新緑が芽吹く初夏のエギングは一年の中でもっとも大型が狙いやすい季節だ。産卵を控えたアオリイカが接岸し、あちこちから2kgを超える大物の釣果がきこえる。エギングを始めたばかりの人には1kgの壁は厚くなかなか越えられない。しかしながら釣れる潮や時間を読むことで上級者と同じような釣果を上げることも可能だ。タックルやシャクリ方などの技術と同じく、イカの習慣や行動などの知識を身に着けることでエギングのステップアップができる。今回は春~初夏にかけてのエギングを紹介したい。
アオリイカの生態
アオリイカは初夏に生まれ秋に成長する一年魚。翌年の春に親となって産卵のために戻ってくる。深場で越冬を終えたアオリイカは水温が15度を越えた4月ごろから活動しはじめ18度になると産卵を始める。水温が20度を越える5~6月は1~2kgが多く大型が釣りやすい季節だ。
大潮に産卵するアオリイカは海藻に卵を産むため浅場に接岸する。産卵態勢に入ると真っ白くなりエギには反応しなくなる。そのため、大潮前の中潮や小潮に釣行するのが釣れる確率が高くなるのだ。
アオリイカは群れで行動しているため、やみくもにランガンしても釣れない。水温変化とともに移動しているため釣果が上がっている場所に行くのが最もよい。そして夕マヅメや朝マヅメなど薄暗い時間帯を狙う。
釣れる潮と時間を予想して誰よりも早くポイントに入るのが釣果への近道だ。
タックル
ロッド
この時期の大物狙いに使用するロッドは遠投しやすい8~8.6フィートの長さで3.5~4号エギを投げやすいM~MLの調子が好ましい。
大型アオリイカはエギを横抱きすることが多いのでハリをしっかりフッキングするための強いバットと、アタリを弾かない軟らかいティップのロッドが扱いやすい。
リール
リール(スピニング)は2500~3000番クラスでドラグ機能がしっかりしているもの。
大きくシャクリを入れたときに少しだけドラグが出るように調整すると大物が掛かったときのハリ掛かりがいいし、足1本のフッキングでも身切れを防いでくれる。
ライン
ラインはPEラインの0.6~1号にショックリーダーの2~3号を使用する。結節は慣れるまで少し難しいが結びコブができないFGノットがお勧めだ。
根がない場所だとPE0.6号にリーダー2号、根がある場所だとPE0.8号にリーダー2.5号。他の釣りも兼用する人はPE1号にリーダー3号の組み合わせがお勧めだ。PEラインが細過ぎるとエギのロストが多くなるので、釣り場に合ったラインを選ぼう。PEラインは蛍光色で数メートルごとにマーカーが付いているものが望ましい。ラインの変化でアタリを取っていくエギングには必要不可欠だ。
リーダー
リーダーは根ズレに強いフロロカーボン。根がない場所では1ヒロ、根がある場所では2ヒロ取っておくとシャクリ切れを防いでくれる。
また、フロロカーボンの先にエギを交換しやすい小型のスナップを付けると便利だ。エギの沈下速度に影響がでないようにMサイズのスナップを取り付けるのがよい。
エギ
エギは3.5号中心にいろいろなカラーを用意しておくのがよい。エギは背中色と下地テープ色の組み合わせでカラーを作っている。背中色はイカを寄せるため、そして下地テープはイカを抱かせるための役割がある。
下地テープは赤、金、虹、ホロ、ケイムラ、夜光などさまざまな色があるので背中色ではなくて下地テープの違いでエギを揃えるのがよい。
まず3本購入するなら赤、金、ケイムラの3つがお勧めである。