12月、今年もいよいよ年末となったが、シーバスフィッシングにおいては残念ながら釣果が減ってくる時期でもある。しかし、年が明ければ河川では「バチ抜け」と呼ばれるイソメ類の産卵行動が始まり、釣果が戻ってくる。では、このバチ抜けはどんな場所で抜けるのか、釣り方ではなくこの「場所」についてあらためて紹介するので参考にしてほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)
バチ抜けとは?
まずは、知ってる人も知らない人もこのバチ抜けとは何かをおさらいしてみよう。簡単に書くと、イソメ類(ゴカイやアオイソメ)の産卵行動となる。大潮など潮が大きく動くときに、地中や壁からはい出して水面をウヨウヨと漂いだす。
これが、真冬のシーバスやその他の魚の貴重なエサとなるのだ。早い所だと年末から見られるが、主に2月~3月がメインとなって河川で目視できるようになる。
漂うバチ(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)バチ抜けが起こる場所
では、バチ抜けがわかった所で、さっそくどんな場所で抜けるのかを紹介しよう。バチ抜けを見つけるコツは、釣り場に通って生息している生き物や地形、砂質、何が釣れるのかを「観察」することにある。
しかし、何かと忙しい現代の釣り人に、イソメの産卵場所を探すために川へ行きましょう、というのは無理がある。そこで、筆者がこのバチ抜けの起こりやすい場所(川)をまとめてみた。
砂泥底で、岩や捨て石などが混じる場所
周りに土手や木々があるような自然豊かな場所なら間違いない。水面を漂う木の葉や枝は、やがて水中に沈み底に溜まる。これがイソメ類や貝、カニなどを育てる川底の土壌となるのだ。
こんな砂質こそベスト(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)また、捨て石や岩などが適度にある場所も、イソメ類が生息するのに適していてバチ抜けも多い。
この河川もバチ抜けが起こる(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)都市部の小河川
周りをコンクリートで固められた住宅街を流れる小河川でもバチ抜けの可能性はある。ただし、川底に変化があることが条件だ。無機質でただ深い場所よりも、潮が引くと干潟が露出するような所がある変化に富んだ河川がベストだ。こんな場所は少ないが、意外にも上流まで歩いてみると見つかったりもする。
こんな水路でも起こる(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)潮が引くと釣りにならないような浅い河川
こういった場所はバチ抜けに1番適している。これは、今まで上げてきた条件と重なるが、浅い河川だと川底は砂泥底が多く、潮が引くとどんな感じなのか目で見える。
そして、その多くが変化に富んだ地形をしていて、普通にシーバスの好ポイントでもある。イソメの他にも生物が多く、いかにもバチ抜けが起こりそうな条件が整っている。
こんな河川がおすすめ(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)どんなルアーを持って行くか
バチ抜けの起こりやすい場所がわかった所で、実際に釣りに行くとしたらどんなルアーがおすすめかを少し触れておこう。この釣りは非常に繊細で奥が深い釣りだ。なので、この釣りを初めてする人にもわかるように簡潔にまとめてみた。
基本は「細身のフローティングミノー」と「細身のシンキングペンシル」この2つを持っていることにある。どちらもイソメに似せた「細身」というのがポイントで、釣り具店で専用ルアーとして売っている。
後は、浮くタイプ(フローティング)と沈むタイプ(シンキング)を場所によって使い分けるだけで、とりあえずバチ抜けの釣りはできる。どちらもゆっくり巻いて川の流れに任せるのが釣果のコツだ。
スリム系がメイン(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)最近の傾向
最後は近年の傾向だが、例年なら水温が下がって魚が減る12月を過ぎても川の中ではイナッコやコノシロが超元気だ。確かに低水温期にもいるにはいるが、橋の上からでも群れを確認できるほどぎっしりいるから驚きだ。
冬でも元気なコノシロ(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)しかも丸々太って、動きも早い。シーバスも水温が下がると素早いベイト(エサ)は追えなくなるので、あまり歓迎できる状況ではなくなる。この影響もあってか、近年はあまり大規模なバチ抜けが起こらない河川も多い。
近年はあまり見られない?(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)ちなみに今年だが、筆者の釣りに行く河川では早くもクルクルバチが現れ始めて釣果も上がっているので、今季は期待が持てるかもしれない。さぁ、冬のシーバスフィッシングを熱くするバチ抜けに向けて、今から準備だけはしておこう。
釣れる時は連発する(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>



