1月8日、三重県・南伊勢町宿浦の服部水産に釣行した。当日は低気圧で終日雨との予報。厳寒期の魚は気温や気圧にも敏感で、ちょっとした変化で食い渋ってしまう。それでなくともつらい冬の雨にためらったが、釣行しないことには釣れないのは確か。とにかく出向いてみることにした。
底トントンからスタート
船長にお任せして、乗せてもらったのは由布の浦のイカダ。
水深は16m前後で、潮流はほどほどだ。
釣り座の背後に設置されている屋根と風よけが悪天候では心強い。
前日は本命が上がらなかったと聞いていたので、オーソドックスに底トントンの釣りから始めることにした。
意外にもエサ取りは多く、オキアミはアタリもなく取られてしまう。
底から少し上でダンゴにアタるのはアジだろうか。
道中で寄ったエサ店にも釣り場にも他の釣り人の姿はなく、朝から嫌な予感しかしなかったが、にわかになんとかなりそうな気がしてきた。
打ち返すこと2時間、たまに単発のダンゴアタリや少し強めのアタリが出たりと気配が出てきて、少しましな魚が寄ってきたようだった。
潮の流れに合わせてイトを送っていくと本アタリ。
気配の正体はヒガンフグだ。
この時期は、たとえフグでも寄ってくれるだけありがたい。
再び小さいエサ取りを相手に手返しすること1時間半、また気配が出てきた。
ダンゴの割れ方やアタリの出方からしても、どうやら底より少し上に何かがいるようだが、なかなか本アタリには至らない。
朝よりも潮流が強くなっているので、ノーシズ(オモリなし)で流しても、はわせてもエサがポイントから離れてしまって食い切れないようだ。
さしエサを浮かせ気味に止める
そこで、ガン玉を打って潮流に押されてもついていかず、さしエサを浮かせ気味に止めてみることにする。
Bから2Bへと順番に試して、3Bのガン玉で1分ほど待つと、コツンという前アタリが出て穂先が小さく押さえ込まれた。
アワせると結構な重量感だが、思い出したように時折ゴンと首を振るだけで抵抗しない。
何か変な魚を掛けたかと思ったが、過去にも似たような感じで大型クロダイを仕留めたことがあった。
「割とこういうのが本命だったりするからな……」と上げてくると、イカダの下から大きな顔がヌッと出た。
期待通り50cmジャストの本命だ。
午後からは仕掛けをはわせて長い間を取る釣り方に切り替えたが、この作戦は不発。
40cmほどのタイが釣れただけで納竿時刻を迎えた。
今の季節は出かければクロダイが釣れるというわけではないが、前向きな思考が一番大事だと思う。
厳しい時季だからこそ、釣れた時のうれしさは格別。
サイズアップを目指してまた出かけてみようと思う。
<週刊つりニュース中部版 APC・横山大幸/TSURINEWS編>
服部水産