奈良・十津川の最上流にあたる天の川。豊富な成魚放流量で知られる天川村漁協が管轄する、天の川の渓流釣り場をご紹介する。
天の川の概要
今年の解禁は3月10日だった。天川村漁協では稚魚放流や、発眼卵埋没などにも積極的に取り組んでいる。そして大量の成魚放流で有名だ。
上流の洞川(ここが本流)温泉上下流から(支流の川迫ダムとの合流点上流の御手洗峡も入れて)、ずっと下流の集落の中も含めて、最下流はみずはの湯下流の広瀬まで、相当な広範囲に養殖アマゴが放流される。
下流は川幅も広くなり、多様な川相があるが、その中から自分の体力(脚力)に合った釣り場を選べるのがうれしい。
ただ、以前は水を止めていなかった九尾(つづらお)ダムが、今年は水を止めているから、その下流は減水区となる。ただ、アマゴの放流はこれまで通りらしい(放流場所には番号札を立ててある)。
川迫ダム上流域ではイワナ
支流の川迫ダムから上流は稚魚放流と発眼卵埋没だけで、成魚放流は行わないからネイティブな魚体に出会える。
この辺りと洞川ではかなりの確率でイワナも釣れる。
この水域にはイワナの在来種・キリクチも生息しているらしいが、釣れるイワナは日光イワナ系のようで、以前に放流されたものが繁殖したのだろうか?
ヒレピンが魅力
私も天の川の景観と魚影の濃さにひかれて足繁く通っているが、養殖成魚のたまる淵を避けて瀬を中心に、カワムシのエサで釣るとほとんどがヒレピンの、きれいな魚体のアマゴやイワナが釣れるのがうれしい。
川迫川は、花崗岩の大岩が織りなすダイナミックな明るい渓相で、大淵の連続する場所もあり、場所によっては長いサオがほしい。
アマゴのシーズン
ここは近畿の尾根といわれる大峯山に近く、水温の低い流域だから、アマゴの成育も遅く、4月中旬からの釣り場。
4月を過ぎて山にミツバツツジやコブシの花が咲き始めても、時には体力の回復しきれていない細くて黒い「痩せアマゴ」が釣れることもあるし、稚魚の成育も遅れ気味だから、もしこれらがハリに掛かっても優しくリリースしてやってほしい。
九尾ダム下流も5月ごろになるとヒレピンの幅広アマゴが釣れる時期になる。
イクラエサではウグイがうるさいから、カワムシかミミズが有効だ。
<週刊つりニュース中部版 大西満/TSURINEWS編>
天川村漁協