桜前線の通過とともに花見カレイがピークを過ぎ、八十八夜を迎えるころになると、そろそろ気になってくるのがキス(シロギス)だ。キスはカレイと並んで投げ釣りの人気ターゲットで、冬場はカレイを、夏場はキスを狙って投げ釣りを楽しんでいるキャスターも多い。
「浜の女王」の魅力
キスの魅力は、なんといってもその魚体のわりにブルブルブルッ!と小気味よく強いシャープなアタリだと思う。また,砂浜に釣り上げられた姿はパールピンクに美しく輝き、「浜の女王」と呼ばれるにふさわしい。
食味の方もくせのない淡白な白身で、刺し身や天ぷらにして食べると非常に美味しいことも好まれる理由のひとつといえるだろう。
キスの2種類の釣り方
キスの釣り方は大きく2つに分けると、手持ちのサオ1本で狙う「引き釣りスタイル」と、カレイ釣りのように数本のサオを並べて狙う「置き竿スタイル」がある。
引き釣りは主に中小型を中心に、その機動性を生かして群れで回遊するキスを探しながら積極的に釣るやり方で、各メーカー主催で行われるキストーナメントなどもそうだ。
置きザオの方は逆に回遊してくる群れを待つのだが、こちらはどちらかというと大物狙いとなり、夜釣りで好釣果を生み出すことが多い。
引き釣りのタックル
今回は主に引き釣りスタイルについて、どのような仕掛けを選んだらいいのか解説してみたい。
まずタックルについてだが、引き釣りはサオ1本の手持ちなのでなるべく軽いほうがいい。
エギングロッドなどを流用したチョイ投げでももちろん釣れるが、広範囲を探るために100m以上投げるとなると、投げザオ3.6〜4.05mで、リールもなるべく軽い専用機種を選ぶのがいい。
ミチイトはPE1〜1.5号+テーパーラインくらいがライントラブルも少ないので無難だ。それに固定式天秤(サオの負荷相当の号数)をつなぎ、市販の仕掛けをセットすれば準備完了。