今年の夏も暑くなりそうだ。強烈な日差しを避けて夜釣りに興じるのもいいが、涼しく川に立ち込んでのんびり釣るのもオツなものだ。今回紹介するのは小アユ釣り。速い流れに立ち込むアユのトモ釣りとは違い、釣りが初めての女性や子供でも気軽に楽しめるレジャーだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
サビキ仕掛けで狙う
アユといえばトモ釣りだが、小アユは長ザオもオトリも必要ないお手軽なサビキ釣りが主流だ。渓流ザオやヘラザオなどのノベザオに、大きめの玉ウキ、専用のサビキ仕掛けをセットしたものを使う。
涼しく釣りができる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)釣り座の上流へ仕掛けを入れて下流方向に流していく釣り方で、同じサビキ釣りでもアジやサバの釣り方とは全く違う釣り方だ。
ポイント
釣り場は滋賀県・琵琶湖に注ぎ込む各河川になる。中部圏から近いのは滋賀県彦根市、米原市、長浜市を流れる河川。いずれも1時間~1時間半ぐらいで行ける釣り場で、意外に近い……と思う人もいるかと思う。
有名なのは彦根市を流れる芹川、犬上川、米原市の天野川、長浜市の塩津大川、知内川など。いずれも小アユ釣りのメッカとして知られており、すでに今シーズンも多くの人でにぎわっている。
ポイントは浅場がメイン(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)また小アユは上記お河川にしか遡上しないわけではない。地元の人に聞いた話では、田んぼの用水路のような細い川にも大挙して遡上することもあるのだとか。じっくり探せば人が少なくてもアユはどっさり……なんて穴場河川を発見できるかもしれない。
シーズン
本来アユは春に海から遡上してきて、川でコケを食(は)んで大きくなるのが一般的だが、琵琶湖でもそれは同じ。毎年3月ごろになると、遡上に備えて琵琶湖沿岸に接岸する。
これを狙って釣られているのが、湖西と呼ばれる琵琶湖大橋から安曇川ぐらいにかけてのエリア。川ではなく、砂浜からの釣りでそのため10m近い長ザオが必要になる。
もう少し季節が進めば彦根港や長浜港でも小アユが釣れだすのだが、これも川で流す釣りではなく縦のサビキ釣り。アジやサバを釣るサビキと同じ感覚だ。今回は川での釣りに焦点を当てるので、湖西の浜や港の釣りは割愛させていただく。
初期は比較的型が良い(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)GWが過ぎると、本格的な遡上が始まる。真っ先に釣果が聞かれるのは、なぜか彦根市の芹川だ。どういう理由か分からないが、早ければ4月後半にも限られたポイントで3ケタ釣果も聞かれるようになる。
5月後半になれば各河川でも遡上が本格化し、どこでも釣れるようになる。ただしいつ行っても釣れるというわけではない。本来であれば梅雨の雨で川が増水し、水が出たタイミングで一気に遡上するのだが、近年は降るときはまとまって、降らないときは全く降らない……という感じの梅雨になっている。
よってアユが遡上するタイミングが極めて短くなっている気がする。今年でいえば台風6号の影響で滋賀県全域にまとまった雨が降り、川も増水。これで一気に河川にアユが入り込んで、しばらく1人200~300匹という釣果が続いた。
雨後は爆釣も(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)しかし、その後全く雨が降らず、川の水位はみるみる低下。渇水になればアユは大量に残っているが、警戒心が一気に高まって魚はいるのに釣れないという状況になってしまった。
そう、釣行する最高のタイミングはずばりまとまった雨の後。増水して水は引いている途中、いわゆる引き水時に当たれば爆釣間違いなしだろう。
そしてこのパターンはお盆すぎまで続き、8月いっぱいで小アユ釣りは終了となる。9月からは資源保護のため、禁漁期間に入るのだ。
タックル&仕掛け
小アユ釣りで使うのは、女性や子供でも扱いやすいノベザオ。お勧めはヘラザオの中硬~硬調、長さは4.5m(15尺)あれば良い。もちろん他に渓流ザオや安価なノベザオでもいい。
