潮風を思いっきり浴びながら楽しむ夏サーフでのキス釣り。今回は、使用するタックル・エサ・釣果を伸ばすコツなどを徹底解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 横山准司)
サーフから投げ釣りでキスを狙おう
海が似合う季節が近づいてきた。毎年同じことだが、梅雨が明けて気温が高くなると、いよいよ夏本番。天気がいい日はインドアよりも体を動かしておいしい空気を吸い、心身をリフレッシュできるアウトドアが気分転換には持ってこいと思うのは私だけだろうか。
キスは天ぷらのメニューとして登場する白身の魚。味にクセがないので、焼いて良し、揚げて良し、生でも良しと調理の幅が広い。このキスを自ら釣って調理し、食する至福のひと時を味わっていただくための一助になればと思う。
誰でも楽しめる投げ釣り
キスはきれいなパールピンクの色合いと、すらっとした体形から砂浜の女王と呼ばれ、大きいものでは30cmを超える。体の割には力が強く、ハリ掛かりしたときにサオ先に伝わる引きの強さに驚かされることがある。
砂浜からのキス釣りは防波堤や船とは違い、比較的安全性が高い。そのため年齢層が子供から年配者までと幅広い。最近は女性アングラーも増えており、親しみやすい釣りになってきた。
サーフからのキス釣りはそろえる釣り具が少なく投げ方のコツさえ覚えれば、行きたいときにエサを少し購入して気軽に楽しめる。また砂浜でキス釣りをしていると、「釣れますか」、「どうですか」と声をかけられることがある。このひと言で知人が増え、釣友の輪が広がっていくのも魅力だ。
投げ釣りタックル
基本的なタックルはサオとサオ立て、スピニングリール、テンビン、オモリ、ミチイト、チカライト、指のプロテクター、仕掛けとキスを入れるクーラーボックスだ。上級者は価格の高いサオやリールを使いたがるが、さほど高価な道具は必要ない。
タックル選びのポイント
タックルを選ぶ上で重要なのは、基本的に少しでも仕掛けを遠くに飛ばせるような道具を選ぶこと。自分の体力に合うサオを選ぶこと。魚の口に入るハリを使った仕掛けを選ぶことが重要となる。
経験が浅い人はよく忘れがちなのが、サオ立てとプロテクター。サオ立てはサオのガイドや本体を傷から守り、リールに砂がかみ込まないようにすることができる。プロテクターは投げるときに指でチカライトを押さえるため、指のケガを防止する必須アイテムだ。
サオの選び方
次にサオ選びのポイントをご紹介しよう。
振り出しか並継ぎか?
投げザオは振り出しタイプと並継ぎタイプがある。振り出しザオは持ち運びに便利でコンパクトに収納できるが、継ぎ数が5本ぐらいあるので反発力が弱く、サオ自体も重くなる。したがって遠投性の面では並継ぎより劣るものが多い。
並継ぎザオは基本的には3本でできており、コンパクトとは言いがたいが、継ぎ数が少ない分反発力が強く遠くへ仕掛けを運ぶのに適している。サーフで使用するサオは、仕掛けを遠くへ運べるよう、並継ぎザオがいいだろう。長さは4m前後が多く使われている。
サオの調子
サオの調子は先調子と胴調子がある。一般的には先調子はサオ先が軟らかいので、キスのアタリを敏感にチャッチでき、急激なアタックにも優しく対応できる。ハリ掛かりが良く、最近の主流だ。
胴調子はベテラン向きで、遠投性能に優れている。オモリ負荷がサオの中央付近にかかるようになっており、遠くのキスを釣るのに適しているがアタリが伝わりにくい。
サオにはいろいろなクラスがあり、調子と長さとオモリ負荷で区別される。オモリ負荷が大きいほど反発力が強く遠投性に優れるが、サオ自体が重くなりキャスト時にパワーと技術が必要で、取り扱いが難しい。一般的に男性ならオモリ負荷は25~33号、女性なら20~27号までで選びたい。
サオの長さ
長さは男性なら4m前後、女性なら極力3.6~4.05m、子供の場合短い並継ぎサオがないので、2.4~3.3m、または少し長めのルアーロッドがいいだろう。ただし、男女問わず自分の体力に合わせてなるべく軽いサオを使用することをお勧めする。
仕掛けを遠くへ運ぶには力だけではない。基本的にサオが曲がって元へ戻るときの反発力を利用してオモリを遠くへ飛ばすので、サオを振り切れるかが重要だ。サオは高価なので、必ず釣具店で素振りをさせてもらい、店員やベテランキャスターと相談しながら購入するのがいいだろう。