今年も国内最大級のボートシーバストーナメントである「伊勢湾シーバスチャレンジ2026(ISC)」が幕を開けた。その開幕戦となるイシグロCUPが4月26日に開催され、各地から腕自慢のアングラーが33艇の参加艇に乗り込み、伊勢湾マリーナへ集結した。早朝のマリーナには独特の緊張感と高揚感が漂い、シーズンの始まりを告げるにふさわしい一日となった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)
目次
シーバスチャレンジ開幕
今回はISC第一戦に参加した様子と、伊勢湾のボートシーバスゲームについて解説していく。
大会当日の伊勢湾は、朝からやや風と波がある状況。釣りをするには十分なコンディションだが、昼前から徐々に風が強くなる予報だった。春本番を迎えて水温も徐々に上昇し、シーバスの活性も上がってくる季節。良型が上がっている情報もあり、ハイレベルな戦いになりそうだ。
開会式の様子(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)私は同大会には初参戦。当日は釣友の佐々木さんと2人で、BlueHaze(ブルーヘイズ)から参戦した。BlueHazeは新舞子ボートパークから出船している遊漁船で、箕浦(みのうら)船長は伊勢湾奥、名古屋港の釣りを熟知している頼れる船長だ。同大会においても過去に2位入賞した実績を持つ実力船であり、当日は悲願の優勝を目指しての参戦となった。
抽選順に出船(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)同大会の競技ルールは、船中のシーバス3匹の合計長寸で順位を競うトーナメント方式。限られた時間の中でいかに効率よく魚をそろえ、サイズアップを図るかが問われる。単発の大型狙いだけでは勝ちきれず、確実にリミットメイクした上で入れ替えを重ねる戦略性が求められ、ポイント選択や状況判断、アングラーの力量が勝敗を分ける、まさに総合力勝負の舞台なのだ。
開会式を済ませて、各船は一斉にスタートポイントへ向かう。抽選によって決められたスタート順に従い、各々目当てのポイントへと散っていった。
障害物かオープンエリアか
伊勢湾奥のボートシーバスでは、岸際の人工の障害物(バースや橋脚周り、壁の穴など)にルアーをキャスティングして狙う方法と、沖に点在する障害物(オイル施設や杭周り)やオープンエリア(地形に変化があるポイント)を広く探っていくスタイルに大別される。
人口構築物周りを攻める(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)どちらのポイントをメインで狙うかによって使用するタックルも若干異なってくる。
ロッドについては、ボートシーバス専用ロッドが最適だが、バスロッドなどでも十分に対応可能だ。障害物狙いでは、ピンポイントへ正確にルアーをキャストして狙うため、6~6.5ft前後のベイトタックルを使用すると手返しが良い。
BlueHazeに乗船(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)オープンエリアでは7ft前後のスピニングロッドに、3000番のスピニングリールを使用すると飛距離が出しやすくお勧めだ。メインラインはPEライン1~1.5号、リーダーは4号前後だ。
ウェイト重めのルアーを使用
ナイトシーバスでは比較的水面付近を意識していることが多く、光と影の境目を中心に比較的浅いレンジをミノーなどで狙うことが多いが、デイシーバスではシーバスは障害物周りに潜んでおり、エサとなる小魚を待ち伏せして捕食していることから、鉄板系バイブレーションや重めのジグヘッドやメタルジグなどで障害物をタイトに狙う必要がある。
船長の的確なポイント選択(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)伊勢湾奥は湾奥で潮が流れないイメージを持っている人もいると思うが、揖斐川、長良川、木曽川の3大河川からの流入と潮の満ち引きの影響で、意外に潮が速く流れていることが多い。こうなるとウェイトが軽いルアーでは、ボトムに着くまでに投入地点から大きく流されてしまうため、ピンポイントで狙いのポイントを通すのが難しい。
キャストを繰り返す(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)通常は25g前後の鉄板系バイブレーションを使用することが多いが、当日はボトムを速く確実に取るため、ヘビーウェイト(55g)で狙ったポイントへアプローチが容易なアクアウェーブのみちのくメタルをメインで使用した。
嬉しいゲストも今回はスルー
当日は新舞子沖のバース周りを鉄板系のバイブレーションで狙う作戦だ。プラクティスで反応が良かったポイントに到着し、釣りを開始するが、なかなか反応がない。
