年に一度のお楽しみの釣りがいろいろある中で、今の「行きたい!」順でいけば、かなりの上位に位置するのが、高知・室戸沖のキンメダイ釣りなのだ。
仕掛けさえ落とせればクーラー満タン!
ポイントに出られさえすれば、ほぼ釣果はかたい。
というのも、高知県の漁師が入るキンメ場なので、仕掛けさえ落とせれば、クーラー満タンは確実なのだ。
ただ、そのポイントに行けるかどうかは風と波次第。
冬場のこと、出られる確率は当然低い。
2月19日に安芸郡奈半利町の加領郷(かりょうごう)漁港に到着したのが、午前2時過ぎ。
今回はラッキーなことに予約一発で出船できた。
室戸沖のキンメ場は、西の本場であり、東の本場は、言わずと知れた伊豆である。
午前3時出船に集まったのは、同行した倶楽部・海人川人の松本さん、東大阪市の鳥羽瀬さんら2人の計4人。
仕立船オンリーの一正丸の畠中船長は、港と目と鼻の先に住み、歩いて登場。
サオ受けなどをセットするときには、もう、船は港は離れていた。
これからポイントまでは、約2時間半の行程だ。
サオ受けのセットが終われば、操舵室の中で寝ていくこともできる。
ポイント付近に到着。
ポイント近くに到着。
大船団がいた。
なぎになった分、出漁してきた船も多いということだ。
しかし、「反応が薄い」と畠中船長。
普段なら、もっと真っ赤になるほど魚探に反応が出るのだという。
そういえば、「2年前は60~70mの層が真っ赤だった」とトモに入った釣友が言ってたなあ。
反応が薄いという不安の中、1投目の準備。
朝のうちはハリ数が多いほど有利という船長のアドバイス通り、50本バリ仕掛け。
全長75mのスーパーロング仕掛けだ。
オモリは鉄筋の2kg。
エサは、イカの短冊とカツオの腹身。
前回は、どちらも食ったエサだ。
ただ今回は、どちらのエサも仕込みをしてきた。
『アミノリキッド/マルキユー』に漬け込み、水切りしてから、『アミノ酸α/マルキユー』を振りかけてきたのだ。
アミノ酸は、集魚効果が高いといわれているからだが、はたして結果は……。
いったん底まで仕掛けが落ちたが、反応がない。
前回はかなり上から、仕掛けの落下中にがんがんアタリが出たのだが……。
アタリがないので、一気に40mほど仕掛けを上げる。
そして、また落とし込んでいくと、群れに仕掛けが入ったのか、ごんごんとアタリが出だした。
アタリがひっきりなしに続く……
アタリの強さから、下のハリからアタってきたようなので、1mずつ仕掛けを送り込み、キンメダイのタナにエサの付いたハリを入れていく作業をした。
すると、アタリがひっきりなしに続く。
オモリが底に着いても、まだまだ仕掛けを送っていった。
「ハイ回収」と船長のアナウンス。
サオはしなりっ放しだ。
これはいくつ付いているのか楽しみだ。
キャラマンリングまで回収でき、後は仕掛けを上げるだけ。
しかし、この重さは尋常ではない。
海中にある獲物の重さとの、綱引き状態となった。
「まだまだ付いちゅうねー」と畠中船長。
オモリまで上がり、その数を数えると35尾。
取り込み途中に2尾外れたので、50本バリに37尾食わせた計算。
ハリ数と取り込んだ数でいくと、実質7割のハリにキンメダイが食っていた計算だ。
普通のキンメダイ釣りと違うところは、仕掛け投入の多さ。
10回は仕掛けを落とせるように……との指示。
それだけ、1回の仕掛けを流す時間は短く、群れが多いということなのだろう。
一番少ない取り込みは3尾というのがあったが、ラストまですべてにキンメダイが食いついてくるというパーフェクトな流し。
私1人が、これだけ釣れているのも、ひょっとしてエサに仕込んだアミノ酸のお陰かもしれない。
仕掛けが絡んで上がることもあり、その都度、掛かったハリやエサの違いを見比べていった結果、私1人で仕留めたキンメダイの数は120尾。
4人での合計が240尾だったので、全釣果の半分を仕留めたことになる。
一緒に行った松本さんは、60~70尾とのことだったので、2人で大型クーラー満タン、持参した発泡クーラーも2個満タンにして、大阪へ向かった。
一正丸のキンメダイ釣りは例年5月上旬まで。
人気の船で、週末は、ほぼ埋まっている。
なので、今回は月曜日の釣行となったが、平日に休みが取れるなら、深海釣りファンはぜひとも訪れてもらいたい釣り場だ。
<安田明彦/TSURINEWS編>
一正丸