毎年6月1日解禁となる伊勢湾の夜マダカ。今年も予定通りに開幕し、釣果が上がっているようだ。そこで6月20日、愛知県・南知多町片名漁港の優誠丸に乗船した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 五井貴矢)
優誠丸にてマダカ(スズキ)狙い
午後6時に出船して、10分も走らずに最初のポイントへ到着。水深は30m弱。この釣りでは15~60号までのオモリを使用するが、当日は50号のオモリでスタートすることになった。
使用する仕掛けは枝間2m、ハリス長さ1.2~1.5m、太さ5~6号の2~3本バリの胴つき。簡単に自作できるが、市販のウタセマダイ仕掛けで前述の仕様を流用してもいい。ただし、底付近でアタることもあるので、捨てイトは50cm程度に詰める必要がある。
投入開始となり、いきなり右舷大ドモの藤原章裕さんのサオが大きく曲がった。だが、しばらくして根に回られてしまい、仕掛けは回収できたものの、上がったのはもう一方のハリに掛かっていたカサゴのみだ。
その後、船中ではカサゴが上がるのみで、本命はこない。前夜は船長と釣り人2人で、70cmクラス3匹を含め計17匹上げたとのことで楽観していたが、予想以上に気難しい状況だ。
セイゴクラスから!
1時間ほどで見切り小移動。止まっていた潮が動きだし、ミチイトが少しなびくようになった時、右舷前部の池田さんが40cmほどのセイゴをキャッチ。
さらに、タナを探るためにサオを出していた香川船長には50cmほどのマダカがきた。
マダカ連続ヒットスタート!
これを機に船中でマダカの連続ヒットが始まる。左舷大ドモの藤原司弥さんのサオが大きく曲がり、上がったのは60cmほどのマダカ。続いて、右舷胴の間でも50cmほどのマダカが上がった。
いずれもタナは底から1mか2mで、船の下を通過する群れのタナによるのか、いずれかのタナで連打で掛かるパターン。
1,キモになるのがタナ合わせ
2,ウタセエビが回転しないようにしっかり口から角の基部へ垂直にハリを通す
3,エビを死なせないようにする。
シンプルな釣りなので、この3つをしっかり守ればマダカに食わせることができるが、どれか1つでもできていないと、残酷なほど全く釣れないという憂き目に遭う。
あとは、小さなアタリを正確にとらえることができるかが大切。高活性な時は向こうアワセで食ってくるが、ちょっと渋いとエビの胴体だけ取られたり、食ってすぐエサを吐き出すなど非常に神経質。ゆえにコンッという小さなアタリを見逃さないよう、常に集中してサオ先を見たい。
マダイに負けない食味
さて、その後の状況だが、待望の時合いが到来したものの、どういうわけかワンチャンスで終わってしまう。普段なら時合いは小1時間、爆釣日なら沖上がりまで釣れ続けるのだが…。
この後、藤原章裕さんにバラシがあり、船長が1匹追加したところで沖上がり時間となった。
伊勢湾の夏の風物詩・マダカ釣り。旬のマダカは非常に美味で、マダイを凌駕するといっても過言ではない。沖のマダカは河口や港湾部のものと異なり洗い、湯霜造り、フライ、焼き物など、どんな料理にも向いた淡泊な白身は絶品だ。
片名出船のマダカ釣りでは、獲物を神経締めしてもらえるので、自宅で料亭の味を楽しめるのも魅力的だ。
<週刊つりニュース中部版 五井貴矢 /TSURINEWS編>