日本海はヤリイカシーズン真っ最中。初頭は大型のオスヤリイカが100m前後の深場を回遊し、産卵が始まるにつれ中小型のメスも交じり、30~50mの浅場に移動する。したがって初頭の深場は80号程度のオモリで深場を攻める浮きスッテ、産卵盛期は15号前後の鉛スッテで手返しよく攻めるイカメタルが有利となる。
今回の作戦とタックル
1月半ば、福井県・美浜町の早瀬から夕刻に出船。
同船者9人の浮きスッテファンに紛れ、私1人がイカメタルだ。初期の大型ヤリイカはボトム近くを回遊するので、攻めダナもボトムとなる。したがって私の作戦は、大型ヤリイカがへばりつく深ダナのボトムに重めの鉛スッテを投入し、ボトムから数を丹念の攻めることにした。
この作戦に準備したタックルは、深ダナを攻めるのでバット部分がハードなイカメタル専用ロッド、リールは手持ちのできる小型電動リールにPEライン0.8号を巻き、リーダーはイカリーダー2本枝3号、ドロッパーにはイージースリムや浮きスッテ、鉛スッテは四ツ目15~25号を選んだ。
2連掛けからスタート!
午後5時すぎ、左舷トモから鉛スッテ25号を投入。イトはほぼ垂直に立ち、かなり潮の緩い状況が分かる。
水深100mの海底から鉛スッテを巻き上げ、ボトムから浮かせる。ここでシェイクを入れ数秒止める。アタリがなければ数巻き上げ、同じアクションを繰り返す。これをボトムから10m前後まで続け、アタリがなければ再度ボトムに落とし込む。
開始から小1時間は沈黙が続いたが、6時すぎに左舷ミヨシで待望のヒット。
すると手持ちの私のロッドに違和感が。ティップに目をやれば、ロッドの曲がりが消えている。食い上げだ。
反射的に大きくアワせると、極細ティップが水面に突き刺さり停止した。そして直後、ティップが一気に水面に引き込まれた。ギューンとロッド全体が満月となり、強烈な引きが手元まで伝わる。
かなりの重量感だ。電動で巻き上げると水面下に白い影が2つ。ドロッパーの浮きスッテとプラヅノには胴長40cmと38cmの良型がダブルで掛かっている。
しかし、これから入れ乗りかと思ったが、その後は再び沈黙が続く。
沈黙破りタルイカ登場
しばらく続いた沈黙を破ったのは右隣の松村氏。エサでタルイカを狙っていた氏のサブロッドが曲がり、上がってきたのは8kg級のタルイカ。そしてこの後5kg級タルイカを1匹追加した。
どうやら船下にはタルイカが相当群れている模様。これではヤリイカが浮くことはなさそうだ。
それではと、ボトムべったりを繊細に誘う作戦に切り替える。鉛スッテを赤白カラー25号に、ドロッパーをイージースリム80mmとして、ボトム直上5までを静かに丁寧にしつこく誘う。
その1投目、小さくシャクリを入れスッテをフォールさせていると、サオ先に違和感。アワせると、先ほど同様2連でヒット。今度は30cm級2匹が鉛スッテとイージースリムに抱き着いてきた。
水深80mで怒涛のラッシュ!
水深80mのポイントに移動したのを機に、まずは鉛スッテを15号まで軽くする。着底まで時間がかかるが、操作性が抜群に良くなった。また、シャクった後のフォールアクションがスローにできる。
いよいよ大型ヤリイカの群れと遭遇したのは納竿間際の11時すぎ、怒涛の入れ乗りがスタート。
浮きスッテには2連3連。私も負けじと、イカメタルのメリットである瞬速の手返しで数を重ねる。そして順調にヒットが続いたまま、納竿の11時半を迎えた。