11月21日、大阪・高槻市にある芥川マス釣り場へ仲間と釣行した。食い渋りが目立った状況下、ニジマスを着実に仕留めたワザを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・辻原伸弥)
芥川マス釣り場でエリアトラウト
毎年、秋から春にかけ数回釣行を重ねているが、今年はコロナ過で春時期は行けず、今回も感染防止ルールを守り少人数での釣行となった。芥川マス釣り場の受付で入漁証(当日券)を購入し、上流エリアへエントリーする。
まずは、放流時間までの僅かな時間、居残り組のマスを狙う。状況にもよるが、釣られずに居残ったマスは養殖魚でありながらも環境に順応し、持ち生まれたネイティブな動きを見せるのが面白い。開始直後からスプーンに反応してくるのだが、なぜかファイト中にバレてしまうことが多かった。当日は気温10度と寒い朝だったが、11月中旬にも関わらず暖かい日が1週間続き、前日は雨と少し濁りが入っている状況。
この2つの事柄がその後、皆を苦しめるキーワードになるとは、この時、誰もが予期しなかった。
放流後はチャンスタイム
当日のタックルはロッドがプレッソAGS・55XUL-S、リールはイグジスト1003、ラインは月下美人ライン陽(フロロライン)2lbのセッティング。基本的にルアーはスプーン1~1.5g、プラグとしてクランクベイトも使用した。
居残り組を数匹キャッチしていると、放流が始まった。エリアトラウトにおいては、放流直後はその日一番魚が釣れるタイミングだと言っても過言ではない。今回、同行した管理釣り場歴3回目の友人たちもロッドを曲げている。
魚の動きを観察
通常、放たれた魚たちは、状況の変化への対応と浮き袋の問題から周囲を泳ぎ回り、浅瀬へと付く習性を持っているのだが、この日の魚たちはあまり動かず中央部に留まる動きをしていた。
また、居残り組同様にフッキングが甘く、ファイト中にバレてしまうことがとても多かった。放流された魚たちは、居残り組と違ってルアーを好奇心旺盛に追尾するのだが、この日は反応する個体が少ないのも気になった。
エリアトラウトゲームにおいて、基本となるのがその日のヒットルアーを発見すること。形なのか、カラーなのか、重さなのか…スプーン一つでも釣果に大きな差が生まれるのだ。
当たりルアーを探せ
アタリすら全くない状況下で、その日その時の当たりルアーにかえると、今までの状況が嘘のように魚がヒットするのは決して珍しいことではない。そんな経験を1度でも体験すれば、過去に実績のあったカラーや、その日に気になったカラーを次々にかえて、魚の反応を見ていくことがエリアトラウトでは、いかに重要な基本アプローチなのかを理解できるはずだ。
エリアトラウト大好きなハッちゃんが、次々にロッドを曲げていく。「今日はこのカラーだ」と開始直後からすでに当たりカラーを発見したようだった。
そんな上機嫌の彼女の隣で、カラーを次々と交換して狙ってみた。テスターという職業柄?例え守備範囲外のエリアトラウトとはいえ、試したくなるのは、一種の職業病ともいえるのだろうか(笑)。
1gのブルースプーン
この状況下では、行きついた果ては彼女の言う1gのブルーカラーのスプーンだった。他の色とは明確に違う魚の反応に、彼女のスキルアップの姿を見たような気がした。そんな当たりカラーを仲間内で共有し、皆で楽しむのもエリアトラウトの楽しみ方一つだ。「いや、俺はこのカラーで釣るねん」と意固地になるのも面白い。
ハッちゃんも、魚の食いが浅いことをしきりに口にしていたのだが…。本来なら、スプーンを追走する魚は数匹居て、奪い合うかのように口を大きく開けてスプーンをくわえ反転するのだが、この日はまるでスプーンにキスするかのように「チョン」とくわえるだけだった。
くわえた後に魚が反転すれば、ロッドが曲がり初心者でもアタリをとらえやすいのだが…。
ラインでアタリをとる
そこで、フックを細軸のファインTYPEに交換し、ラインの変化でフッキングする作戦へ変更した。すると、作戦が功を奏しバレが激減した。すぐに初心者の友人に狙い方を説明する。皆、ロッドを寝かせてリールを巻き、リトリーブして狙っているが、この方法だと魚がルアーをくわえて反転しなければ、ロッドに変化が生まれないのだ。
ロッドを立てて、穂先から水面へと垂れるラインに集中し、リトリーブしながら狙うのが、ラインでアタリを取る方法。垂れたラインが動けば、それがアタリの合図で、即座にフッキング動作へと持ち込む。
この釣りでは色付きのラインを使用する方が視認性が良い。少々反射神経を必要とするが、慣れればすぐにフッキングする楽しさを習得できるはずだ。