関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法

秋はカワハギの肝が肥え、釣っても楽しく食べて美味しい時期だ。関西のカワハギ釣りは年々シーズンインが早くなっており、だいたい9月からが定番。今回は関西圏でカワハギ釣りの専門船が出ている4つのエリアの特徴を紹介したい。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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全く状況がかわる4つの釣り場

カワハギの関西沖釣り場は大きく分けると、「明石海峡周辺(兵庫)」、「加太・友ケ島周辺(和歌山)」、「日ノ岬周辺(和歌山)」、「串本(和歌山)」と言った具合。それぞれ全く違ったシチュエーションの中での釣りとなる。

例えば、明石では常によく釣る人が、加太へ向かうと貧果に終わったりと、ちょっとした釣り手の違いが釣果を大きく左右するほどその変化は大きい。

そこで、今回は関西で知られる船からのカワハギ釣り場の概要を紹介していこう。エリアによっては短期間の釣りであったり、秋から春までのロングスパンで釣れるエリアなど様々だ。また、水深や潮の流れ、海底の様子など釣り場によってかなりのバリエーションがあるのも関西圏の特徴だ。

明石海峡周辺

急潮で知られる明石海峡周辺は砂底、岩盤底などのポイントが多いが、ここ数年は年によって釣果の差が非常に激しい。数年前には半日で60~70尾というとんでもない好調な年があったかと思えば、その翌年には船中で数尾と言う事も。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法小型が多いが数釣れる年も(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

シーズンインが早い

例年、関西でも加太と並んでシーズンインが早いエリアで、その分終了するのも早い。9月後半から11月くらいまでの釣り場である。冬場は黒潮の影響を受けない海域のため、水温が下がりすぎて釣れなくなる。

明石海峡のまっただ中にもポイントはあるものの、潮が速すぎて釣る時間が短いため、どちらかというと淡路島側の潮陰などにポイントが多い。水深は15~30mと言ったところ。

釣りの特徴

釣り場の特徴としては、ショウサイフグが多く、海底付近を釣りすぎるとフグ釣りになってしまう恐れがある事と、小型のカワハギが宙に浮いているポイントが多く、アタリもないのにエサが丸々取られている事も多々ある。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法浮いたカワハギを狙う(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

そんな少々マニアックなカワハギ釣りにハマる人も多い。今年の特徴を船長に聞いてみるとサイズの大小が明確で、15cmまでの小型が釣れているかと思えば、突然25cm超の大判がヒットしてくるので逆に難しいかも…との事だった。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法突然の大物に遭遇する(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

そんな状況なので、関西の中でも独特の釣りをするエリアで、かなり慣れないと難しい。が、このエリアのカワハギは急潮に育まれて、豊富なエサを取っているので非常に美味だ。

加太・友ケ島周辺

主に加太港から出船する遊漁船が狙っているエリアで、こちらも紀淡海峡の急潮の影響を受けるため、潮具合によって大きく場所をかえる。ポイントとしては友ケ島周辺、田倉崎沖などで、砂底、砂利底、岩礁帯、魚礁周りと非常にバリエーション豊富な釣り場だ。

明石海峡周辺同様、シーズンインは早く、今年は9月に入ると同時にカワハギ狙いの船が出ている。シーズン終了は例年、年明けくらいで、冬場は数が減る。最近は春にもカワハギ狙いのシーズンを設定している。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法大型船でゆったり釣れる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

釣りの特徴

水深も10m未満の場所や、35m近い深場があったりと、その日の中でも状況がコロコロかわるのが面白い。その水深に応じての釣りが展開できるかどうかがカギになる。

一例としては、浅い岩礁帯ではイソベラやキタマクラ、フグなどのエサ取りが非常に激しく、仕掛けが底に付くやいなや、激しいアタリが頻発する。そんな場所で、アタリに反応してアワせていると、釣果がゲストのオンパレードとなる事も多々ある。

いかにエサ取りを避けつつ、その中で出てくるカワハギのアタリを見極めて取っていくか…が、重要だ。以前は釣れるカワハギのサイズがいい事で有名だったが、近年は少しサイズがダウンしてきており、中、小型も視野に入れて釣る事になる。

逆に深場にいくと、大型カワハギメインとなるかわり、エサ取りや本命のアタリ自体が少なく、ジッと我慢をしている人にいきなり30cm近いカワハギがヒットしたりする。

カワハギ釣りの歴史は浅いが、近年は各種競技会も盛んに行われているエリアだけに、このエリア独特の攻略法や釣りの傾向も分かってきたようだ。明石同様、カワハギの肝は早くからよく肥えており、身も美味しい。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法大量の肝を持っているぞ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

