ヘラブナの食いが安定しないこの時期は、「ダンゴとグルテンの底釣り」が効果的。ということで、今回はこの釣りを初心者向けに解説していきたい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋ナオト)
初夏のヘラブナ
汗ばむほどの日もあれば朝方には少し肌寒い日もある今日このごろ。人間にとっては体調不良になってしまいやすい気候だが、ヘラブナにとっても安定しない水温は活性を落ち着かなくする。
先週は両ダンゴで釣りやすいほどの活性だったのに、今週はセットじゃないと釣りきれないほどに活性が下がっているなんてことも。これはこの時期によく管理池で聞くキーワードだ。そんな安定しない時期にオススメな釣り方「ダンゴとグルテンの底釣り」を今回は紹介したい。
どんな釣り方かというと、基本的にタナは底、ダンゴを上バリ、グルテンを下バリに付けて釣る釣り方だ。活性が安定しないこの時期でも水温が安定する底で釣ることや、状況を見て柔軟に両ダンゴ、両グルテンにアジャストできることから、この時期にこそ試してもらいたい釣りである。
「ダンゴとグルテンの底釣り」は、水温が安定する底を釣ることで宙に比べ安定した時合いで釣ることができたり、宙釣りに比べて比較的大型のヘラブナを狙うことができるメリットがある。
基本的な釣りの組み立て
1.バランスの底釣り同様に、上バリトントンの状態からスタート。
底取りの方法は、「ヘラブナ釣り初心者入門 底釣りで管理池攻略!(第3回)」を読んでみてほしい。
2.ハリより一回り大きいくらいのエサでテンポよくエサを打っていく。基本的には上バリにダンゴ、下バリにはグルテン。
3.ウキが動きだしたら、エサが着底してすぐのアタリも積極的に狙っていく。上バリのダンゴも寄せるだけの目的ではなく、食わせる目的もあるブレンドのため、通常のバランスの底釣り同様にその状況に合わせて、早いアタリと遅めのアタリ、どちらがその時にいいのか探っていく。
組み立て方のコツは特別なことは意識せずに、通常の底釣り同様の感覚で釣りをする方がいい。上バリにバラケを付けているイメージではなく、ダンゴを上バリに付けている感覚だ。
カラツンやスレが多い時
1.底が掘れていないか確認する。厳寒期と違い底のヘドロも軟らかくなっていることや、ヘラブナのアオりが大きくなっていることから、違和感を覚えたら小まめに測り直すのがコツ。
2.エサを一回り小さく付け、馴染んで返ってからの確実な小さく1メモリほどチクッと入るアタリをアワせる。
3.カラツンが大きければイトが張り過ぎて違和感を感じている可能性があるため、ウキのトップ1メモリずつはわせていく。はわせすぎるとスレになることが多いので、その辺りも注意しよう。
4.しっかりと着底した時には馴染みが出ているか確認しよう。エサが持っていない場合もある。
5.カラツンが多い場合は両グルテンにするといい場合もある。動いてる時は両グルテン、またアタリが遠退けば上バリにダンゴという手段も有効。
アタリが少ない時
1.上バリのダンゴに手水を打ち、ダンゴの開きを促進する。
2.エサ打ちのペースを早め、寄せを意識する。
3.ハリをワンサイズ小さくする。それでも改善されなければウキを小さく、ハリスを5cmずつ長くしていく。
基本タックル
ウキ:パイプトップで足、トップともに短めの底釣りタイプ。水深2.4m前後でボディ8cm、以降30cm毎に0.5cmほどウキをサイズアップさせていく。
ミチイト:0.8~1号、硬めのしっかりしたものが使いやすく絡みにくい。
ハリス:0.4~0.5号。号数はミチイトの半分を基準にする。長さは上35cm下42cmを基準にする。
ハリ:中軸の4号前後を基準に活性が低ければ下バリのサイズを落としたりエサ持ちが悪ければサイズアップする。
エサ
バラケ:ダンゴの底釣り冬100cc+ペレ道50cc +水60cc
クワセ:わたグル50cc+グルテン四季50cc+水100cc
以上が私の基本的な釣り方になる。この時期ならではの難しさも楽しみの一つ。ウキは動くけれどなかなか食いアタリにならないという悩みの時期だが、難しい時ほど釣った時の嬉しさは格別。皆さんにも「チクッ」というアタリを堪能して貰えればと思う。
<土屋ナオト/TSURINEWS・WEBライター>