淡水域の外来生物として有名なサカナと言えば、ブラックバスやブルーギル。超有名外来種2種に若干押され気味なライギョ。そんな「ライギョは何しに日本へ?」をお届けします。
(アイキャッツ画像出典:PhotoAC)
ライギョの概要
ライギョは、スズキ目タイワンドジョウ科に分類されるサカナの総称です。また英語圏では、細長い体とヘビに似た頭部から、【スネークヘッド】と呼ばれています。その見た目の通り食性も非常に獰猛です。基本的には魚食性ですが、甲殻類、昆虫類、カエルやカメ、時には水鳥のヒナやネズミまで捕食してしまう肉食魚です。
日本には、「タイワンドジョウ」、「カムルチー」、「コウタイ」の3種が生息しており、中でもタイワンドジョウ・カムルチーが比較的大型で、海外では体長が120cmに達することもあります。
小魚やエビなどを捕らえて食べる貪欲な肉食魚であることから、害魚として扱われてきましたが、近年ではルアー釣りの対象として人気があります。
漢字だと「雷魚」
また、ライギョは漢字では、【雷魚】と書きます。この漢字があてられた理由は諸説ありますが、いまだに明確な理由はわかっていません。
しかし、「悪天候の嵐の時に、地を這って移動する」や「人などに噛み付き、カミナリが鳴っても離さない」などの説が有力とされており、どれも「カミナリ」が深く関係していることは間違いないようです。
日本での生息域
3種のライギョは種類ごとに生息域が少し異なります。「カムルチー」は、北海道、本州、四国、九州、沖縄まで全国に広く分布しています。
「タイワンドジョウ」、「コウタイ」は原産の生息地が亜熱帯という事も影響しているのか、西日本の各地と沖縄など比較的暖かい地域を生息地としてます。
このライギョ3種は、流れの少ない水の淀んでいる場所を好んで生息しています。また非常に生命力が強いため、自分の体が浸る程度の水深があれば、湖・川・池・沼を問わずどこでも生きることができます。
独特な呼吸法
ライギョの生態で特徴的なのが、呼吸方法です。
鰓(えら)の近くに、「上鰓器官(じょうさいきかん)」という特殊な器官を持っており、空気から酸素を取り込んでいます。
水面上に口を出し、吸い込んだ空気を上鰓器官に送り、そこから酸素を摂取します。そのため少ない水や止水域でも生息することができます。しかし、二酸化炭素の排出は鰓から行うため、上鰓器官・鰓の両方を必要としています。
生命力が強いと言われる所以は、この呼吸方法あってこそですが、水面から口呼吸できないと死んでしまう可能性がある諸刃の剣でもあるのです。そのため時には、水面に口を出すことができないと呼吸ができず、酸欠になってしまい溺死してしまうこともあるようです。
原産国は中国などのアジア圏
「カムルチー」は、朝鮮半島から持ち込まれましたが、元々は中国大陸のアムール川から長江までの朝鮮半島を含む広大な地域に生息しています。
「タイワンドジョウ」「コウタイ」比較的生息エリアが似ており、中国の南方、ベトナム、台湾、フィリピンなどに生息しています。