日ノ岬周辺

関西ではもっとも古くから船のカワハギ釣りをしているエリアで、白崎~日ノ岬沖の広いエリアが漁場となっている。出船地は湯浅(栖原)、大引、由良糸谷など。

最大の特徴は釣り場の水深だろう。シーズンインは9月中旬だが、初期は20~30mの「浅場」を中心に攻める。広いエリアの内、北に位置する白崎沖などはやや水温の低下が早いのか、カワハギの適水温になるのも早く、エリアの中では本格化するのが早い傾向にある。

白崎、神谷一文字沖

白崎沖の特徴はやや起伏のある岩礁帯や岩盤底で、中型のカワハギが多い点。そのため、このエリアの中では一番根掛かりも多発するので、予備の仕掛けは多めに持っておきたい。同様にシーズン初期のポイントとして使われるのが、由良湾口にある神谷一文字の沖。こちらも水深は30m前後で、主に岩礁帯、魚礁周りの少し底が粗い場所がポイントになる。

エサ取りの魚影も濃いが、カワハギも非常に多く、釣りが合えばカワハギが入れ食いになる場所でもある。

シーズンが進み、真冬になっても場所をかえる事で翌年春までのロングランでカワハギ釣りが楽しめるこのエリアだが、水温の低下や潮の流れによって徐々に深場へと漁場を移すのが例年のパターンだ。

日ノ岬沖

エリア最南部の日ノ岬沖では最大で50m以上の水深があり、関西圏でももっとも深い釣り場となっている。ただ、海底は砂利底主体で、ところどころに魚礁などが入っている程度で根掛かり自体は非常に少なく、エサ取りも少なめ。なので、底でじっくりとカワハギとの駆け引きを楽しめるポイント。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法遠くに日ノ岬を臨む(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

潮の方向で状況が一変

冬場のカワハギの食いに影響を与えるのが黒潮に影響される潮の動きだ。こちらでは大阪湾に向けて北上する潮を「上り潮」、大阪湾から太平洋側へ出てくる潮を「下り潮」と呼ぶが、冬場に黒潮の押し上げによって上り潮が流れると一気に水温が上がって活性が高くなる。逆に下り潮は冷やされた湾内の潮が出てくるため水温が一気に下がり活性が低くなる。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法真冬でもこんな釣果が…(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

活性が高ければ非常に楽にカワハギを釣る事ができるのもこのエリアの特徴だが、水温急低下の日に遭うとかなり我慢の釣りを強いられる。

ここで釣れるカワハギのサイズは様々で、超小型は少なく15~23、24cmが主体だが、平均してアベレージは20cm以上ある。時折30cm級も顔を出す。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法アベレージがいいのも特徴(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

串本周辺

本州最南端、潮岬を西に控える串本では、冬の低水温期がカワハギの絶好期になる。串本大島の周辺にカワハギ魚影の濃い釣り場が結構あるが、メインとなるのは串本大島の西部にある須江湾内と、大島と地方との間に当たる串本湾内。

養殖イケスがカギ

ここの特徴はマグロやその他の養殖業が盛んなエリアのため、養殖イケスの周辺がカワハギの越冬場になっており、越冬中もエサが豊富にある事から肝がよく肥えたカワハギが釣れる。古くは養殖イケスの横に小船を掛けたカセからのカワハギ釣りが有名だったが、現在では乗合船スタイルで船長が操船してくれる遊漁船も数軒ある。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法養殖イケスにカワハギが付く(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

群れで移動をしているのか、全くアタリがない時間帯もあれば、突然入れ食いになったりする。他のエリアと少し違うのは、流し釣りで幅広く探っての拾い釣りではなく、船をアンカリングして釣ってみて、ダメなら移動…と言う手段も用いられるところか。船を掛ける場所は比較的、砂泥底が多いようだ。

関西のカワハギ釣り場の中ではダントツで南に位置するので、エサ取りの種類も他の地域と全くかわってくる。突然、グレやサンノジなどの上物が釣れたり、ハタ類などの大物がヒットする事もある。

必携エサはブラックタイガー

カワハギ釣りのエサとしては基本的に、アサリが主流だが、このエリアに限っては、船長のオススメはブラックタイガー。殻を剝いてナイフやハサミで5mm角くらいに切り分け、エサとして使う。もちろん、アサリも使えるので、釣行時には両方のエサを用意しておきたい。

関西エリアのカワハギ4大沖釣り場を紹介 それぞれの特徴と攻略法ブラックタイガーは必携(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

釣りとしては群れに当たれば釣れるので、あまりテクニカルな誘いやアクションは必要ない…と言うのが、これまでの定番の考え方だったが、最近は人気の上昇に伴い釣り人が増えた影響か、しっかりと誘って、食わせる間を作らないとアタリを出してくれない事もあるので、他のエリアと釣りが似てきた感がある。

真冬の2月頃が最盛期となるので、他のエリアが終了、または食い渋りの頃に釣行する人も多い。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>