今日の問診票
マダイと並び秋のコマセ釣りの王道ともいえるワラサ釣り。大好きな釣りで、自分なりに頑張ってはいるのですが、今ひとつ数が伸びません。何か良いアドバイスをよろしくお願いします。(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)
診断結果
【朝イチ集中力欠乏症】
ワラサは身近なターゲットですが、その強烈な引き込みを味わった人の多くはこの釣りの虜になりますね。スタートが若干遅れた今年は、マグロの終わりとともに剣崎で、それよりも早く東伊豆でワラサが釣れ始めました。
数を伸ばすためには、念入りなタックルの準備を事前に行っておく必要があります。また時合いには、集中力を最大限に高め、釣れるときに取りこぼしなく釣ることが第一です。
時合いのタイミングは、日によって違うこともありますが、まず間違いなく”朝イチ”は時合いになります。朝の1時間だけ釣れて、その後は全く釣れないなんていう日もあります。
数が伸びない人の多くは、この朝イチの時合いへの準備、心構えが甘く、出遅れたり、バラシたり、取りこぼしをされる方がほとんどです。今回は、”朝イチ対策”を中心にアドバイスいたしましょう。
処方箋
朝イチから妥協の無いベストな釣りを実践するためには、乗船時、さかのぼって乗船前の準備から勝負は始まっているという心構えが大切になります。
釣友とのお喋りは、時合いが落ちついてから船の上で沢山出来るはずですから、乗船したらさっそく集中しましょう。
コマセワラサ釣りのタックル
竿は、とにかくバットパワーが強くなければなりません。それに加え強烈な引き込みをいなす粘りも重要です。しかしながら柔らかい竿は魚に振られて良くありません。
私も愛用するショットバイパーM、MH -210は軽量でありながら、バットパワーに優れています。7:3調子でコマセの振り出しなど操作性に優れる一方で魚が掛かってからは、6:4調子のように曲がり込み粘りを見せます。
またリールもパワーが必要です。手巻きやライトタックルで挑めば確かに魚のエネルギーを堪能するスリリングな釣りを楽しめますが、仕立てならまだしも、大人数の乗り合いでは、ヒットしたら出来るだけ短時間でやりとりして、時合いに効率よく仕留めることが、他者とのオマツリも防ぎ、釣果を伸ばすことにつながります。
ダイワなら300番でも十分なのですが、私はシーボーグ500MJを使用しています。より強いパワーはブリクラスがヒットしても安心ですし、スプール径が大きいのでバックラッシュなどのトラブルも少なく、糸巻き量が多くなるのでラインが高切れした際も安心です(シーボーグ500MJのスペックは、PEライン5号で400m、4号で500m)。
どんな釣りでもそうですが、様々なことを想定し、ワンランク余裕をもったタックルで挑むことが、不意のトラブルにも落ちついて対処することができます。ぎりぎりの勝負はリスクが高いのです。
前日までに行っておくこと
釣果を上げるには、前日までの準備が必須になってきます。
道糸のチェック
先ずは、道糸のチェックを重点的に行いましょう。傷があれば、いきなりのヒットでラインブレイクしてしまいます。するとその修正に時間を要し、せっかくの時合いを逃してしまいます。
前日までに必ず道糸の傷のチェックをし、傷があれば妥協無くカットするか、新しいものに巻き直して挑みましょう。私は道糸の先端に8号のフロロカーボン3mをリーダーとして結んでいます。
これはそのクッション性で針結束部への負担を減らすこと、手前マツリの予防、ワラサ釣りでは当たり前に生じる他者とのオマツリの際の互いの道糸損傷の回避といった効果があります。
なおリーダーを入れる場合は、その分道糸をカットして、必ずラインの色が10m毎に変わるようにしておきましょう。
スペアタックルの準備
仕掛けは勿論ですが、道糸で切れた時は天秤、クッション、ビシも失います。万一に備え、全てのタックルのスペアは持参すべきです。
幅広いハリス径の準備
ワラサ釣りは日によって、また一日の中でも釣況が変化しやすい釣りです。入れ食い時の10号ハリス、標準的な8号、食い渋りでマダイも視野に入れた6号など、ハリス径は幅広く持参しましょう。針結びに自信の無い方は太・中・細の市販仕掛けを十分量用意しておきましょう。
付けエサの準備
付けエサは、オキアミブロックとは別に用意しておきましょう。ワラサの場合、マダイほど付けエサのオキアミの大きさや形にこだわらなくても良い傾向はありますが、当日船宿が用意したブロックから良い付け餌が採れると過信していると、オキアミの状態が良くなく、苦戦を強いられる場合もあります。
現地でコマセ、付けエサとも調達できることも多いですが、朝イチから物理的にも精神的にも安心して勝負するためには、不確定要素は一つでも多く減らしておくべきです。イカ短冊を使う場合は勿論ですが、付けエサのオキアミも安心して使える大きさ、形のものを現地到着までに用意しておくべきです。