今回、季節ごとの渓流での釣り方をまとめてみた。3月の渓流解禁から春・夏・秋。それぞれの食わせ方から狙い方まで詳しく見ていこう。
6~7月中旬
梅雨に入ると川も増水して、多くのエサが流下してくる。スレッカラシも横断無尽に行動し高活性。降雨による濁りは約50cm先まで見えるやや濁りの入った”笹濁り”が良い。ただ、平水と比べて50cm以上も増水しては、危険で釣りにならない。
水はけの良い川とそうでない川があるのも事実。地形的に高地で周囲の等高線の間隔が広くて傾斜の緩い河川が目安(国土地理院2万5000分の1を参照)。また、インターネットも積極的に利用したい。国交省の「川の防災情報」というサイトは釣行するエリアの天気や雨量そして水位までチェックできるので重宝している。
エサは匂いの強いキジをメーンにブドウ虫も忍ばせる。ハリは7~8号の大バリを使う。濁りや増水中は岸辺近くのタルミも意外と穴場ポイント。また、ダム湖や本流で育った尺を超える大型魚は、遡上時期にあたり、増水を利用して上流へ遡上してくる。
堰堤や大淵など障害物が狙いめで大物釣りの再来だ。特に上椎葉ダム上流の耳川本流は面白い。椎葉では大きなヒラコに食いが立つ。
7月下旬~8月
水温20度を超えやすい夏季の九州河川は冷水を好むサケ属のヤマメとアマゴとって、非常に厳しい環境下にある。釣果も「1里1尾」と言われる所以(ゆえん)でもある。少しでも水温の低い早朝・深い淵底・湧水・発電所の放水口・溶存酸素の多い白泡で丸々に太った個体に出会える。しかしながら、クモの巣などで釣りづらい。
本流域では水温上昇に伴い、外道のカワムツやイダの猛攻に遭い、早朝以外はアユ釣りに占有されてほとんど釣りにならない。椎葉村の上椎葉村ダム上流の耳川本流などに限定されてくる。厳しい時は活性高いアユ釣りを楽しんでもいい。
純粋に渓魚に出会いたければ水温の低い一般渓流~源流域のメーンフィールドになってくる。エサは渇水期だとブドウ虫、雨後の濁りにはミミズを使う。
9月
9月になればヤマメも水温の低い上流域から晩秋の産卵を控えた行動に移り荒食いを始め、遡上する。特に最上流の源流ほど良型ヤマメが多くなる。
さらに、本流から枝分かれた名もない支流や枝沢にもヤマメが遡上する。瀬尻や淵のカケアガリなどやや流れの緩いエリアに定位しやすい。
やや重めのオモリで、ドラグドリフトをかけながらエサ先行で流すと効果的。エサはミミズやブドウ虫、そしてイクラが産卵期に重なり食いも立つ。
朝晩はすっかり冷え込み、魚体も赤く婚姻色が出たり、黒くサビが入ったりして終盤であることを知らせてくれる。10月から全面禁漁となる。
<週刊つりニュース西部版 APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>
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