冬のカカリ釣りは大型狙いが面白い。秋のようにアタリは多くないが、ヒットすれば豪快なチヌ(クロダイ)とのやり取りが楽しめる。今回は初釣りにもオススメなカカリ釣りが楽しめる好釣り場を3カ所紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西与志夫)
ダンゴで狙うチヌカカリ釣り
ハリスの先には1本バリというシンプルな仕掛けに、爪楊枝よりも細い繊細な穂先。ダンゴでチヌをおびき寄せてさしエサを食わす。本命のアタリをとらえるまでの静けさから一転、ヒットすれば短ザオでの豪快なやり取りが魅力のチヌカカリ釣り。厳冬期にさしかかるこの時期のターゲットは、大型チヌだ。
水温が高く中、小型のチヌやエサ取りがフィールドを賑わせたシーズンが終わるころから出現するビッグワン。これをモノにするため、新春から多くのチヌフリークが釣り場へと足を運ぶ。今回はそんな価値ある1匹と出会える釣り場を紹介したい。
1、三重県南伊勢町 神前浦
神前浦は沖に面している南側以外は陸地であるため、冬の季節風には強い釣り場。海底の地形も変化に富んでいて、数多く設置されているイカダの水深は8mの浅場から35mの超深場まである。
ポイントは大きく分けて3カ所。港から一番近い所に浦中エリアがあり、そのまま沖(南)へ行くと弁天、長浜エリア。そしてそこから東へ行くと小納戸エリアだ。
そのなかでもこの時期に私がオススメしたいのは弁天、長浜エリアの弁天筏だ。このイカダにおける特筆事項は、水深が35mという超深場な点。ダンゴコントロールの腕が試される釣り場で、潮流はあまりなく緩やかに流れる程度。マダイや良型のアジも釣れるのが嬉しい。
渡船は六〇渡船でポイント指定予約も可能。
2、三重県尾鷲市 尾鷲湾
尾鷲湾の釣り場は近くに火力発電所があり、稼動していると温排水が流れ込むために冬場でも水温が上昇するのが特徴。それに伴い魚の活性も上がるので、アタリが少ないこの時期でも穂先がよく動く釣りを楽しむことができる可能性がある。
温排水の恩恵を受けられるポイントは弁財筏で1号と2号の2基。水深は約10m。潮流は穏やかで釣りやすい。基本的に大物場で、ラインブレイクしたとの話をよく聞くので、タックルの備えは万全で挑みたい。チヌ以外ではヒラメやアジの姿も。
利用するのはととクラブで、ここもポイント指定予約が可能だ。
3、和歌山県美浜町 三尾沖
三尾は冬から春にかけて「チヌカカリ釣り乗合船」として出船している珍しいシステム。期間限定の釣り場で、一つの船宿のみが三尾沖で釣らせてくれるので、場荒れが少ない。1月までは居付きのチヌ、そして2月ごろからは早くも乗っ込みチヌが三尾沖に入ってくる。
外洋に面した釣り場なので流れ出すと潮流に勢いがあるのが特徴。その潮に仕掛けを乗せて釣ると、比較的釣果を伸ばすことができる。いい日に当たれば良型チヌのまとめ釣りができるポテンシャルを秘めたポイントだ。カワハギやマダイが釣れることもある。
<大西与志夫/TSURINEWS・WEBライター>