今春高校を卒業した長女が、高知市で大学生活を送っている。そこで一人暮らしの様子を見に行こうということになり、7月14日の早朝に家族で堺市の自宅を出発した。勿論、私の目的は投げ釣り。嫁と子供たちが高知市内観光や下宿先で遊んでいる間、シーズンを迎えたコロダイ、ヘダイを狙う魂胆だ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)
物部川河口は断念
下宿先に家族を置いて、まず向かったのは、南国市の物部川河口である。ここは広大なサーフで波打ち際から深く切れ込んでおり、夜になると大物が回ってくる一級ポイントだ。しかも高知竜馬空港がすぐ後ろにあるので、航空機が上空スレスレを通って着陸するのを見られる楽しみもあるポイントだ。
しかし車を止めてサーフに出てみると、ド~ンという地響きのような大きな波が打ち寄せている。釣りができるかできないかギリギリのところだが、ここは安全第一ということで、外洋は諦めて高知市の種崎海岸に向かった。
種崎海岸で投げ釣り
種崎は高知港に続く海岸だが、沖に桂浜沖堤防があり、外洋の波をシャットアウトしてくれる。内湾の釣り場だが、浦戸湾との水道部は潮の動きがよく、外洋性の魚の回遊も見られる好ポイントだ。
午後6時、種崎海水浴場の無料駐車場に車を止めて海水浴場横の護岸に出る。旧灯台波止には1人の投げ釣り師がおり、声を掛けると30分前に70cmのマダイが釣れたとのこと。これは期待が持てそうだ。
この日の仕掛けは、硬調子の投げ専用ロッドにミチイトはPE3号、遊動式天秤オモリ30号にハリス12号とする。ハリはカットビッグサーフ17号だ。エサは、まずマムシをハリスまでたくし上げ、その後で半分に切ったユムシをチョン掛けにする。両隣りにタチウオのウキ釣り師が入ったので、サオ数は2本でスタートする。
1匹目は30cmキビレ
潮は浦戸湾から外洋に流れる下げ潮が結構な速度で動いている。アタリがないまま20分が経過したので仕掛けを回収すると、エサはそのままだがマムシは水潮の影響か白くふやけている。
新鮮なエサに交換しての2サイクル目に、近投の投げザオに少しドラグを鳴らすアタリが出た。サオを手に取って少し引いてみると魚が暴れる感触。軽くアワせて巻き寄せると、姿を見せたのはキビレだ。サイズは30cmの小型。残念ながらハリを飲み込んでいたのでキープした。
その後は少し魚の活性が出てきたようでサオ先を震わせるエサ取りのアタリが続き、毎回素バリで返ってくる。午後10時を過ぎてタチウオ釣り師も帰ったので、サオ数を4本に増やして打ち返しも頻繁に行う。雨後でムシムシしたうっとおしい条件だが、汗だくになりながらも打ち返しを続けた。
干潮前後に本命登場
そうしていると、日付がかわる少し前の干潮時に、先のキビレと同じような短くドラグを鳴らすアタリが出た。今度もサオを手に取ってミチイトを送ると、魚が一気に走った。
ここでアワセを大きく入れると、キビレよりも強い引きでサオ先をたたく感触も力強い。サイズは大きくはなさそうだが、これは本命のコロダイだろう。
姿を見せたところでヘッドライトを照らすと、コロダイ特有のオレンジ色に光る目を確認。一発でタモに収めたのは40cmを少し超えた小型のコロダイだ。
コロダイは干潮前後に時合いがくる場合が多いので、さらにサイズアップを狙ったが、丁度このタイミングで雨が落ち始め、雷の音も聞こえ始めたので午前1時に納竿とした。
<長谷川靖之/TSURINEWS・WEBライター>
種崎