キジハタヒット(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)伊勢湾のシーバスは、潮や捕食しているベイトによって着き場がころころと変わる。前日まで爆釣していたポイントが翌日はさっぱりということもよくある。しかし、そこはポイントを熟知した箕浦船長、最初のポイントが不発と見ると、別の実績ポイントへと次々と案内してくれる。このフットワークの軽さと引き出しの多さもBlueHazeの良いところだ。
本来なら嬉しいゲスト(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)しばらくすると私のロッドに強烈なバイト。幸先よくシーバスゲットかと思いきや、上がってきたのは良型のキジハタ。いつもなら大喜びのゲストだが、今回は外道。素早くハリを外して釣りを再開した。
グッドサイズ登場
するとここで佐々木さんに強烈なバイト。ヒットした瞬間に一気に魚が走りだす。しばらくのやり取りの後、痛恨のラインブレイクとなってしまった。貴重なチャンスを逃す形となったが、そこは百戦錬磨のトーナメンターの佐々木さん。すぐに気持ちを切り替えてキャストを続行する姿勢はさすがだ。
みちのくメタルでヒット(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)すると間もなく佐々木さんに再び良型のシーバスがヒット。今度は確実にランディングに成功し、68.4cmのグッドサイズをキャッチ。さらに間を置かずにもう1匹シーバスをキャッチした。
まずまずのサイズ(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)ここで私にも強烈なアタリが来た。狙い通りバースの際を通したみちのくメタルに、まずまずサイズのシーバスがヒットした。箕浦船長のポイント選択がピタリとはまり、あっという間にリミットの3匹を確保できた。
71.2cm良型浮上
この調子でどんどん入れ替えをしていきたいところだったが、ここからアタリがなくなる。現状のサイズでは、想定していた優勝ラインには届かない。
反応がないのか他船も次々移動していき、気がつけば周囲に他船がほとんどいなくなった。ここは移動するか、このまま粘るか。極めて重要な判断となる。箕浦船長の決断はステイ。「必ず良型が口を使うタイミングがくる」と読み、同ポイントでの継続を選択した。船長の読みを信じて集中力を維持しながらキャストを繰り返す。
するとついにその時が訪れた。沈黙を破り、佐々木さんに良型がヒット。ロッドが大きく曲がり、ドラグがうなる。かなりサイズが良さそうだ。
ランカー級浮上(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)箕浦船長が早々にタモを構えてスタンバイ。姿が見えてきた。「シーバスだ!しかもデカい!」。水面で大暴れした後、無事にネットに収まった1匹は71.2cmの良型だった。
BlueHazeが見事優勝
箕浦船長の読み通りに上がったこの1匹で入賞が現実味を帯びてきた。まだ時間は残されていたものの、キープした魚の状態があまり良くなかったことから、このタイミングで伊勢湾マリーナへ戻ることとなった。
表彰式の様子(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)そのため検量は早めのタイミングとなり、他船の検量を見守る形となった。検量には次々と良型が持ち込まれる。予想通りかなりの接戦になりそうだ。
ヒラメの稚魚の放流も(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)そして表彰式。結果は5位から発表される。5位は192.4cm。4位以上が確定したものの、自船との差は6.5cmしかない。優勝は厳しいかと思われたが、2位までにBlueHazeの名前が呼ばれることはなく、結果は見事優勝!2位とは2.7cm差という超ハイレベルな戦いとなったが、なんとか逃げ切ることができた。
伊勢湾ルアーはおまかせ
伊勢湾のボートシーバスは、今回のように同じポイントでも釣れる時間帯やアプローチの方法で釣果が大きく変わる。名古屋港~伊勢湾奥には多くのガイドボートがあるが、BlueHazeの箕浦船長はこのエリアの釣りを熟知しており、シーバスはもちろん、マゴチ、サワラ、青物をはじめ、タコやキスなどアングラーの要望に応じて出船してくれる。
箕浦船長の優勝(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)特に実績のあるマゴチ狙いでは関東から乗船する常連もいるという。ベテランはもちろん、初心者やこれから挑戦したい人にも丁寧に釣りを教えてくれる頼れる存在だ。
新舞子は名古屋市内からのアクセスも良く、24時間出船可能な点も魅力だ。皆さんも同船で楽しい一日を、そして釣りのレベルアップを図ってみてはいかがだろうか。
<週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸/TSURINEWS編>


