、これなら両ダンゴのほうがいいかもね」
チョウチン両ダンゴで計45枚
そこで試しに竿はそのままで両ダンゴにすると、これが不思議と思うようにアタリが増えていかない。やはり水面が穏やかな影響で食い渋っているのだろうか。
ならばと普天元獅子吼16.5尺竿のチョウチン両ダンゴに切り替えた。タックルは将鱗へらタイプⅡ道糸1号、同ハリス0.5号40-50cm、ハリ上下ともバラサ7号、ウキSATTOイエローグリーン×グリーンラベル11番(グラスムクトップ0.8mm径(エサ落ち目盛7節出し)。
両ダンゴのブレンドは『カクシン』400㏄+『コウテン』200㏄+『凄麩』100㏄+水200㏄。
再開すると案の定、食い気のある魚は深めのタナにいたようだ。いわゆるチョウチン両ダンゴらしい受けと触りながらナジんでのズバッ。
「テーマとは違う釣り方になっちゃったけど、このアタリで釣れてくるなら面白いね。型も10.5尺竿の時よりも断然いいし」
結局、16時まで竿を振り続けて釣果は計45枚。そのうちトロ巻きセットでは20枚だった。型はセットが500~600g平均で16.5尺竿の両ダンゴでは700~800gがそろった。
次回も「ヒゲトロでトロ巻きセット」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>