紀州釣りとは、はるか昔に和歌山県・紀州地方で発祥した釣りで、主にクロダイをターゲットとして狙う釣りだ。メインシーズンは地域にもよるが、6月から翌年1月になる。現在ではウキダンゴ釣りと名を変えて発展しており、今回はそのウキダンゴ釣りの基本的なノウハウを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 佐々木博司)
ステップ2:仕掛けの作り方
この釣りは約5mの磯ザオにスピニングリールを付け、遊動のウキ仕掛けで行うのが基本。リールは2500番ぐらいのレバーブレーキが付いているモデルが使いやすくてオススメだ。ミチイトはナイロンライン2~2.5号、視認性の良いものが良い。意外とミチイトが細いと驚く人がいるかもしれないが、サオが5mあるため、サオの弾力でイト切れのリスクはかなり軽減される。
夏はこのサイズもくる(提供:週刊つりニュース中部版 佐々木博司)また、サオ先からウキまでの海面に浮いたミチイトが、風や流れの影響を受けにくいことも、この号数の背景にある。
ウキ止めとスナップスイベルの取り付け
仕掛けの具体的な作り方は、最初にミチイトにウキ止めイトを結ぶ。このとき、ウキ止めイトがズレてしまった場合に分かりやすくするため、10cmほど隣にももう1個結ぶ。2個付けておくことをオススメする。
次に遊動ウキ釣り専用のスナップスイベルを通す。そのスナップスイベルが抜けないように、からまん棒をミチイトに通してウキ止めゴムで固定する。からまん棒とウキ止めゴムはセットで販売されているため、ウキ止めゴムを別途購入する必要はない。
サオが弧を描く(提供:週刊つりニュース中部版 佐々木博司)ハリスとハリの選び方
固定したからまん棒の30cmほど下にサルカンを結ぶ。サルカンのサイズは、最も小さいものを選択すると良いだろう。次にサルカンにハリスを結ぶが、推奨はフロロカーボンライン1.5号を2mほど。その先にチヌバリ1~3号を結ぶ。
ハリのサイズは、使うさしエサのサイズにもよるが、最初は小さい1号から試すと、エサ取りの小魚が釣れてくるのでダンゴの周りにどんな魚が集まっているのか把握しやすい。
ウキの種類と特徴
ここまで出来たら、次は遊動ウキ釣り専用のスナップスイベルにウキを取り付ける。ウキダンゴ釣りにおいては、さまざまな種類のウキがラインナップされている。玉ウキ、棒ウキ、寝ウキなど。初めてチャレンジする場合は、寝ウキが見やすくてオススメだ。
タモ入れは落ち着いて(提供:週刊つりニュース中部版 佐々木博司)ダンゴにさしエサが入っているときは、寝ウキにテンションが掛かって棒ウキのように立っているが、ダンゴからさしエサが出るとテンションが抜けてパタッと寝る仕組みのウキだ。そこから魚がさしエサをくわえて引き込むと、再びウキが立って消し込まれる。このタイミングでアワせれば魚が掛かるといった流れだ。
遊動ウキ釣り専用のスナップスイベルにウキを付けたら、いよいよウキ止めイトを調整してタナを取る。このタナ取りの設定については、ステップ5のタナの設定で説明するため、いったん基本である水深の深さでタナを取ることを念頭に置いておこう。

