2月14日はバレンタイン。私たち人間は愛情表現にキスをしますが、サカナの中にもキスをするサカナがいます。しかし、このサカナは愛情表現としてキスを使うのではなく、正反対に威嚇としてキスをしているというので、今回調べてみました。
(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)
キスは愛情表現ではない?
見た目も行動もバレンタインにピッタリだなと思った読者の皆様、大変申し訳ありません。
キッシンググラミーがキスする理由は、実は愛情表現とは正反対。ケンカの真っ最中なのです。熱いまなざしで見つめあっているのではなく、実はお互いの出方を探りあっており、目線を外すことなくにらみ合っているのです。
そして、濃厚なキスをしているように見えますが、人間に例えるならば胸ぐらを掴みあっている状態なのです。
キスをするのはオス同士
お察しのとおり、キスをしているグラミー同士は両方ともオスになります。キスする理由はいくつかあると考えられており、オス同士の縄張り争いや、メスの奪い合いだと考えられています。
一般的なサカナは、ヒレを広げて見た目を大きく見せたり、口を大きく開けて、どちらがより大きく口を開けるか競い合う種が多いですが、キッシンググラミーのキスもこれらの行動のひとつだと言えます。
オスとメスはキスをしない
闘争行動としてオス同士でキスをしますが、実は、オスはメスとはキスをしません。このことから見ても、キッシンググラミーにとってキスは愛情表現ではなく、オス同士のケンカや勝負のための手段なのだとわかります。
ちなみに、メス同士も縄張り争いにキスをすることはありますが、オスほど縄張り意識も高くないため、あまりキスをしません。
飼育する際は注意が必要
バレンタインシーズンになると、各地の水族館では季節ごとの展示として、このキッシンググラミーを観ることができます。
もちろん観賞魚としても人気が高いサカナなので、自宅で飼育することもできます。ただし先述した通り、闘争本能が強く、他のサカナと同じ水槽での飼育には向いていないようです。
表向きにはキスをする可愛いサカナですが、その裏ではオス同士の激しい戦いが繰り広げられています。カップルで水族館デートに出かけて、もし同魚を観た時には、うんちくを披露して好感度アップを狙ってみましょう♪
<近藤 俊/サカナ研究所>