釣り物が少なくなる冬でも楽しめる釣りが「エリアトラウト」だ。今回は、北方マス釣り場での実釣を踏まえ、初心者でも1日10匹釣る方法を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松尾 尚恭)
エリアトラウトは冬が盛期
釣り物が少なくなる冬でも楽しめる釣り、その中でも管理釣り場でのエリアトラウトは今が最盛期。
東海圏にも多くの釣り場があるが、今回は初心者でも一日10匹釣るためのポイントを、シーズン中は毎週末に愛知県一宮市の北方マス釣り場で出張販売を実施し、現場を見て釣ってきた目線でご紹介したい。
タックル
先ず初めに、管理釣り場での基本的なタックルを紹介する。
ロッド
ロッドは6ft前後のエリアトラウト専用ロッドで、ベナベナのものより張りのあるロッドの方が扱いやすい。
サオの硬さは軟らかい方から順にXUL、SUL、ULの3タイプがよく使われる硬さだ。
メバルやアジングロッドでも代用が可能。
リール
リールは1000~2000番のスピニングリールを使用。トラブルレス性能とドラグ性能が重要で、実売で5千円台より上のランクのリールを選べば安心だ。
ライン
次はラインについてだが、タックルセッティングの中でここが一番重要で、ロッドやリールはテキトーでもラインだけはしっかりと適切な細さのものを選んでいただきたい。というのも、太いイトだとただ強いだけという1点のメリットに対し、飛距離が出ない、風に流される、ルアーの操作性が悪いなどデメリットがたくさん出てくる。
フロロカーボン、ナイロンラインであれば2~2.5lb、太くても3lbまでをオススメしたい。
そんなに細いイトで大丈夫かと思われるだろうが、リールのドラグを適切に調整しておけば、レギュラーサイズのトラウトで切られてしまうことはまずないだろう。
PEラインの使用もオススメで、ほとんど伸びないため抜群に感度が良く、魚のバイト(アタリ)を感じやすい。0.2~0.3号がオススメの太さで、ショックリーダーに2~3lbのラインを30cmほど付ける。
ちなみにキャスト精度に自信のない人は、どこにルアーが飛んだか把握するためにも色付きのラインを使った方がいいだろう。
小物
ラインの先には小型のスナップを結ぶ。
ルアーをこまめに交換するために必要で、サイズは00番などできるだけ小さなものを選ぼう。スナップが大きかったりスイベル付きだったりすると、ルアーがうまく泳がなくなり釣果が下がってしまう。
エリアトラウトのルアー
エリアトラウトで使われるルアーは、スプーンとクランクベイトの2種類が代表的なルアーで、どちらも巻くだけで魚が釣れて特別な操作も必要ない。ちなみに理由は後述するが、クランクベイトの方が初心者にはオススメのルアーだ。
スプーンは最もベーシックなルアーで、エリアトラウトと言えばこれを思い浮かべる人も多いだろう。
重さ、色、泳ぎを使い分ける必要があり、その日にあった正解を探す釣りがスプーンの王道となる。ちなみに北方マス釣り場で多用される重さは、放流時のみ1~2.5g、それ以外の時間帯で0.5~1.2g程度。
お昼などの釣りにくい時間帯は、マイクロスプーンと呼ばれる1g以下の軽量なものでないと反応が得られないことが多い。
これは初心者には投げるにもひと苦労、使用感も何をやっているか分かりにくいため扱いづらい。
放流タイミングで使うルアー
放流時のみはスプーンの独壇場となるため、ここで放流の釣り方を説明する。北方マス釣り場では、毎日午前8時ごろに魚の放流があるため、朝イチはイージーに数釣りが狙える一番のチャンスタイムとなる。
いいときは朝の1時間で30匹釣れることもある。よって、できれば朝イチから釣りをすべきだ。
スプーン
放流魚には赤金、オレンジ金カラーのスプーンが他のどのルアーよりも効果があるため、絶対に用意してほしい。
重さは1~2.5gの間で、いくつか持っていると状況に対応しやすい。放流時オススメのスプーンはフォレストMIU2.2g、同ファクター1.2gなど。
重いものから投げ、着水後すぐに巻き始める。巻きスピードはハンドル1回転に1秒が基本。反応がなければスプーンを軽くしたり巻きスピードを遅くしたり、レンジを表層から順に下げていって探るといい。
クランク
放流効果はおよそ30分から1時間ほどで終わり、次のクランクベイトへの釣りへ移行する。クランクベイトはそれぞれに潜る水深が設定されていて、釣れる水深に合ったものを選ぶ。
北方マス釣り場は表層~1m前後までのレンジで当たることが多いため、シャローからミディアムタイプのものを選んでもらえばOKだ。クランクベイト推しの理由の1つは、スプーンに比べ重さがあり投げやすく、引き抵抗もしっかりあるため扱いやすいこと。
もう1つの理由は、バイト(アタリ)が明確なことだ。放流後の高活性時を除き、スプーンへのバイトは非常に分かりづらい。はっきり手元に伝わるようなバイトは10回に1回あるかどうかで、それだけを拾っていてはとても効率が悪い。
この手元に出ないバイトを掛けるテクニックもあるのだが、これは脱初心者のテクニックとして今回は割愛させていただく。
一方クランクベイトはバイトが手元へ明確に出ることが大半で、グンと持っていったときにフッキングすれば良く、釣りとして簡単だ。よって慣れない人ほどスプーンよりクランクベイトの方が楽に魚が釣れるというわけだ。
オススメクランクは、ティモンブリブリミノー、同ちびパニクラSR/DR、タックルハウスグラスホッパーF、ディスプラウトガメクラF、なぶら家なぶクラF、ムカイザンム35MRなど。