小アユ釣りのタックル(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)ミチイトはイトさばきを重視して、少し太めのものがお勧め。1.5号ぐらいをサオ尻より仕掛け分短めにセットする。そしてミチイトにウキゴムを通し、大きめの玉ウキをセット。その先に仕掛けを結べばOKだ。
仕掛けは市販の小アユ用でOK。フラッシャーやパールビーズ仕様のものがあるが、個人的にはパールビーズが圧倒的に強い気がする。
ハリの号数は、初期が2.5~3号、梅雨が明ければ2号。シーズン初期は遡上してくるアユが大きいため、少し大きめのハリを使うとバラシが少なくなる。
仕掛けの下には、まきエサを握り付けるラセンをセット。その下にオモリを付けるのだが、根掛かりが多いポイントであれば、スーパーボールタイプのオモリがお勧めだ。コロコロ川底を転がるため、根掛かりしにくい。
エサ
エサだが、これは意外に釣り人のこだわりが出るようだ。最もポピュラーなのは、スーパーで釜ゆでシラスを買ってきて塩を練り込みながらこねていくもの。アユは石に付いたアカ(コケ)を食べるが、小さい時期は動物性たんぱく質も積極的に捕食する。そのためシラスは小アユの大好物だと言われている。
8月いっぱいまで楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)人によってはそのシラスに小麦粉を混ぜて粘りを出したり、パン粉でかさ増ししたりするようだ。最もお手軽なのは、市販のまきエサを使うこと。マルキユーの速戦小鮎まきえ、特選小鮎まきえは開封してそのまま使える優れモノ。常温保存できるので、予備エサとしても最適だ。
釣り方
仕掛けをセットしたら、仕掛け下部のラセンにまきエサをしっかり握り付ける。あまり大きくすると振り込み時に落ちるのでラセンが隠れるぐらいを目安にする。
多点掛けも(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)まきエサを付けたら、釣り座よりも上流へ振り込む。一般的なウキ釣りと違い、ウキ下は水深よりも長く取る。つまり仕掛けがナジむと、ウキが先行して下流へ流れていき、仕掛けが引っ張られてオモリが底を引きずる形になる。この引っ張られているときに、ラセンのまきエサが水の中で少しずつほぐれて、仕掛けと同調してくれる。
下流いっぱいまで流したら仕掛けを回収。まきエサをチェックして、再度上流に振り込む。アタリが出るまでこれの繰り返しだ。どこにでも小アユがいる状態であれば、1投目からガンガン釣れてくるが、そうでなければ小アユが寄ってくるまで時間がかかる。だが定期的に打ち返して、小アユがエサに着けばこちらのもの。入れ食いモードに突入してくれる。
県外から通うファンもいる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ウキを付けているからアタリはウキが沈むもの……と思う人もいるかもしれないが、常にオモリが底を着いて(引きずって)いる状態のため、下へ消し込むということはあまりない。
ウキは横走りしたりその場で激しく躍ったり、流れに逆らって上流に走ったりなど。いずれも注意してみていれば分かるのだが、もっと分かりやすいのはウキの下の仕掛けを見る。小アユが掛かれば、ギラリとヒラを打つのでこれを見てアワせてもいい。アワセといっても、サオを立てる程度で十分だ。
子供でも楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)釣ったアユはフラシやイケスに入れておく。百均のランドリーボックスに石を入れて固定するスタイルが人気だが、このランドリーボックス、最近は百均から姿を消したらしい。見つけたら即買いをお勧めしたい。
また使う前に穴などが空いていないか、十分にチェックしておこう。穴が空いていれば、いっぱい釣ったのに終わってみれば10匹しか残っていない……なんてこともある。
夏の味覚を満喫しよう
釣った小アユは、やっぱり揚げ物がお勧め。天ぷら、唐揚げが人気だが、南蛮漬けもお勧めだ。大きめのものであれば、普通のアユと同じく塩焼きもOK。
小さくてもアユ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)小さくてもアユ、スイカを彷彿とさせる香りは健在だ。琵琶湖に夏の訪れを告げる小アユたち、近江の夏の味覚を満喫していただきたい。
<週刊つりニュース中部版・編集部/TSURINEWS編>

