キスは比較的あっさりした味わいの魚なので、油を使った料理に向いている。よく親しまれている料理は天ぷらである。しかし、アングラーの料理で本格的な天ぷらは油や衣の準備なども考えると結構大変なのではないかと思う。今回は、フライパンだけで手軽にできる料理法として、ソテーにチャレンジしてみた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
新鮮なキスは釣り人の特権
キスは万人に好まれる白身の魚で、魚の苦手な人でも比較的食べやすい素材である。しかし、最近スーパーなどの店先で地物のキスを見かけることは非常に少ない。
フライ用にさばかれた商品は輸入ものが多いようである。20㎝を超えるような良型のキスはなかなか鮮魚店の軒先には出てこない。釣りを楽しみながらキスを食することができるキャスターや船釣りのアングラーは幸せな立場といえるだろう。
釣り場での下処理
チヌやグレは釣り場で絞めて持ち帰るアングラーも多いが、キスの場合はクーラーにすぐ投入するだけでいい。白身で臭みの少ない魚なので、これでも十分おいしくいただけるだろう。
持ち帰り方
そして持ち帰る際は、クーラーの中で魚が氷や保冷材に直接接触しないようにしたい。これは多くのキャスターが実践されていると思うが、クーラーの魚の投入口の内側(クーラー内)にビニール袋をセットしておけば、魚が直接氷に触れることがなくなり、釣行後にクーラーを洗うのも簡単ですむ。
自宅での下処理
帰宅したら、できれば鱗と内臓だけはすぐに処理しておきたい。どうしても疲れて動けないときは、追加の氷をクーラーに入れておけば、仮眠をとる時間くらいは十分保冷できる。
キスのソテーのレシピ
キスのソテーのレシピを材料も含めて紹介する。
材料
・キス5匹ほど(一人前)
・残り物の野菜適量(当日はパプリカを使用)
・マジックソルト
・オリーブオイル適量
1、キスをさばく
天ぷらやフライにするときのさばき方でいい。私はハゼと同じように松葉にさばくことが多い。できれば尾びれを残しておいたほうがキスであることがわかるのでいいと思う。
2、キスの味付け
さばいたキスに軽く塩をふる。ハーブ入りのマジックソルトという調味料が市販されている。これだとパセリやバジルなども配合されているので楽である、今回はそれを利用した。
3、野菜の準備
キスだけでソテーしてもいいが、いろどりのために緑黄色野菜があれば一緒にソテーすると見栄えが良くなる。今回はパプリカがあったので、細く刻んで下茹でしたものを用意した。冷凍食品のミックスベジタブルでもOK。冷蔵庫の野菜の残りをうまく活用すればいいと思う。
4、材料を炒める
フライパンにオリーブオイルを少量入れ、まずパプリカを入れて炒める。続いて下味をつけたキスを入れてソテーする。最初皮目の方から焼くと焼き目がつき、フライパンにくっつきにくい。キスは身が薄いので数分で火が通る。反対側を1~2分軽く焼いてできあがり。
5、盛り付け
少し深めの皿に生野菜を適当にあしらい、炒めた野菜を敷き、キスのソテーを並べてできあがり。
オリーブ油の油っぽい感じが苦手な人であれば、こめ油などを使うのもいいと思う。
小型のキスは、煮つけもいい。その時、キスを素焼きにしてからネギと一緒に煮込むとうまいと聞いたことがある。
<牧野博/TSURINEWS・WEBライター>