年が明け、いよいよ寒グレシーズンが本番に突入!水温の低下でエサ取りやコッパの活性が下がり、良型が期待できるファン待望の季節がやってきた。
ということで今週のつり作戦は、この寒グレ攻略の基本を週刊つりニュース関西版APCの渡瀬美知彦さんにわかりやすく解説してもらった。
この時期の沖磯は極寒だが、寒さに耐えれば見返りは大きい。自己記録更新の1尾を狙って、さあ磯に繰り出そう!
目次
グレの釣果を求めるならやはり冬
寒さがピークを迎え、いよいよ寒グレシーズンも最盛期を迎えた。
エサ取りも少なくなって、各地から良型爆釣の声も聞こえてきており、私もあちこちへ足を運んでまずまずの釣果に恵まれ、楽しい釣りをさせてもらっている。
みなさんはいい釣りされているだろうか?貧果に悩まされ、ストレスたまってはいないだろうか?
今回は、これからグレ釣りを始めたいと思っている方、また、なかなか結果が出なくて悩んでおられる方に私の寒グレ釣りを紹介したい。
ぜひ参考にして、この冬は楽しい寒グレシーズンを満喫していただければと思う。
フカセ釣りで楽しもう!
フカセ釣りとは、簡単にいうと、まきエでグレをすみかから誘いだし、まきエの周辺にはハリの付いたさしエを紛れ込ませておく。
そして、グレにさしエを間違って食べさせて、サオで釣り上げるという釣りだ。
カゴ釣りはまきエとさしエサがセットになっているが、フカセ釣りは別々。
ということで、これを合わせる、「エサを同調」させることが難しく、また面白い釣りといえる。
エサのセッティング
それではまず、エサから説明しよう。
まきエは遠投のできるものを用意する。
後にも説明するが、沖の潮目をダイレクトに攻めたり、強風に対応するために、飛ばせるまきエが必要になる。
私がこの時期に一日で使うまきエの量は、「夜明けから午後3時納竿めど」で、生のオキアミ(さしエ用)3kgを3枚用意し、2枚半を集魚材2kg入り2袋とまぜ合わせる。
残った半分をさしエサにしている。
バッカンに波のシブキが入って、ゆるくなる場合があるので、予備の集魚材を一袋持っておくといいだろう。
私はこの時期は、ボイルは使用していない、エサ取りのきつい秋や梅雨時期には使うが、寒グレ期は、生エサの方が食いがいいと思っているためだ。
南紀の冬シーズン場所選び
場所選びだが、この時期は水温の変動も激しいうえに、季節風が何日も吹き荒れることがよくある。
私はなるべく、その日の風向きに合わせたエリアを選んで釣行するようにしている。
南紀で比較的北西に強いのは潮岬から東側で、出雲崎、須江地区、樫野地区。
特に勝浦周辺は北西風にめっぽう強い。
私は、枯木灘周辺が寒波で大荒れのときなどは、太地や浦神に足を運んでいる。
風裏で快適に釣りができてグレもよく釣れる、太地や樫野などは、50cmオーバーが釣れる磯もある。
逆にこのエリアは、北東風に非常に弱い。
北東風になると枯木灘から北側が凪になるので、すさみ地区や磯間、大引などが釣りやすい状況になる。
大会などは仕方がないが、身体も冷えるし、なるべく風をさけたほうが釣りやすい。
また、渡船で釣行されることをお勧めする。
魚の絶対数もあるし、定期的に見回ってくれるので安心して釣りができる。
潮の流れをみてポイントを選ぼう
狙うポイントは、そのときの潮の流れでかわってくる。
流れのないときや、沖から押してくる当潮のときは、磯際を狙うようにする。
流れのあるときは、必ず沖に潮目(流れが速いときは水面にヨレ、流れの緩いときは鏡)ができるので、そこを遠投でダイレクトに狙う。
速い潮が寄ってくると、ポイントが100m以上先になることもある。
グレはこの「潮目」でエサが流れてくるのを待っている。
標準的なタックルセッティング
グレ釣りに使用するタックルだが、サオは1号から1.5号で、5mくらいがいいだろう。
私は、口太狙いのときは、主に1号を使っている。
ふいに、50cm級がヒットしても十分対応できるし、グレの上品な引きが楽しめる。
リールは2500番くらいの、レバーブレーキ付きがいいだろう。
ラインは、フロロカーボンとナイロンの1.5~2号を用意する。
主にナイロンを使うが、強風時はフロロを使うと仕掛けの横滑りが防げる。
ハリスも1.5~2号で、ハリはグレバリの5、6号でいいだろう。
