今回は3月1日に三重県・南伊勢町相賀浦のなぎさ丸へ釣行した際の様子と合わせて、中深海のカサゴ釣りについて解説していく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 桑原一幸)

釣り方のポイント
胴つき仕掛けを使用したウッカリカサゴ釣りは、仕掛けを落としてアタリを待つだけなのだが、やはり好釣果を上げるにはいくつかのポイントがある。

投入は直下へ
仕掛けを投入し、イトをフリーの状態でどんどん出していくと、潮や船の流れによって仕掛けに角度がついてくる(まっすぐに仕掛けが落ちずにラインが斜めになる)。この状態で仕掛けを引きずってしまうと、根掛かりの確率が大幅に上がってしまう。当日も何匹かやられてしまったが、ヒットした魚が漁礁に潜ってしまい、バラしてしまう確率も高くなる。

これを防止するためには、重めのオモリを使用して仕掛けの投入時にはリールのスプールを親指でやや強めに押さえ(サミング)、なるべく自分の直下へ仕掛けを落とすようにすると良い。船が動いて仕掛けに角度がついてきたら、面倒だがいったん仕掛けを回収して再度仕掛けを投入する。
水深があるポイントでは巻き上げに時間がかかり面倒な作業だが、仕掛けのトラブル確認やエサの状態の確認にもなる。可能であれば高性能な電動リールを使用すると、巻き上げ速度が速く手返しアップにつながるだろう。
このポイントを実行するだけで、根掛かりとバラシのリスクはかなり回避でき好釣果につながるので、ぜひ実行してほしい。
底を取り直す
また仕掛けを底から離しすぎないこともポイント。ウッカリにしろオニにしろ、自分からエサを追い回して捕食するのではなく、目の前にきたエサに飛びつく待ち伏せタイプ。そのため、エサが底から離れると、極端にアタリが少なくなる。

オモリが底に着いたら30cmほど上げて待つのだが、起伏が激しい漁礁ポイントではこまめに底を取り直すことが大事。
今回の五ケ所湾沖の漁礁では徐々に浅くなっていくことが多いので、オモリを上げていてもすぐにまた底に当たってしまう。オモリが底に当たる感覚を逃してしまうと、底を引きずってアッと言う間に根掛かりしてしまうので、神経を集中してサオに伝わる感覚を逃さないようにしよう。
釣った後の楽しみ
カサゴ全般に言えることであるが、オニカサゴもウッカリカサゴもとてもおいしい魚だ。良型のカサゴは刺し身、鍋、煮つけなどさまざまな調理方法があり、なかなか市場には出回らない高級魚でもある。釣った後の楽しみも大きいのだ。

調理の際に気をつけてほしいのは、ウッカリカサゴには毒はないものの鋭いトゲがあり、オニカサゴは顔やヒレに毒バリがある。死んでからも毒は消えないので注意が必要だ。またオニカサゴはとても生命力の強い魚で、クーラーの中で生きていることも多い。まな板の上に乗せたところで大暴れすることもあるので、調理の際は十分に気をつけてほしい。
船長によれば、ウッカリカサゴは3月いっぱいまで良型が狙え、オニカサゴは通年狙えるとのこと。釣り方のポイントさえマスターすれば比較的容易な釣りだ。皆さんもなぎさ丸で中深海の良型カサゴに挑戦してみてはいかがだろうか。
<週刊つりニュース中部版 桑原一幸/TSURINEWS編>