新たに15魚種が漁獲量規制の可能性 ブリやマダイやヒラメも対象

新たに15魚種が漁獲量規制の可能性 ブリやマダイやヒラメも対象

我々が普段食べている魚のなかには、資源保護のために漁獲量の上限が規定されているものもあります。現在、新たに15の魚介類にも規制が検討されているようです。

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サカナ研究所 その他

サカナの漁業規制

我々日本人は、日常的に多種多様の魚介類を食べています。中でも「大衆魚」と呼ばれるような魚たちは、日常的に消費量が多く、我々の食卓を支える大事な存在です。

新たに15魚種が漁獲量規制の可能性 ブリやマダイやヒラメも対象いつでも店頭にあるブリ(提供:PhotoAC)

しかし、ここ数年は毎年のように何らかの魚種の不漁が報告されています。天然の魚は有限であり、獲りすぎると資源の現象を招く可能性もあります。

そのため「漁獲量が多く重要である」「資源状況が悪く、緊急に管理を行う必要がある」「周辺水域で外国漁船による操業が行われている」などの点を満たすいくつかの魚種については漁業規制を行い、資源量を増やす試みを行っています。

新たに追加規制を検討

現在、漁業規制のある魚は「サンマ、マアジ、サバ類、マイワシ、スルメイカ、スケトウダラ、ズワイガニならびに太平洋クロマグロ」の8種です。

これらはいずれも「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」に基づき、産出量規制年間の採捕量の上限を定める漁獲可能量が導入されています。

そして現在水産庁により、新たに以下の15種について漁業規制の適用が提案されています。

「カタクチイワシ、ブリ、ウルメイワシ、マダラ、カレイ類、ホッケ、サワラ、マダイ、ヒラメ、トラフグ、キンメダイ、ムロアジ類、イカナゴ、ベニズワイガニ、ニギス」

新たに15魚種が漁獲量規制の可能性 ブリやマダイやヒラメも対象お祝い事に欠かせない天然マダイも含まれている(提供:PhotoAC)

カタクチイワシやブリのように全国的に一般的なものから、イカナゴやニギスといった局地的に利用されているものまで幅広く提案されています。

規制検討の理由

日本で漁獲される水産物の多くは、海洋環境の変化の影響で年々漁獲量が減少しているという現状があります。漁獲量が減ると、本来獲るべきではないサイズの個体までもが漁獲されるようになってしまい、種の再生産能力が下がり、さらに漁獲量が減ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

水産庁は、令和12年度までの10年間で、漁獲量総計を現在より100万t余り多い440万tとする目標を掲げています。その目標を達成するために漁業制限を導入するというロジックです。

資源の枯渇を防ぐ目的で行われる漁業規制ですが、短期的には漁獲減につながる可能性もあります。そのため水産庁では、漁業者の意見を聞いて慎重に対象を決める予定です。(『漁獲規制、15種を候補に検討 水産庁、ブリやマダイなど』共同通信 2020.9.4)

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