私たちにとってもっとも身近な乗り物である自転車。子どものころは愛車にまたがって街中を走り回った記憶がある人は多いだろう。大人になるにつれて、自動車やバイク替わり「もう自転車にはずいぶん乗っていないな」という声も聞こえる。しかし、昨今の健康ブームのなかで、スポーツ自転車を駆る人も見かけるようになってきた。釣り人の視点で自転車を見てみよう。
アイキャッチ画像:Pixabay
1,ロードバイク
宇宙人みたいなヘルメットにサングラス、ピッチピチのジャージ。こう書くと「逮捕されないのが不思議」という印象を受けるスポーツ自転車乗りを町中で見かけるだろう。そのうち一人は筆者だ。もう10年以上、神奈川中を走り回っている。
ドロップハンドルが特徴のロードバイクは、路面からの抵抗を極力減らすべく、タイヤ幅は20mmちょっとしかない。自動車の3倍近い空気圧でタイヤはカッチカチ。砂や砂利を拾えば、グリップを失い転倒することが珍しくない。
そのスピードを維持するため、車体を軽くすることと摩擦や空気抵抗の軽減に設計の熱意は注がれていて「余計なパーツをつけること=機能美を損なうこと」。荷物を乗せる改造を施すことはあまりしない。乗って走るための自転車であって、移動手段にはならないのがロードバイクだ。スピードはピカイチで、慣れた人なら原付バイクと戦えるレベル。
残念ながら釣りには向いていない。
コスト:★
走行性能:★★★
積載力:★
釣り対応:★
結論:舗装路の帝王だが積載力皆無。
2,マウンテンバイク
25年ほど前に爆発的に流行ったマウンテンバイク。マウンテンで使えないマウンテンバイクという、とんちのような車種が登場した。
現在、ホームセンターに行けばその亜種たちを見つけることができるだろう。それらは性能的にはママチャリ同等であり、むしろ過剰装飾で重くなっているぶん使い勝手は悪い。ファッションのひとつとして町中で使うものであり、本格的なアウトドアには向いていない。
本格的なマウンテンバイクというのは、文字どおりオフロード(未舗装道路)で無類の強さを発揮する自転車だ。強力なサスペンションで多少の岩場はものともしない。しかし、使いこなすにはそれなりの技術が必要になるだろう。オートバイ並の価格が設定されているものもある。
舗装路を走るにはオーバースペック。渓流釣りなど、荒れた道を移動するときには頼りになるだろう。車に積んで行き現場で使うのも面白そうだ。
コスト:★★
走行能力:★★★★
積載力:★★
釣り対応:★★★
結論:源流釣りに使えるかもしれないが不向き
3,クロスバイク
ロードバイクとマウンテンバイクの不倫の末に産まれた子がクロスバイク。ハーフとして両親の特徴を受け継いでいる。
ハンドルはマウンテンバイクと同じフラットバー、タイヤはロード寄りの細さながら、タウンユースに適した30mm前後。モデルによっては前輪(フォーク)にサスペンションを備えている。軽いものでは10kgほどしかなく、走行性能はロードバイクに匹敵する。両親ほど特化していないが、舗装路も未舗装路もある程度は走れてしまうのが魅力。
日本国内状況を考えると、もっとも使える種類かもしれない。比較的、パーツを手に入れることができるので、改造すれば荷物は運びやすい。
コスト:★★★★
走行性能:★★★
積載力:★★★
釣り対応:★★★
結論:ママチャリに匹敵する、オールラウンドにできる子
4,シクロクロス
見た目はロードバイクやクロスバイクに似ているが、タイヤなどをオフロード向きにチューンしてある。未舗装路を速く走ることはできるが、ロードバイク同様、積載力は皆無といっていい。釣り具をリュックサックひとつにまとめられるなら頼れる味方になるだろう
コスト:★★
走行性能:★★★★
積載力:★★
釣り対応:★★★
結論:荷物少ない釣行なら、使えるチャリ!
5,ランドナー
見た目はロードバイクに似ているが、宿泊ツーリングのために設計されている。バッグを取り付けられるキャリアや泥除けなどを装備しており、釣りやキャンプにも使える。価格は決して安くないのが弱点。
コスト:★★
走行性能:★★★★
積載力:★★★★★
釣り対応:★★★★★
結論:積載力大のツーリングタイプ!高いのが難点