養殖ブリに餌としてチョコを混ぜて育てるチョコブリというブリをご存知だろうか?愛媛県が開発し、味は変わらず、色合いに違いがあるらしい。今回はこのチョコぶりについて簡単にまとめてみた。
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『チョコブリ』?!
チョコブリとは、県農林水産研究所水産研究センター(愛媛県宇和島市)と水産商社の宇和島プロジェクト(同)が共同開発した養殖ブリのこと。
「みかん」の成分をエサに混ぜた「みかんブリ」を養殖している愛媛県が、新たに「チョコレート」をエサに混ぜて養殖した「チョコブリ」を誕生させた。
チョコをブリに食べさせる理由は、新鮮な色合いを保つためだとか。
酸化を抑制する効果
通常のブリは活け絞めにしてから2日ほどで、血合いや肉が酸化によって褐色に変色してしまう。
一方、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むチョコを与えたブリは、5日経過しても新鮮な赤色(生食の基準である血合い筋の色彩値0.8以下)を保つという。
チョコレートに含まれる「カカオポリフェノール」が、筋肉中の色素(ミオグロビン)の酸化反応を抑制。
『みかんブリ』との違い
2012年に愛媛県の企業が商標登録した「みかんブリ」も同じ効果を持っているが、「みかんブリ」が、血合筋の色彩値の生食の基準である0.8以下を保っていたのは、活け締めしてから4日目までなのに対し、チョコブリはすべての日付でみかんブリより優れた数値を出していて、5日目まで保てていた。
県の担当者によると「ミカンの皮は苦いのでブリが食べたがらなかったが、チョコは嫌がらず食べる」と話したという。
『チョコブリ』の展望
「チョコブリ」の店頭での販売が四国各地のスーパーなどで2019年2月9日から本格的に開始している。
色が悪くなりにくいことから、今後は国内だけでなく日本食の人気が高まっている北米など海外での販路拡大を目指しているようだ。
ぜひ優れた日本の養殖技術を世界の日本食ファンに披露していただきたい。
<サカナ研究所/TSURINEWS編>