日本は四方を海に囲まれた島国であり、北と南、東と西では海の中の様子は全く異なる。その恩恵として、日本ではどこに行っても美味しい魚介類を食べることができる。美味しく食べられる季節を【旬】として、日本各地の旬の魚介類とその代表的な食べ方を紹介していく。今回は西日本~沖縄編をお送りする。
アイキャッチ画像出典:PhotoAC
7月の沖縄地方の旬『スク(アイゴ)』
沖縄の魚は色とりどりだし、魚の名前も独特でどの名前がどんな魚なのかわからないことも多い。
そんな中、本土の人間も馴染みのある魚「スク」。
「スク」?と言われてもピンとこないだろうが、これは「アイゴ」のこと。
この時期のスクは体調4cmくらいで、夏にかけて沖縄近海に押し寄せてくる。
この時期になると、スクの大群が到来するのを皆心待ちにしており、到来の知らせが来ると、待ってましたと言わんばかりに皆が漁に出かけるという。
地方での代表的な食べ方
このスクは刺身や、から揚げなどとして楽しまれるが、他にも代表的な料理がある。
それがスクの稚魚を大量の天然塩でじっくりと漬け込んだ【スクの稚魚の塩漬け】。
一般的には【スクガラス】と呼ばれ、沖縄で注文すると、島豆腐の上に一匹丸々の乗ってテーブルにやってくる。
そしてスクガラスを丸ごと噛み砕きながら食べるのだが、強い塩辛さが豆腐の旨味を引き出し、そして豆腐がスクガラスの塩辛さを和らげ、絶妙な食感で泡盛との相性も抜群!
地方に行くと、名前のよくわからない魚の料理がたくさんあると思うが、「スク」という名前があれば恐れず注文してみよう。
この時期にしか食べられない美味な珍味である。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>