バチコンアジングは掛ける楽しみもファイトの楽しみも抜群。地域によってはアジだけではなくイサキも狙える。とはいえ、短時間の間にヒットパターンが変わるのもこの魚の手ごわいところ。今回、オリムピックスタッフによる三重県沖での実釣を通し、ベイトとスピニングの特性を活かした最強の戦術を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
スピニングタックルがさく裂
さて、釣りも後半に差し掛かったころアタリが収束。とはいえ、魚探には断続的にアジの反応が入ってくる。タナは40mよりも少し浮いている。
そこで、前神さんはヒットパターンが変わったと推察。スピニングリールをセットしたコルト・ボートアジングGCORBS-602L-HSに持ち替え、逆ダン仕掛けで攻めていった。
スピニングのGCORBS-602L-HS(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)さらに、よりナチュラルにワームを漂わせるべく、ジグヘッドも0.2gと軽くした。10mちょいキャストし、PEラインのマーカーを見ながら水深を測り、タナの直上でベールを戻す。ここから、ジャークによる誘い上げと、ステイによるカーブフォールを駆使し、海中にできた明暗の境目にリグを通していった。
すると、いきなり一投目からヒット。心地よいドラグ音が響く。アジが突っ込むたびにベリーが曲がり込み、ロッドはきれいな弧を描く。上がったのは丸々と太ったアジだ。
さらに、次の投入で同じように攻めるとすぐにヒット。「先ほどと同じく、カーブフォール中にコツンときました」と、前神さん。
狙い通りいきなりキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)スピニングで独走
この後も、出るアタリを片っ端から掛けていく前神さん。弾性に富むこのロッドがアジが吸い込んだ抵抗の変化を正確に手元に伝えてくれる。前神さんは3匹目、4匹目とスパートをかけた。
そのうち、強烈な引きがロッドを曲げる。鋭い突っ込みにロッドはベリー→バットと負荷に応じて曲がり込む。難なくキャッチしたのは、40cmに迫る肉厚のギガ級アジだった。
ギガ級の引きもクッションのように吸収(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)なお、スピニングタックルの強みは明暗の境目攻略のほか、アジが底ベッタリでいる状況で、ボトムバンプや水平ドリフトを用いて横に広く探って攻略範囲を広げるという技も使える点がある。
ナイスサイズをゲット(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)そろい踏みでフィニッシュ
ラッシュはしばらく続き、ここで奥戸さんもベイトタックルながらアジの濃い層を捉えて釣果を追加。前神さんと同様にビッグサイズのアジをヒットさせ、30cm後半のアジでダブルヒットも決めた。
このあとも、前神さんはスピニングタックルによる3次元の攻略で最後の一投までアジを追加し、納竿を迎えた。
前半は、集まりだしたばかりのアジをベイトタックルによる正確なタナ攻めで制し、後半はスピニングタックルによる明暗の境界攻めで一気に数を伸ばす、狙い通りの釣りを実現できた。
ダブルヒットでフィニッシュ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)二刀流バチコンでアジ攻略
バチコンはゲーム性の高い釣りゆえ、釣果は引き出しの多さに比例する。カウンター付きリールと組み合わせたタナ撃ちのベイト、横方向の攻めの幅を広げるスピニングの二刀流で臨めば、最強の布陣でアジを攻略できる。
なお、コルト・ボートアジングには、ごく浅いフィールドや、表層に浮いてきたアジに適合したキャスティング用のコルト・ボートアジングGCORBS-542UL-Sもある。
ソリッドティップ、そして手感度に優れた同社オリジナルのリールシート「OP-01」を搭載したこのモデルは、ジグ単でのボートゲームからショアの釣りまでこなす。港に戻ったものの不完全燃焼……。そんなときにこのモデルは自分を慰めてくれる強い味方になるかもしれない。
キャスティングモデル542UL-S(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)<五井貴矢/週刊つりニュース中部版編集部>

