関東近県ではおそらくもっとも乗っ込み時期が遅いのが、標高の高い山上湖だろう。なかでも山梨県山中湖村にある山中湖は湖面標高が1000m近い。よって、いわゆる富士四湖のなかでは6月上旬ともっとも遅く乗っ込みが始まる。今回はそんな山中湖を陸釣りで手軽に狙うためのハウツーを紹介しよう。
山中湖の概況
本栖湖を除く、いわゆるヘラ釣りが活発に行われている富士四湖のなかでも、とくに水深が浅いのが山中湖の特徴だ。最深部は13mほど。逆に標高はもっとも高く約980mで、これは日本全体でも3位の湖面高。
このため河口湖や西湖などと比べて乗っ込み時期が遅く、例年6月上旬ごろとされている。
ハタキ場は藻中が多いが、水深が浅く岸際にアシを有する平野ワンドは、時期になると大量のヘラがハタキに入る。タイミングを読むのは難しいが大方は大潮絡みが多いので、潮時表と相談して釣行日を決めたい。
またこれから紹介するポイントであれば一部を除き、乗っ込みに関係なくアタリはもらえる。
そこで今回は手軽に竿を出せて、駐車場の心配もない数カ所のポイントに的を絞ってガイドする。
平野ワンドのポイント
平野ワンドは車はみさきキャンプ場内に駐車でき、管理棟で入釣券も購入できるので便利だ。以下はポイントの詳細を説明しよう。
①ワンド奥のアシ際
魚がハタキに入っていて水が濁っていれば絶好のチャンス。
水深50cmもあれば魚は口を使ってくるのでむやみに長竿など使わず、短竿で障害物回りなどを狙う。
②管理棟~大間々岬の本湖側
ワンド内の水が澄んでいてモジリなどもない場合は本湖側の深場を長竿で狙う。ラジコン愛好者が多いので騒音は我慢するしかない。
③管理棟ワンド側
管理棟の裏側に小さな岬があり、そこを境にして底質が変化する。
出っ張りから奥はヘドロ質の軟底。水草が生い茂るので、草の際や穴を狙う。小さな岬から外側はおもにジャリ底となるが、沖には藻が生えている。
水深が遠浅なのでできれば立ち込んで長竿を出し、藻の際などを狙いたい。釣り台を設置する前に竿だけ出して空バリで振り込んでみて、藻の位置を確認してから本格的に釣りをはじめるといいだろう。
ただし立ち込む際はライフジャケットを必ず着用しよう。
④大間々岬突端のVの字の内側
岬の突端がVの字状(左が長く水位次第では水没している)の地形をしているので、その中を狙う。
岸近くでモジリがあれば思わぬ数釣りができるが、サイズはあまり伸びないことが多い。
⑤きらら前
きらら第二駐車場を利用すると目の前がポイントなので手軽だ。
大きな岩が水際に並んでいるが、そのレークの浜寄り~黒い土管の間が比較的水深が深く実績も高い。
向かい風が吹いて水が濁り始めるとチャンスは増大する。
⑥大堀川河口
川から排出された土砂が堆積し広い岬状の岸辺を形成している。
岸際から急に深くなるのでクリアレイクが苦手とする晴天・無風でもアタリをもらいやすい。ただし水深が深いぶんだけマブナなどの余計な魚も多い。
エサと釣り方
竿長や水深を問わず、釣り方は底釣りのみ。そこから底の状態や流れに応じてハリスオモリやドボンを使い分ける。
エサは両ダンゴまたはグルテンセットだが、グルダンゴの実績も高い。
ガン玉の有効性
流れが出た時はもちろんだがカラツンや糸ズレが多発するようなら、試してみてもらいたい。サイズは市販のBがお勧め。ハリス段差を10cmとするなら取り付け位置は下バリから12~13cm上部の下ハリス。
指先でガン玉を潰したらそれでOK。多少動いてしまっても、振り込み時にズレなければOKだ。逆にしっかりハリスに固定しようとして歯などで強く潰してしまうとハリスが切れやすくなるのでご法度。
釣り方
振り切りで打ち込んで定位置に竿を置いたら、ナジみきるまでそのまま待つ。そして竿尻を前に送って、底のエサ落ち目盛が出ればタナ(ウキ下)はOK。
出なければ出るまでタナを深くしていく。アタリはツンやチクッもあるが、エサ落ち前の食い上げやスーッと持って行ってしまうようなのも食いアタリのことが多い。
<週刊へらニュース 棚網久/TSURINEWS編>
山中湖
入釣料…前売りは¥600(各舟宿やみさきキャンプ場で購入可)、現場¥1200
釣り台必携、長靴・防寒着用意