ウキは0号~3Bまでがあれば十分だ。
ガン玉は「ジンタン8号~3B」、あとから説明するが、私は主に0号「MからLサイズ」を使っている。
バッカンは40cmくらいの大きさで、まきエシャクは70cmがいい、遠投しやすいうえ立ったまますくえるので楽だ。
タモは、磯によっては5mで届かない場所もあるので、6mのズームタイプがお勧めだ。
沈下速度が重要!個人的な仕掛けセッティング
南紀での私の仕掛けはシンプルで、ミチイトが1.75号、ハリス1.5~1.75号、ハリ5、6号、ウキ0号を主に使い、ミチイトとハリスは直結で、潮受ゴムの大きめのものをセットして、『なるほどウキ止め糸/オーナーばり(魚が引くとフリーになる)』を使っている。
良型をバラしたくないので、ラインをこれ以上細くすることは、あまりない。
また、50cmオーバーがヒットする磯はだいたい例年決まっているので、そのときは太イトを使うようにしている。
私は、ウキ(0号・Mサイズ)にハリスを2ヒロ取って、直結からウキ止めを半ヒロ上に設定し、ハリ上30cmほどに、ジンタン7号を打って釣りを始める。
この仕掛けで、だいたいまきエと同じスピードでさしエが沈んでいくが、ウキによって多少の誤差があるので、ハリの大きさや、ハリスの長さ、ジンタンの大きさなどで、できるだけまきエと同じスピードで沈むように調整する。
さしエがなくなると沈まなくなるくらいに調整ができれば理想的だ。
なお、早く沈みすぎるのはよくない。
まず、グレが3ヒロ付近でエサを拾っていると考えると、仕掛けがなじむと2ヒロ半、ここから半ヒロをエサが落ちてきたように演出するわけだ。
まずこの設定から始めて、あとはグレの活性に応じてタナをかえていく。
グレは「落ちていくエサではなく、落ちてくるエサ」を意識する。
さしエがウキを引っ張っていくというイメージをえがいてほしい。
まきエワークが好釣果のカギ
まきエワークは、フカセ釣りの中では一番重要なポイントになる。
せっかく仕掛けを万全に用意できても、まきエと同調できなければ意味がない。
磯際やポイントが近くて、目で確認できる範囲であれば合わせやすいが、タナが深かったり、流れが速くポイントが遠くなったりするにつれて、同調が困難になる。
仕掛けがなじむまでの時間はまきエの沈下より少し早いので、先にまきエを打って、少し待ってから仕掛けを入れると合わせやすい。
潮が速くてポイントが遠い場合は直接狙えないので、ある程度流さなくてはいけない。
このような場合は、ウキの潮上にまきエを打つようにする。
この場合、仕掛けはミチイトの抵抗で、潮目に着くのがまきエより遅いので、仕掛けが先に流れて、潮目付近でまきエと合うようにする。
まきエが仕掛けに対して、後ろから追いついていくイメージだ。
いずれにしても、まきエと仕掛けには、時間差があるということを頭において釣りをしてほしい。
この辺を几帳面にやれるかどうかが、好釣果へつながるカギになると私は思っている。
グレのヒットから取り込みまで
目指せ好釣果!
アタリがあれば、サオ先を少しシャクってアワセを入れる。
すぐにサオを立てて、サオの胴で魚の引きを止める。
あわてずに寄せた分だけミチイトを巻けばいい。
巻くときはできるだけサオ先を下げたり、左右に振ったりしないようにして、胴に乗せた角度で巻くようにする。
そうすると大型の魚も取り込むことができる。
サオをのされた場合はやむをえないが、できるだけイトは出さない方がいい。
タモ入れは、魚が浮くまで待って、ゆっくり頭からタモに入れる。
先にタモを見せると暴れて寄せにくくなる。
タモに入ったら、サオを股に挟んでタモをたたむといい。
釣った魚はイケスや、ナイフでしめてクーラーに保管してもいいが、最近は大きなバッカンにエアーポンプを取り付けて、生かしておくのが主流になってきている。
手間がはぶけて、良型を20尾入れても納竿まで生きている。
寒グレシーズンは面白く、私はこの時期になるといつも「釣りに行きたい病」にかかってしまう。
面白いのはもちろん、グレは脂が乗って、しゃぶしゃぶも最高だ。
ぜひ、この稿を参考にして、寒グレを攻略してほしい!
<週刊つりニュース関西版APC・渡瀬美知彦/TSURINEWS編>